Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

小説「ポイズンドーター・ホーリーマザー」:毒を以て毒を制す

 「ポイズンドーター・ホーリーマザー」:湊かなえ

 

(あらすじ)

女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた故郷での同窓会の誘い。欠席を表明したのは、今も変わらず抑圧的な母親に会いたくなかったからだ。

だが理穂とメールで連絡を取るうちに、思いがけぬ訃報を聞き…。(「ポイズンドーター」) 

 

(感想)

本を開くまで短編集とは気づきませんでした(え)

 

<マイディアレスト>

1番最初に収録されていたお話が、1番強烈でした。母親に冷たくされて育った姉と、母親に愛され何の問題もなく健全に育った妹。姉は「頭の中に奇妙なイメージが浮かぶ悩み」を持っているのですが、それがまさかあんなホラーな展開につながるなんて…。直接的な描写はなかったものの、ラストの場面を想像すると気持ち悪くなりました…。

 

<ベストフレンド>

短編6作品のうち、唯一「女性が持つ悪意が生んだ悲劇」ではなかったお話。誤解から生まれた悲劇ではありますが。ところで大豆生田なんて苗字、本当に存在するんだろうか(と思っていたら、最近まで放送されていたドラマのタイトルになっていました。てことは本当にいらっしゃるんですね、大豆生田さん)

 

<罪深き女>

思い込みって怖い(としか書いてないんですけど)

 

<優しい人>

「優しい」と「自己犠牲」って、たまにごちゃごちゃになりませんか?「優しい」っていうのは、相手の希望を全部受け入れてあげることではないよなぁ。今後相手のためになるのなら、その一瞬は厳しくすることが「優しさ」につながりますよね。

 

<ポイズンドーター>

ホーリーマザー>

これは2話で1つのお話になっていました。1つ目は娘視点、2つ目は母親視点(正確には娘の親友の視点でしたが)で描かれています。正直母も娘も、どっちもどっちなんだよなぁ…。

 

どうやらWOWOWでドラマ化されたようですが、正直あまり見たくないような…(怖いもの見たさで見てみたいような…)