Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2022.12.12 ミュージカル「エリザベート」マチネ公演:はじめまして、御園座の黄泉の世界

エリザベート」観劇のため、初の御園座に行ってきました!


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帝劇以外で「エリザベート」を観るのは初めてで、御園座での観劇も初だったのでものすんんんごく楽しかったです。そして帝劇でやるはずだった、念願の古川トートマチソワも無事に出来て幸せすぎました〜!

 

御園座は、思ったよりもずっとこじんまりとした劇場でした。そもそもミュージカル向けに作られた劇場じゃないからかな…?(歌舞伎向けですよね?)外観から内装までとにかく赤一色で、なんだかおめでたい雰囲気でした。お手洗いまで真っ赤なのはさすがにビビったけど…。

 

上演前や休憩時間は客席での飲食OKのため、ロビーには軽食からがっつり系のお弁当まで売ってたのにはびっくり。せっかくだからと、御園座名物らしいアイス最中を開演前に予約購入して幕間に引き取って食べたんですが、これがとってもおいしかったです!


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キャパシティも、帝劇1,897席で御園座は1,299席。しかも御園座は元々ないオケピを作るため、客席を4列目までつぶしていたので5列目が最前列。ということで、実質入ってた人数としては1,100くらいなのでしょうか?

 

4列目までつぶれているとはいえ、舞台と客席の距離感も帝劇より近く感じました。マチネは6列目で実質2列目から観られたので、私黄泉の世界にいるわ…プロローグでとろろ昆布(違)かぶるべきだわ…ってなりました。

 

そんな近距離から観る「エリザベート」、ただでさえオペラグラス不要な上に、役者さんの表情がよく見えるがゆえに印象に残り、正直それぞれの歌がどうだったかほとんど覚えていないという始末です。ミュージカルなのにw

 

以下、感想メモです。

 

・この日のマチソワを両方観て私が勝手に感じたこと。この日はちゃぴシシィに花總さんの要素がちょっと入ってて、花總シシィにちゃぴさんの要素がちょっと入ってたように見えました。2人のシシィの特徴的なところが、お互いに取り入れられてる印象でした。

 

マチネのちゃぴシシィは、もちろんいつも通りパワフルでしたが、♪私が踊るとき♪の歌い方が、帝劇ではわりと全部「強!」だったのが、ところどころ花總シシィのような「柔」が混じった歌い方になっていて、それが逆にトートを挑発してるように聴こえたのが面白かったです。

 

・♪私だけに♪はシシィがひとりきりで決意するシーンですが、この日は客席に座ってる私たちにも自らの決意を共有してるような不思議な雰囲気でした。客席と舞台が近いからそう感じただけかもしれません(が、ソワレの花總シシィはあんまりそう感じなかったんですよね)

 

・今さら言うまでもないですが、ちゃぴさんの身体能力すごすぎません?♪愛と死の輪舞♪でトートに操られるちゃぴシシィをわりと間近で拝見しましたが、♪心に芽生えたこの想い〜♪の部分でゆーーーっくりくずおれるちゃぴさん、みんなトートばっか見てないでちゃぴさんも見て!?ってなりました(盛大なブーメラン発言)

 

・♪最後のダンス♪はちゃぴシシィと古川トート、両者の表情があまりにも迫真すぎて、一周回ってなんか面白かったです(?)ちゃぴシシィはトートに物理的ダメージを与えずに(?)トートを引き剥がそうとしたり、♪最後のダンスは俺のもの〜♪と言われると、首を必死に横に振って拒む意志を示すんですよね。抵抗の芝居が芝居に見えない必死さが好きです。

 

・♪最後のダンス♪冒頭、私の席の角度から観る「呆然とたたずむシシィと、その後ろに登場するトート」の構図がとっても素敵で、あの瞬間の舞台写真が欲しいです。

 

・古川トートの表情と芝居が面白い回でした(※個人感)特に相手の芝居を受けるリアクションが秀逸。受けの芝居が上手い人大好きマンなので、この回を観られて良かったです。

 

・♪最後のダンス♪、♪じっと待ち焦がれる〜〜〜うううううう♪の低音が伸びるようになったぶん、不気味さが増してるのと、伸ばしながら声をだんだん大きくするのが怖すぎました…。

 

・♪私が踊るとき♪は、いつも以上に緩急をつけて挑発してくるちゃぴシシィに対し、シシィの一言一句細かいところまで反応していた古川トート。

 

♪人形のように踊らされた私が♪でニヤァって笑ってるのに、♪自分の道を見つけた〜♪で笑顔がすっと引いて怒りの表情でシシィの方を振り向いていました。2番サビの♪一人舞うあなたの前で♪の後は、マントを右手でぎゅーっと握って悔しそうにもしてたり。

 

曲終わりにシシィが退場して客席からの拍手が止むのを待つ間、取り残されたトートが舞台下手側でたたずんでるんですが、一瞬ものすんごい表情してて。心底悔しそうで憤りのあまり今にも\キーーーーーッ/て叫びだしそうなお顔に見えました。

 

・体操室のシーン。ベッドに座るシシィの背後にトートが見える角度の席だったんですが

 

ちゃぴシシィ♪〜本当なら許せない♪

古川トート(背後からシシィを食べちゃいそうな表情( ゚д゚ )クワッ!!)

