Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2022.10.15 ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」マチネ公演:やんちゃで元気なチームGreen


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2020年に上演された帝国劇場のコンサート版ぶりの「ジャージーボーイズ」。今回も2つのチームでの上演だったため、それぞれ1回ずつ観ることにしました。

 

久々だし新鮮な気持ちで見られるかな~と思って、まずはチームGreenを観劇。spiさんを除く3名が今回初めての参加でした。だからなのか、何度も観劇した作品のはずなのに、全然知らない物語を観ているかのような新鮮さがありました。本公演を観るのが久しぶりだったからってこともあるとは思いますが…。


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全体的になんだかかわいらしかったチームGreen。4人ともおちゃめな要素を持っているようで、重たいシーンであっても良くも悪くも重たくなりすぎず、やや好き嫌いが分かれそうでした。

 

個人的には、トミーの借金問題のシーンはもう少し雰囲気がピリピリしてほしかったです。またセリフで笑いを取るシーンは、日生劇場の音響が「ジャージー・ボーイズ」で奏でられるサウンドとはどうも相性が悪そうだったこともあり(音がもわんもわんしてて正直最悪でした)、いまいち噛み合ってなかった気がしたので、これはチームとして回数を重ねていくに限るのかなと。

 

上に書いたようなチームの雰囲気もあり、1幕はかなり良かったです。きらきら青春な雰囲気が強く出ていて、にこにこしながら観られました。だからこそ、2幕でよりダークな雰囲気に転じた方が、落差が出てさらに良くなりそうでした(まだ言う)

 

歌は全体的に聴きやすく、音響のせいでセリフが聴き取りづらいことの方が気になりました。日生劇場ってあんなに音響やばかったっけ?って思ったんですが、他の公演で特に気になったことがないので、やはりサウンドの問題なのでしょうか…。やっぱりクリエで観たいんよ(わがまま)

 

完全に個人的な問題ではありますが、慢性的な睡眠不足による耐え難い睡魔に襲われる時間帯(マチネ)だったので、もうどうにもこうにもならず2幕は若干寝てしまいました…。もったいないけど、体調的に起きてるのが無理すぎた…。

 

簡単なキャスト別感想です。

 

フランキー・ヴァリ花村想太さん】

・2018年に今作を初めて観たとき「これ今後何度か再演を続けていくとしても、あっきーさん以外にこの役を演じられる人がいるの?歌唱力はもちろんだけど、ビジュアル的にも…」って勝手に不安を感じてたんですが、まさか(いい意味で)「あっきーさん2号」のような歌唱力を持った人が日本のエンタメ界に存在するとは…!かなり前からフランキー役を打診されてた&あっきーさんからもお墨付きを受けた上で、海外にいらっしゃるボブ・ゴーディオご本人の審査を受けたようです。

 

・個人的な好みで言うと、歌唱は花村フランキーの方が好きです。というのも、あっきーさん独自のクセのある歌唱ではないから。あくまでもまずは譜面に忠実に…を守ってくれているので、他の3人とのハーモニーもばっちりハマっており、歌がすっと耳に入ってきました。

 

あっきーさんの歌も本当に本当に素晴らしいんですけど、あの他と合わせる気がなさそうな歌い方は、私は結構気になっちゃうんだよな…。

 

・逆にお芝居で言うと、1幕は若さ溢れるきらきらした感じが全面に出ていて良かったものの、2幕はそこまで深さを感じられませんでした。これは私が2階席の最後列だったため、そこまで細かく観られなかったっていうのもあるとは思いますが…。一応「RENT」と「きみはいい人、チャーリーブラウン」でミュージカル出演の経験はあるとはいえ、歌と同じレベルまでお芝居が持っていけると今以上に舞台で重宝される役者さんになるのかなと思いました。

 

・ダンスがキレッキレだったことには驚きました。完全に歌の人だと思ってたので。

 

・高い歌唱力にちょっと童顔でふわふわした雰囲気、全体的にやや小柄な体つきなど、本当にフランキー・ヴァリを演じるために生まれてきたような人だなと思いました。必要な要素を全部兼ね備えてました。いやはや、生まれてきてくれて、エンターテインメントの世界に入ってきてくれてありがとうございます(壮大)

 

【トミー・デヴィート:尾上右近さん】

・帝劇でのコンサート版を配信で観たときに「絶対本公演で観たい…!」って思ったのが尾上トミー。期待通りの良きトミーっぷりでした。

 

・他の劇場で聞かないと判断できないですが、声質がややこもって聞こえるので、セリフがちょっと聞き取りづらかったかも?歌声はかなり私好みで、もっと歌聴きたかったです。歌舞伎観に行けばええんか(違)

 

・2018年に再演で観たチームWhiteの中河内トミーが、ハチャメチャだけど妙に色気のあるトミーだったので、「ザ・ガキ大将」な尾上トミーが新鮮でしたが、もしかしてトミーってこっちが王道(?)の演じ方なのかな?

 

【ボブ・ゴーディオ:有澤樟太郎さん】

・2階席から見下ろす角度だったからか、ときどき海宝さんに見えたり、ディーン・フジオカさんに見えたりだった有澤ボブ。スタイルが抜群に良すぎて面食らいました。醸し出す雰囲気も、いかにも都会の裕福な家庭で育ったインテリお坊ちゃまだったので、ボブにぴったり!

 

・これは海宝ボブもそうでしたが、ボブがニュージャージー出身の3人と触れ合ううちに、彼の中の「やんちゃさ」が徐々に花開き、作曲の才能もあるためにどんどん調子づいていく過程が面白かったです。ただ有澤ボブは「スポットライトの下はしっくりこなかった」っていうのは絶対嘘でしょ!?ってくらい、4人で歌ってるときにはつらつとしてました。どの楽曲だったか忘れたけど、歌い終わった後に客席に向かってさらなる拍手を煽るような仕草も見せていて、すでにアドリブ(?)的なことまでできる余裕を持っていることに驚きました。

 

・ちなみにダンスもキレッキレ。グランドミュージカルへの本格出演は今回初めてとのことですが、今後頭角を現していくであろう1人になりそうです。

 

【ニック・マッシ:spiさん】

・このチームでは唯一、再演から出演しているメンバー。私は今回初めて観ました。ニックというキャラも相まって、下から支えるような歌とお芝居になるんだろうな…と思いきや、どちらかというと「横に並んで肩を組んでいる」ような、近所の優しいお兄ちゃんでした。

 

・クライマックスのセリフの最後に両手で投げキスをしたり、カーテンコールではジャケットの裾を持って広げるお姫様ポーズをしてみたりと、かわいらしい一面も。ニックにしてはすこーし音域高めかなと思いましたが、安定感はありました。