古川雄大さんファンクラブ貸切公演第二弾を観劇しました!
(と、しれっと書いてますが、そうなんです。FC貸切公演2回とも当たりました。SNS見てたら結構そういう方いらっしゃったようですが……………)
全体的に、貸切公演1回目よりも2回目の方が楽しかったような…?なんとなくですが、古川さんご自身の調子が前回より良さそうだったのと、テンションも高そうだなと感じたので。
今回も公演の感想のみ記録しておきます。
いつもどおり素晴らしかったんですが、実はちょこちょこハプニングもあった回でした。
1幕、ウェーバー家をヴォルフが訪れるシーン。楽しそうに振る舞う一家に対し、ヴォルフが♪一家団欒はうらやましいな〜♪と歌い出すんですが「これ、入るタイミング難しそうだよなぁ…間違えたりしないのかなぁ…」とずっと思ってたところ、この回とうとう古川さんがやらかしました。笑
恐らくヴォルフ役者さんが入りやすくなるよう、セシリアと四姉妹が順番に小道具を拍に合わせて掲げてくれていて、最後の1人が掲げた次のタイミングで歌い始めるのが正しいようなんですが、この回の古川ヴォルフは一拍早く歌い始めてしまい、♪一家だんらーーーーーんはうらやまsアハハハハハ♪みたいになってて笑いましたw
(が、私の周りにいた方々は全然笑ってなくて、え?みんな気づいてないのかな?と、そこにもびっくりしました)
もう一つ大きなハプニングだったのが、♪影を逃れて♪の終盤。
羽ペンのインクが切れたことに気づいたアマデに、腕をつかまれる古川ヴォルフ。そのままアマデが羽ペンをヴォルフの腕に振り下ろす………はずが、アンサンブルさんたちが♪自分の影から自由になりたい♪と歌ってるタイミングで、突如古川ヴォルフがアマデの羽ペンをつかんで取り上げようとするような仕草を見せたんです。その直後、ペンから何やら白い物体を素早くむしり取って床にスパーーーンと投げ捨ててました。
一瞬何が起きたかわからなかったんですが、恐らく羽ペンにキャップ(?)がついたままで、そのままではペンから血糊が出ないことに、古川さんは(あんなにパワー全開で歌っているにも関わらず)気づいたようで、とっさの機転でギリギリ解決してました。
思えば2022年「エリザベート」のときも、古川トートが甲斐ルドルフのマイクトラブルをとっさに救った回を観ており、他の回でもトラブル回避したエピソードをちらちら目にしてましたが、あれだけ役に入り込んで熱演してても、きちんと周りを見られる視野の広さがあることに本当に驚きます。
「プロだから当たり前」なのかもしれませんが、プロだからこそのあの対応力だよなと。アマデ役の星くんも、突然いつもと違う動きをする古川ヴォルフにびっくりしたと思うんですが、全く動じずお芝居を続けていて素晴らしかったです。
この回は最後のシーンがとても印象的でした。いっぱいの星を背負いながら歌う古川ヴォルフを見て、1幕冒頭でドクトル・メスマーが言うように「星のように空から落ちてきた」ヴォルフは、最後にまた「果てしない音楽の宇宙」に、自らが星として帰っていったんだな…と思ったら、最後にヴォルフは心安らげる場に戻れたのかもと思えて、どうしようもなく泣けてきました。ラストシーンを観て最初のドクトル・メスマーのセリフに繋がるなぁと感じたのは、今回初めてでした。
真彩コンスタンツェの♪ダンスはやめられない♪、今回もオペラグラスでがっつり堪能しました。♪夫は芸術家なの 私が支えてる♪を歌う真彩コンスの表情は、「世間がもてはやす天才音楽家の妻」としての立場に完全に酔っていて、ウィーン版や韓国版を聴いて感じた、日陰で生きてきたコンスの「あたしの人生、あの人の妻になったこれからなんだから!」という雰囲気をやや感じました。
そしてまさかの、最後にバラを投げないバージョンでした!バラを胸に抱きながら♪流れる血にシャンパン 髪にバラを刺して〜!♪と歌い上げ、一気に膝から崩れ落ちて泣きながらしばらく動けなくなっていて…。いつもよりもたっぷりと間を取ってからおずおずとピアノの方に向かっていき、バラと一緒に赤い羽ペンも胸に抱いたまま♪インスピレーション与えなくては…♪と歌ってました。
古川さんも真彩さんも、その時その回で「自分が役として何を感じるか?」をリアルに表現されていて、だから何度観ても飽きないどころか、「今日はどんな表現を見せてくれるんだろう?」とわくわくさせてくれるんだなと感じました。演じる方はかなりしんどそうではあるんですが、これほどまでに観客を魅了するのは本当にすごいことだと思います。
逆に大塚ナンネールは、あまり露骨に歌やお芝居をガラッと変えてくる人ではないと思ってるんですが(と私は思ってるだけで、毎回全然違うんですけど!?だったらごめんなさい!)ヴォルフの亡骸を見て泣き崩れるところから、アマデの小箱を開けて♪影を逃れて♪に突入するまでの、あのセリフのない短い時間でのお芝居が毎回すごく心にグッときます。あの泣き崩れ方で、ヴォルフを愛してたけど憎んでた、でもやっぱりナンネールにとってはかわいい弟だったんだと一瞬で感じられるんです(なお、ここで♪赤いコート♪を思い出すともれなく涙が止まらなくなります)
アマデの小箱を閉めるときも、和音ナンネールは微笑みながらそっと閉めてたんですが、大塚ナンネールは何かを断ち切るかのようにすぱっと閉めちゃうのも、同じ人物なのに演じる人によって出すニュアンスが変わってくる妙が感じられていいなぁと思います。
ところで「ファンレター」を観てから、なぜか「モーツァルト!」で気づいたこと。
2幕ラスト、ヴォルフが腕にペンを突き立て「僕の血はもうない」と歌うシーン。あれはヴォルフとアマデの世界(?)で起こってることで、「血」は才能のメタファーですが、もし死期が近いヴォルフが錯乱して、本当に自分の腕をペンでぐさぐさ刺してたら…?
(というのも、史実の一説ではヴォルフは病の治療に「瀉血」を用いていたそうなので…)
と考えると、赤いコートを着てヴォルフの膝に横たわるアマデが、まるでヴォルフが流した「血」にも見えてきたり。
……………というのを、「ファンレター」でセフンが自らの手にペンを突き立てた後、その手に包帯を巻いていたのを見て考えました。人の手にペン先を突き立てたら血が出るんだなぁ(当たり前)