ちゃぴシシィ♪王宮から出てゆくわ〜♪

古川トート(「…(・д・)チッ…その程度のダメージか」な顔で客席に背を向ける)

私(今舌打ちしました???????)

ちゃぴシシィ「いいえ…命を絶ちます!」

古川トート\ヒャッハー/

私(背中で語ってるw)

 

・あと体操室の\待っていた!/で、古川トートのシャツの前がほぼ全開だったのはなんらかのサービスでしょうか(真顔)(ソワレは一応みぞおちまでは隠れてたので)

 

・♪闇が広がる(リプライズ)♪、甲斐ルドルフの顎をがばぁってつかんでて「え、怖っ!?」ってなりましたが、よく考えたらちゃぴシシィの扱い方と似てるんですよね。

 

ちなみにこの日のマチソワのハプスブルク親子の組み合わせが、個人的に1番しっくりきます。陽な両親(ちゃぴシシィ&しゅがーフランツ)の血を引く甲斐ルドルフと、繊細かつ神経質そうな両親(花總シシィと田代フランツ)の血を引く立石ルドルフ。

 

・カテコでしゅがーさんが古川さんの腰にスッ…っと手を添えると、古川さんもしゅがーさんの腰にスッ…って手を添えてて、シシィそっちのけでいちゃこらしてました。なんでやねん(真顔)2人しておんなじようなにこにこ笑顔で並んでてかわいすぎました。

 

・黒羽ルキーニは変わらず好調でしたが、珍しく♪退屈しのぎ♪で少しセリフが詰まってました。

 

なんとなく、彼の中で求める「ルキーニ」像を完璧に成立させようとするあまり、お芝居がややせわしないというか、慌ただしい印象を受けた回でもありました。いろいろ挑戦しようとすると逆につかみづらくなりそうな役ですよね…。

 

・かなり上手に寄った席だったからたまたま見えたのかもしれませんが、♪夜のボート♪終了後、シシィ退場と同時にルキーニがさもやる気なさそうに拍手しながら出るシーンで、黒羽ルキーニは舞台登場ぎりぎりまで客席と同じくらいの熱量で拍手していました。めっちゃくちゃいい人やん…。

 

・舞台に近い席だったため、いつもは目を向けられないラストのルキーニの自◯シーンも久々にちゃんと観られたんですが、黒羽ルキーニ、台から落っこちそうな勢いで首つってて思わずそっち見ちゃいました…(ソワレの上山ルキもなかなかの勢いでびっくり)

 

・甲斐ルドルフは、帝劇実質楽ほどの衝撃はなかったものの、同じくらいの熱量は感じました。相変わらず新陳代謝が抜群すぎて汗の蛇口全開にしとる!?ってくらいの汗。♪皇帝ルドルフは立ち上がる~~♪で拳振り上げそうになっていて、やっぱつよつよルドルフ&ちゃぴシシィの息子だよなぁ…。

 

・しゅがーさんフランツ、対・甲斐ルドルフだと余計浮き彫りになるなって思ったこと。フランツは表面的にはずっとゾフィーの言うことには従ってきて、ルドルフが親に向かって反抗してくる上に政治にまで口出ししてくるのが許せなくて、一方でそうできる彼に対する嫉妬心みたいなものも持ち合わせてるんじゃないかと感じました。

 

あと誰に対しても物事をはっきり言うのは、間違いなくシシィの性質ですし。自分にはない、愛する妻の資質を持ち合わせた息子………。

 

・香寿ゾフィー博多座では観られないのでこれが最後でした(涙)帝劇のときは深紅のネイルだったのが、御園座ではシルバーラメっぽくなってておしゃれー!

 

香寿ゾフィーはマダム・ヴォルフの娼館とか、そういう下世話なものに対する嫌悪感みたいなものを一番感じたかもしれません。ちなみに剣ゾフィーは嫌悪感こそないけれど、あんまり踏み込みたくない感じ。涼風ゾフィーは完全に面白がってる。笑

 

・井伊少年ルドルフの♪ママ、何処なの?♪、マイクに雑音入りまくっててめちゃくちゃ歌いづらそうでした…。

 

ガブローシュ役でも観てたから余計そう思うのかもしれませんが、レミゼであれだけたくましいキャラだったのに、ルドルフはちゃんと寂しそうな少年に見えるの、あの年齢ですでにきちんと演じ分けできてることに感動してしまいました。まだ幼いのに素敵な役者さんだなぁ。

 

・間近で見たらトートダンサーズがとっても魅力的なことに気づいてしまった件。今まで全然目を向けられてなかったんですが、あの近さで観たらさすがに目に入ってきたので…

 

踊りがうまいのは当たり前として、皆さん指先や表情の表現がめちゃくちゃ細かい…!♪最後のダンス♪のトートの歌い出しからサビ前まで、指先だけうねうね動いてるの初めて気づきました。カテコでは乾さんと岡崎さんが必ずハイタッチしてるのがかわいかったです!