Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2024.9.15 ミュージカル「ファンレター」マチネ公演:物語の世界にさらに深く入り込む

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「ファンレター」2回目の観劇でした。

 

次の観劇までにやろう!と思っていた、歴史的な背景知識の勉強はできないままの2回目でしたが、今回のほうが作品をじっくり楽しめました。

 

どんな作品もそうですが、プロの役者さんたちといえども、初日(もしくはMy初日)から少し期間を空けて2回目を観ると、歌も芝居もすべてがものすごく深まってるんですよね。自分自身も一度ストーリーが頭に入ってるので「どうなるんだろう」という展開の部分に思考が持っていかれないぶん、色んな要素を拾えるようになるんだと思います。

 

この回は座席が見やすかったのもありました。11列目センターブロックど真ん中。役者さんがまっすぐ客席を向くと、目線がちょうど合う位置だったのでドキドキでした…。オペラグラス持っていったんですが、結局一度も使わなかったくらい。

 

とにかくセフンとヒカルのやり取りが、1幕も2幕も大好きすぎる…!

 

前回の感想でも書きましたが、1幕でヒカルがはっきりと実体を持ち始めるシーン、セフンとヒカルが向き合って鏡合わせの振りをする部分がとっても美しく、永遠に見ていたいくらいでした。海宝さんも晴香ちゃんも手がきれいな役者さんなので、ついつい見とれちゃいました。

 

2幕、ヒカルが暴走してヘジン先生を死に追いやろうとするのをセフンが止めようとするシーン。もはや鏡合わせの動きではなく、自由に動き回りセフンを挑発するヒカルと、そんなヒカルに苦しめられるセフン。感情のボルテージが上がっても、歌としてはしっかりブレずに歌える2人が本当に素晴らしかったです!

 

海宝セフンは、最初は純粋にヘジン先生を慕っていたのに、その気持ちがどんどん独占欲にまみれていく様が、直接セリフには表れなくても表情から透けて見えました。

 

あ、あと【ヲタク】の解像度が高過ぎて、見ていて「アーーーーーッ」ってなります(共感性羞恥

 

木下ヒカルは、初日と比べると2幕で圧倒的に「人間ではない何物か」になっていました。ヘジン先生と共に死を以て傑作を作るんだと言ったあとの、恍惚とした唸り声をあげる瞬間があまりに恐ろしくて、背中がゾワッとしました。狂気を帯びた役を演じる晴香ちゃん、もっと観たいです…!

 

浦井ヘジン先生は……………確かにすごいお芝居で1人だけ異次元にいってる?と思うくらい迫真なんですが、2幕終盤はあまりにも泣きすぎていて、個人的にはちょっとやりすぎかなぁと感じてしまいました。

 

こういうことを書くのは少しはばかられるんですが、鼻水を拭うこともせずそのまま歌ったり話したりするのを見ると「…………気にならないのかなぁ…」と、どうしても気がそちらに向いてしまうんですよね…。あれを見て「すごいお芝居だ!」とは思うんですが、「見せ方」として個人的にあまり好みではないのが正直なところです。