Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2021.04.21 ミュージカル「モーツァルト!」ソワレ公演:「子どものままなら!」という呪い

6回目の「モーツァルト!」は、おけぴさんの貸し切り観劇回でした。


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仕事後(出社後)の観劇がものすごく久しぶりだったので、自分の気持ちがあまり落ち着かないこともあり、どうも1幕はあまりしっくりこなかったんですが、2幕の古川ヴォルフが荒れに荒れまくっていたので大変良かったです(何)

 

今回はずっと座ってみたかった、1階席S列!!

A席の中だと最前で、すぐ前が通路なので足元が広々!&目の前に人が座っていないので、舞台全体を端から端まで見渡せる、素敵な席でした。

(S席の1階席後方に座るくらいなら、A席でS列座りたいというわがまま。笑)

 

 

以下、箇条書きメモ。

 

 

・♪奇跡の子♪を聴きながら、「子どものままなら!」というレオポルトの言葉が呪いの始まり(=才能であるアマデが大人になっても傍らにいる)だったのかなぁ、と思って見たり。

 

・涼風男爵夫人は、ヴォルフを導く者。ヴォルフにとっての憧れの精。どちらに進むべきか、道標は示してくれるけど、隣で一緒に歩いたり、困ったときの手助けは絶対にしてくれない存在。香寿男爵夫人とは全然違うキャラクターづけに感じるので、見ていてとても面白いです。

 

・♪星から降る金♪は、香寿男爵夫人バージョンが好きだな〜と思ってましたが、この回の涼風男爵夫人の歌唱の説得力がえぐいレベルだったので、やっぱりどっちも好きかも(結局)香寿男爵夫人は子守唄っぽくて、涼風男爵夫人はひとり芝居って感じの印象です。

 

・あと涼風男爵夫人は、♪ここはウィーン♪で扇(?)を誰かにぶっ刺すフリをしてにっこりするのが好きです。かわいい(怖い)

 

 

・♪チョッピリ・オツム〜♪の前、シカネーダーが女の子たちを連れて現れたときに、女の子たちの決めポーズを真似してた古川ヴォルフ。笑

 

・プラター公園のアドリブは、その場でくるくる回ろうとしたけど「あ゛!?どっち回るんだっけ!?!?」って、結局へろへろ回転になってしまい、千鳥足でよたよた歩いてましたw

 

・♪並の男じゃない♪大暴走。劇場いっぱいに響く、古川ヴォルフの\うぇーーーーーい/という奇声…。笑

 

・ところで古川ヴォルフはしょっちゅう髪の毛(ウィッグ)がマイクに絡んじゃっているのが気になりました。あれはどうにもならないのかしら。

 

・♪影を逃れて♪、深町アマデが虚空を見つめてどこか悲しそうな表情をしていたのが印象的でした。

 

・ダンスはやめられないし、進化もとまらないみたいな木下コンス(謎)今回は、ダンスという麻薬に取りつかれてしまったようで、どうやっても怠惰で享楽的にしか生きられない自分に、どこか恐怖を感じているみたいに見えました。

 

・♪愛していればわかり合える♪の直後、今さら気づいたのですが、ウェーバー夫妻が乗り込んでくるのって、アマデが連れてきてるんですね…!?やはり自分以外にヴォルフが向き合う存在を消そうとしてるのでしょうか。ただコンスタンツェは、アマデの予想通りに動かなかったんだと思いますが…(契約書を持って帰ってきたコンスを見て、アマデが「え?」みたいな顔してましたし)

 

・ヴォルフがウェーバー家にお金をせびられるシーン。今までだと追い詰められてひたすら怯えてる感じでしたが、今回はすごく反発してました。

 

・狂乱シーンも、前回と同じくコンスタンツェに向かって「許さない!」って叫んでて怖すぎたのと、初見では「なんかヴォルフの語彙力が死んでる…」と違和感を持ったセリフの言い方がかなり良くなっていて、アマデに対する恐れと怒りをぶちまけた叫びになっていました。それにしてもお芝居とはいえ、大人の男性の叫びを役者として顔色一つ変えずに受け止めるアマデたち、強いなぁ。

 

・ヴォルフが落ち着きを取り戻して外に出ていくシーン。「外の空気を吸ってくる」って言って出ていくだけなのに、コンスタンツェはなんでそんな必死に止めようとするんだろう…と思っていたのですが、今回そう言ってすーっと闇に消えていく古川ヴォルフの背中が本当に消えてしまいそうに見えました。行ったら二度と戻ってこない気がして、ものすごく怖くなりました。私の座席からの角度的にそう見えただけだと思いますが、あの背中を見たらコンスタンツェの気持ちが初めてわかりましたし、一緒になって「待って!!」って叫びたくなりました。今回1番印象的だったシーンです。

  

・レクイエムの作曲シーン。楽譜を書いては消し、消してはやぶり、とかなり荒れていました。1幕ラストの♪影を逃れて♪で、深町アマデが譜面を書けなくなったときの焦り方に、どこか似てた気もします。

 

 

・やっぱり深町アマデだと、絶命した瞬間がヴォルフとぴったりシンクロしていてすごい…。

 

 

・この日は貸切公演ということで、最後に古川さん1人で挨拶することになっていましたが、隣にいたアマデ役のようこちゃんを舞台袖にはけさせるときに、ようこちゃんが客席に向かってぺこって会釈したのを見て、「えへへ♡」って古川さんがデレてたのが地味に面白かったです。笑