Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2021.04.15 ミュージカル「スリル・ミー」(成河・福士回):繊細な技術で魅せる狂気の世界

成河「私」×福士「彼」の「スリル・ミー」を観ました。


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結論から言うと、私個人としては、初回に観た【松岡「私」×山崎「彼」】の方が好きでした(もしかしたら少数派かもしれませんが

 

成河「私」と福士「彼」。もちろんとんでもなくハイレベルなお芝居だったんですが、あまりにも成熟しすぎて「19歳」には見えなかったなと。

 

(年齢を気にする演目じゃない!との感想も見かけましたが、あの年齢だからこその行いな気もしたので、キーとなる要素かなと。あくまでも私個人の感想ですが)

 

松岡「私」&山崎「彼」の「若さゆえの暴走」や、いい意味で経験が浅くて不慣れで、だからこそ全身全霊でぶつかる2人の雰囲気が、私は良いなと思ったので…。

 

見た目がどうとかではなく、成河さん・福士さんは共にあまりにも熟練した役者さんなので、超絶技巧を駆使して演じているなと感じました。うまく言えないのがもどかしい…。技巧派すぎて私の好みにはハマらなかったなという感じです。田代「私」×新納「彼」は未見なのですが、このお2人も多分ものすんごい上手いんでしょうね…。

 

成河「私」と福士「彼」は、比較的序盤からお互いが対等な関係の印象でした。松岡「私」と山崎「彼」だと物語前半は、振り回す「彼」!振り回される「私」!!みたいな感じだったので、余計そんな感じでした。

 

「彼」の突拍子もない要望に応えつつ、いざやってしまえば楽しんでるようでしたし、何よりも「彼」と一緒にいられるのならば、放火も殺人もいとわない感じが、成河「私」には感じらました。松岡「私」はもっと怯えてるイメージがあったので。

 

成河「私」と福士「彼」は、より閉鎖的な印象も強かったです。2人だけの世界で、2人だけのルールで生きているなとも思いました。「社会?法律?何それおいしいの?」みたいな。

 

以下、キャスト別感想です。

 

【私:成河さん】

・本当にどんな役を演じてもぴったりハマるのが不思議な役者さんです。お芝居の達人。舞台で輝くために生まれてきた人だなと思います。叶うならば成河ルキーニをもう一度(絶対無理)作品ごとに全く違う顔を見せてくれるので、実は双子でしたとか、クローンがいますって言われても、多分納得します(真顔)

 

・「メガネ落としたかも!」のシーンで、ヒステリックになった成河私が、ほっぺたを不規則にひくひくと痙攣させてたのを見て、そんなところまで自在に操るのか…としみじみ感動しておりました。

 

・19歳の頃の声、どっから出してるの…?

 

・今回はオチを知って観たので、「僕は純粋に彼のことが大好きなんだよ♡」みたいなお芝居を前半でされると背筋がゾッとしました。笑

 

・血の契約のシーンで、指先をナイフで切ってサインするんだって「彼」に言われた成河「私」が、「ふぇぇ~なにそれぇインディアンじゃあるまいし」と、あざとかわいい声色で言ってたのが妙にツボです…w

 

 

【彼:福士誠治さん】

・山崎彼よりも、もう少し感情が見え隠れする印象の福士「彼」。終盤のシーンのお芝居が非常に良かったんですが、決定的なネタバレを避けようとすると書けないな…。

 

・スーツがお似合いな大人の男…なのですが、どこか子供っぽい部分もあって、大人な自分と子供な自分のどっちにも寄ることができず、不安定なイメージもありました。

 

今後も定期的に再演を繰り返していくと思いますが、毎回新しいペアをどんどん作っていってほしいな…。