ものすごく面白い組み合わせだった「ノートルダムの鐘」。
初演から出演している田中カジモド&芝フロローと、一番直近でキャスティングされた山崎エスメラルダ・加藤フィーバス・白石クロパン。
まさかここで田中カジと芝フロローが出てくると思わなかったです。
(あ、バケモノの子が終わったから空いてたのか)
山下カジモドと道口フロローが観られなかったのは残念でしたが、またいつか…。
全体的に各プリンシパルキャストの個性が強すぎてなのか、いまいちまとまりが感じられない組み合わせだった印象でした。
あとやたら全員の声がでかかったのは、音響の調整の問題なのでしょうか。それともこの回の役者さんたちの声量が大きかったとか…?
新しくなった秋劇場で「ノートルダムの鐘」が観られたのは本当に嬉しかったんですが、全体的にぐっとくる回が多かったのは前回の横浜公演だったかなぁ…。
それにしても、田中カジモド・芝フロローはもちろん、原田真理さんや平良さんといった初演からのアンサンブルさんも出ていて、皆さん多少年齢を重ねた印象はあったものの、歌声や身のこなしは初演そのままでした。本当に素晴らしいなと思いましたし、この作品を長年支え続けた役者としての貫禄も感じました。やはり安心感がめちゃくちゃあります。
プリンシパルキャストのみ、簡単な感想メモです。
【カジモド:田中彰孝さん】
・旧秋劇場、2018年KAAT公演と確か1回ずつ観ていた田中カジモド。個人的にあまり好みのカジモドではなかったんですが、今回は「あれ、そこまで苦手じゃないかも…?」と感じました。
以前は某ライオンを彷彿とさせるような声質で、かなりライトな発声なのが私の中のカジモド像とマッチしなかったんですが、今回低音がばしっと出るようになっていて、「バケモノの子」で新しい声の出し方を習得されたのかな?と。
(「バケモノの子」は未見なので…)
・カジモドの身体的障がいの表し方も、もっと軽い印象がありましたが、今回は身軽さはそのままに、動きのつけ方がいい意味で少し重ためになっていて、飯田カジモドに近い印象に変わっていました。今回観られて良かったと思ったキャストの1人です。
【フロロー:芝清道さん】
・舞台で拝見するのがすっっっっごくお久しぶりだった芝さん。そういえば旧秋劇場で観た「ノートルダムの鐘」は、田中カジモドと芝フロローをバルコニー席最前センターから観てたんだよなぁと思って、ちょっと感慨深くなりました。
・もう結構なお年だと思うのですが、はちゃめちゃお元気ですよね。何ならプリンシパルキャストの中で一番パワフルだったりするので(真顔)一体あのスタミナはどこから湧き出てくるんでしょうか。
多少セリフの滑舌が甘くなったかなとは思いましたが、♪地獄の炎♪の迫力はすごかったですし、今後もまだまだ役者としてご活躍されるんだろうと感じました。
・お芝居に関しては、新演出後だからということもあるかもしれませんが、徹底的に「他のフロローとは違う」ことを全面に押し出してくる印象がありました。芝さんならではというか、「あ、そのセリフそういう言い方するんだ」というシーンが結構あった気がします。
・役として拝見するのはおそらく「キャッツ」以来?
(とはいえ、「キャッツ」はあまりハマらなかった勢なので印象には残っていなくて…)
・宮田エスメ以来の「私の好みのダンスを披露してくれるエスメラルダ」でした(ガッツポーズ)
野性的でかっこいい!キレはあるけど艶やかさもあるダンスでした。身長がそれなりにある役者さんなので、ダイナミックさもあってかなり好みでした。
目がびっくりするくらい大きくて、美人だけどかわいさもあるエスメラルダでした。
・ビジュアルとは結構ギャップのある、かっこいい声質でした。岡村さんに似てるかも?
・お芝居は相原エスメに似た印象。ちょっと全体的に強すぎて、あまりメリハリを感じられなかった気もします。セリフも、ときどき素敵な言い回しだなと思う部分もありつつ、基本的に「強!!!!!」でした。
【フィーバス:加藤迪さん】
・安心感・安定感という意味では随一なフィーバスなんですが、いかんせん「優等生オーラ」が強すぎて…。でも本当にうまいというか、どんな役もそつなくこなされる役者さんですよね。
【クロパン:白石拓也さん】
・外部から四季に入団された白石さん。「モーツァルト!」のアンサンブルさんとして観たことがあったので、顔はなんとなくわかってるつもりだったんですが、クロパンのビジュアルになったら面影が全くなくなっててびっくりでした。
確か外部役者さん時代も、四季で「リトル・マーメイド」のシェフ・ルイ役を演じてたと思うので、プリンシパルキャストの中でも縁の下の力持ちな存在としてご活躍されそうです。
キャスティングされてるクロパン役者さんの中では1番くらいに若いと思うので、ジプシーのリーダーというよりも、よりエスメラルダやフィーバスに近しい同志のようなクロパンでした。