Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2022.1.10 オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「MURDER FOR TWO」マチネ公演:2022年観劇はじめ

やっとこさ2022年観劇記録に突入…!

 

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2022年早々に海宝さんを拝みました。2021年は古川さん、2022年は海宝さんを真っ先に劇場で観ることができてヲタクは幸せです(にっこり)

 

「MURDER FOR TWO」は今回が再演。初演はなんと6年も前だそうです。坂本さんは初演もご出演されていたので今回が2度目。しかも初演では、自分よりも年上の役者さんがパートナーだったようなので、今回は年下の海宝さんを相手に、自由気ままに演じてるんだろうなというのが、初演を観てなくてもなんとなく伝わってきました。笑

 

元々オフ・ブロードウェイの作品らしく、2人芝居かつ物語もこじんまりとしているので、正直シアターコクーンだとハコがちょっと大きすぎるような…?シアタークリエや、東京芸術劇場シアターウエストなど、小さめのハコで観てみたかったです(となると、チケットがさらに取りづらくなっていたと思うので、観られなかった気がしますが…)

 

冒頭からしばらくは、正直あんまりハマれず、「ここ、笑いどころなんだろうなぁ」というシーンも全然笑えませんでした。音響の問題なのか、セリフが聞きづらい箇所もあり、「これもしかしたらNOT FOR ME作品なのかなぁ…」と不安に思いながら観ていました。

 

が、中盤以降は2人がアドリブをする場面も出てきて、最終的に結構楽しめました。観た回が開幕3日目だったので、特に2人の掛け合いは、これから円熟味を増していくのかなという印象でした。

 

話自体はわりとどうでも良くて(おい)、いい歳した大人の男2人、しかもプロの役者が、超絶ハイクオリティなごっこ遊びをしているのを温かい目で見守る、みたいなスタンスの見方だと楽しめそうでした。

 

物語はどうでもよい…と書いたものの、物語の結論(犯人が誰か)は、個人的に好きでした。

 

以下ネタバレなので文字を反転しておきます。

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海宝さん演じる警察官のマーカスには、終始見えない相棒・ルーがいるんですが、彼は人としても存在感がなく、客席からも見えていない、いわば二重の意味での「透明人間」。物語上では「作家に自分のエピソードを作品に盛り込んでほしくて殺した」(?)みたいな動機でしたが、客席からは存在感がないどころか、そもそもルーが「見えてない」っというのが、ウィットが効いてるな…と思いました。

 

ただしルーが犯人っていう結末は、かなり怪しい感じもあったのでモヤモヤして終わってました。ルーがホイットニーさんを撃った後、どうやって銃を死体の近くに置いて外に出たのか、というトリックを聞いているとき、ルーの声はもちろんこちらには聞こえないため、マーカス(と誰がしかに扮した坂本さん)が勝手に納得して終わってました。

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それにしても、あまりにも役者に負荷がかかりすぎな作品でしたね…。歌も芝居も踊りもアドリブも(演奏も?)、何から何まで全部こなさなくてはいけないですし、それぞれの要素に必死になってるだけだと、おそらく何にも面白くなくなりそうですし…。役者的にはやりがいはあるけれど、かなり挑戦的な作品だろうと思いました。これを全公演こなしたら、海宝さんまた強くなっちゃうじゃん…!とも思いましたけどね(真顔)

 

坂本さんはおそらく10役くらい(?)を、衣装やヘアメイクを一切変えることなく、表情や仕草、話し方でキャラをころころと変えて演じておりました(驚)凡人が演じたら「えっと……今自分どのキャラやってるんだっけ…」ってなりそうなんですけど、そんな混乱を一切起こさず全部演じ分けてました(当たり前体操)私なら開始10分で脳みそ溶けてる。

 

ちなみに私のお気に入りキャラは、マーカスに恋してる女子大生・ステファニーと、サプライズ誕生日パーティーに呼ばれていた少年合唱団のうちの1人(やたら声が甲高い子)が好きでした。笑

 

海宝さんは、コメディは「ロカビリー☆ジャック」で観ていたので、意外と(?)おちゃらけた役が上手なことはわかっていましたが、今回は輪をかけてポンコツな役だったなぁ(*褒めてます)キャラはポンコツなのに、歌い出すと「歌うまぁ!?」ってなるギャップが良きです。

 

基本的に海宝さんが演じるのはマーカス役のみでしたが、マーカスの過去のガールフレンドが登場する回想シーンでは、そのガールフレンドと署長を、動きは坂本さんが、声は海宝さんが演じてました。推しの高笑い大好きマンなので、女の子役だったけど高笑いが聴けて良かったです。あとイスになりたい(観た人にしか伝わらないネタ)

 

いくつかあった2人のアドリブシーンが面白かったので、以下メモしておきます。

 

・劇中、突然けたたましく鳴り出すスマホ。『第四の壁』を超えて、「ちょっとー!?鳴らしちゃだめですよ!?」と客席に問いかける坂本さん。

坂「海宝君からも言ってやってよ!」

海「えっと…あのぉ…ケータイ鳴らした人は、僕がその人の家の洗濯機にティッシュ入れに行きます!濡れた洋服にたくさんの!ティッシュが!ばーーーって!!!!」

(謎テンションな海宝さんを見た坂本さん「…どうしたの?????」)

嫌がらせが地味すぎて笑いましたw

 

・ホイットニー夫人の毒入り紅茶を飲んで死にかける精神科医のシーン。ピアノを弾く人、マーカス、精神科医役ってなると、3人必要だから1人足りなくない!?というわけで、舞台裏から美術さん(だったかな?)を連れてくる坂本さん。見るからにめちゃくちゃ緊張されてたようで、彼女を抱きかかえた海宝さんが「はいー深呼吸~~~吸って~~~~吐いて~~~~吸って~~~吸って~~~~吸って~~~あ、いい感じに弱ってきましたね」(真顔)ってwちなみに初演だと、この精神科医役をお客さんの中から選んでたそうです。今回はご時世的に無理でしたが、客席から選んでたらいろんな意味で死人が出るやつですね(真顔)

 

・終盤のとあるシーン。毎回アドリブで違うキャラ設定の坂本さんが出てくるようで、今回は催眠術師でした。壁に追い詰められ、ひたすら「怖い…怖い…」と連呼する海宝さんに対し、「なんでそんなおびえてるのw」とツッコむ坂本さん。

坂「今から催眠術をかけます。1,2,3であなたは眠ってしまいます。はい、1,2,3!」

海「えっと…かかりませんね」(ニヤニヤ)

(同じ会話を2回繰り返す)

坂「催眠にかからないとこの不毛な時間がずっと続くけど?」(圧)

仕方なく催眠にかかる海宝さん。

坂「あなたはこの眠りから覚めたら、目の前にいる女性に向かって歯の浮くような言葉を投げかけます。………はい!」

海「……………す、すてきなメガネですね」(棒)

(客席の微妙な反応)

坂(海宝さんの肩をぽんっと叩いて)「…………これを「失敗」というんだ」

笑いすぎて泣きましたwww

 

またいつか別の組み合わせで再演したりするのかな…。

いろんな役者さんで観てみたい作品になりました!