Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2021.8.6 ミュージカル「王家の紋章」ソワレ公演:史上稀にみる珍作…?

2016年初演、1年後に早くも再演、そして2021年にキャストを変えて再再演となった「王家の紋章」。

 

今回の再再演のお知らせを聞くまで、全く知らないマンガだったのですが、現在も連載が続いている作品だそうです。

 

近年はマンガやアニメを舞台化した「2.5次元ミュージカル」が1つのジャンルとして成立していますが、今作に出演しているのは普段はグランドミュージカルに出ている方がほとんど。一体どんな作品になっているのやら…と不安半分・期待半分でした。

 

(初演、再演の評判を見た限りでは、不安の方が大きかったです。正直なところ)

 


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今回は推し俳優である海宝さんが、メンフィス役として出演されるということだったので、海宝さんの初日公演に足を運びました。

 

*以下、全く褒めていない個人的感情爆発の感想が並んでおります。

この作品のファンの方はここでお別れです!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終演後。

うーーーーーーーーん。これは一体(真顔)

 

全然期待してなかったんですけど、まさかこれほどまでに面白くな(以下略)正直観ているのが苦痛なシーンもあり、「早く終わらないかな…」と思ってしまったくらいでした。なんでこれ再演できてるんだろう…?原作ファンにはたまらない再現度なのでしょうかね…。(この状況ですし、海外スタッフがいなくとも上演できるのもいいんでしょうけど…)

 

今まで観たミュージカルの中だと、「プリシラ」「ダンス・オブ・ヴァンパイア」が私の中ではワースト2作なんですが、正直この時点では、この作品もワースト候補に入れたいくらいでした…。

 

全体的にものすごくだらだらと進むお話で、楽曲も「これぞ…!」というものがなく(リーヴァイさん手抜きしました………?)、観劇中久々に「虚無」を感じました。

 

これだったらあのぶっ飛び作品だった「INSPIRE 陰陽師」の方がよほど面白かったような…(小声)

 

あとこれは非常に書きにくいのですが、少なくとも初日公演を観た感じでは、海宝さんのメンフィス役は完全にミスキャストではないかな…と思ってしまいました。

 

メンフィスは、浦井さんのように、ある種のナルシシズムを持って振り切ったお芝居ができないと、全く面白みのないキャラクターになってしまう気がします。もちろん浦井さんとある程度差別化を図るための役作りでもあると思うんですが、海宝さんが持つ色や個性が、メンフィスというキャラクターを体現するのにあまりうまく作用してなかったなと感じました。

 

開幕前のインタビューをいくつか読んだときに、海宝さんは「ファラオであるメンフィスは別に悪い人というわけではなく、その当時ではそうふるまうのが当たり前だったから、ということを意識したい」といったニュアンスのことをお話されていて、歴史的観点からの役作りをしようとしてる印象でした。

 

ただこの作品は「少女マンガ」なので、「歴史がこうだったから」という視点でやってしまうと、リアルに寄りすぎてしまうんだと思います。もっとキャラクターとしてデフォルメした方が面白くなりそうなのにな…と思ってしまいました(超上から目線の感想ですみません…)

 

ちなみに全体的に歌唱は良かったので、なんとか皆さんの歌を楽しもうと、その一心で観ていました。

 

この時点で手持ちのチケットが3枚あった私は、やや暗澹たる気持ちで帝国劇場を後にしたのでした(とほほ)