Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2022.11.22 ミュージカル「エリザベート」ソワレ公演:おもいがけない帝劇千秋楽


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2022年9回目の「エリザベート」。

 

翌日以降の中止のことは、観劇している間はもちろん知らなかったわけですが、この回が実質帝劇千穐楽でした。

 

間違いなく私がこれまで観た(この回を含む)19回の「エリザベート」の中でトップ3に入る回でした。まぁいまだに2019年7月30日ソワレ公演はトップに君臨してるんですけど…。

 

「それは後々『この回千穐楽だったんだ』ってわかったから言えることなんじゃない?」って思われそうですが、終演後に「うわあああああ観て良かったああああ」ってテンションがぶちあがるというよりかは、しみじみと「あぁ…なんかすごく良い公演を観たな…」と、なんとも言えない余韻を感じる回でした。

 

井伊少年ルドルフにやっとこさ会えたので良かったです…!「レ・ミゼラブル」2021年公演のガブローシュ役で観てたので、楽しみにしてたんですよね。

 

以下、感想メモです。

 

・今期唯一の花總シシィ&山崎トート回。おふたりとも普段から「この世のものでない美しさ」や「ちょっと浮世離れしたオーラ」を放ってる印象があるので、よりダークファンタジーっぽさを感じました。

 

・総合的に私はちゃぴシシィ推しですが、それは花總シシィと比較してではありません。もう花總シシィは別格ということを改めて感じる回でした。「同じ時代に生まれて、花總さんが演じるエリザベートを観られて良かった」っていう域に達してます、もはや。

 

今期はなぜか(井上トートとともに)映像には残らなかったのですが、だからこそ「記録ではなく、観ている人の記憶に残るようなパフォーマンスを」と思って演じられてるのかなと勝手に感じました。

 

本物のエリザベートには、今生きてる私たちは誰も会ったことがないけれど、きっと花總シシィはエリザベートという人そのものなんだろうなと。2019年公演でも思ったけど、演じてるのではなくシシィの人生そのものを生きてるように見えるのがすごすぎます。

 

・♪あなたがそばにいれば♪の歌い出しで涙腺やられました(早)あそこが幸せそうであればあるほど、♪夜のボート♪を重ねてしまって、彼女とフランツがたどる結末に想いを馳せてしまいます(涙)

 

・♪私だけに♪、♪細いロープたぐって登るの♪からの、自分が夢見る「パパみたいな」自由な生き方を歌うパートでの、すごく幸せそうな顔が印象的でした。フランツと出会わなければ、彼女は生涯あの幸せそうな表情で生きていけたのかな…。

 

・これは2019年公演でもやってて怖かった記憶があるんですが、花總シシィはルドルフの葬儀でトートに拒否されたとき、悲しみのあまり感情がひとまわりしちゃうのか、それともルドルフのように自らの命を断つ勇気すら持てない自分に対する嘲りなのか、ヒステリックな引き笑いをするんですよね…。あれが怖くて哀しくて。

 

・山崎トートは、回数重ねれば重ねるほど謎のいとおしさを感じさせるトートなのでは!?「閣下!何か食べたいものあります!?」って馳せ参じたくなるトートでした(謎)一生懸命はせ参じても「は?」ってあしらわれそう。ていうかあしらわれたい(謎)

 

・山崎トートをのぞくとき、山崎トートもまたこちらを覗いているのだ………

(いやシシィのこと見てあげてよ…!)

 

というのも、♪愛と死の輪舞♪の最後、♪どこまでも追いかけていこう〜♪で古川トートだとシシィと見つめ合ってた気がするんですが、山崎トートはなぜかずーーーーーっと客席方向の真正面を向いていて、シシィを眠らせる仕草もそのままで、一連の流れが終わるまでずーーーーーっと正面を凝視してたので、オペラグラス越しにずーーーーーっと目が合ってて笑いましたw私じゃなくてシシィを見なさいよ!?

(シシィが可愛すぎて目が合わせられないとかだったらどうしようかわいい)

 

・というわけてで、山崎トート基本的にずっと正面向いてました。例えば♪不幸の始まり♪でも♪少しずつ教えよう災いの源♪は、古川トートは思いっきりルキーニに向かって歌ってるように見えますが、山崎トートは正面向いたまま。ルキーニ経験者として、ルキーニとの関係性を濃くするのかな?と勝手に思ってましたが、あんまりそういう雰囲気はなかったかもしれません。

 

・♪最後のダンス♪、ラストの歌い上げが永遠に終わらないかと思ってシシィと一緒に耳ふさぎたくなりました

(※褒めてる)(※すごい褒めてる)

 

・この回の甲斐ルドルフがかなり「ゾーンに入った」パフォーマンスをされてて(※個人感)、♪ママは僕の鏡だから♪でルドルフの勢いに押し負けそうになる花總シシィを初めて見ました。「MA」で観たときの「お歌上手だけどお芝居硬いわ~~~」と思ってた、あのときの甲斐さんは一体どこへ…!?

 

・特に印象的だったのが♪闇が広がる(リプライズ)♪で、♪長い沈黙の時は終わったのさ♪とトートの声が聞こえてきて「えぇ…なんか変な声聞こえる…!?」って耳をふさいで、♪子供のころのあの約束は~♪でトートのことを思い出した表情に変化し、♪友達を忘れはしない♪を満面の笑みでトートに向かって歌いかけていて、かなり衝撃的でした !

 

山崎トート回、もう1回くらい観たかったです…!またトートとして戻ってきてください!