せっせと2024年9月の観劇記録を書いてますが、本当にM!とファンレターしか観てない…我ながらドン引きしております(今さら)
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9回目の「モーツァルト!」観劇。
もう帝劇公演も終盤だからか、この日はしょっぱなから芝居が濃かった~~~~!!!!!1シーンずつ濃度が上がっていました。
でも今期のM!カンパニーのすごいところは、絶対に「やりすぎ」にはならないところ。♪赤いコート♪の「ふん!ふん!」合戦はちょっとおふざけが過ぎるかしら…とは思ったものの、どの人もお芝居が自然で、変に浮いたりしなくてバランスが取れてました。みなさん相手の温度感とかをしっかり見てお芝居されてるんだろうなぁ。
以下、雑感メモ。
観ていて面白い芝居が多かったので、なるべく書き残しておきたいです…。
・♪赤いコート♪、古川ヴォルフのテンションがいつもより高かった気がします。ナンネールに対するセリフが甘ったれた子供みたいでした(※褒めてる)
「姉さん、外国へ行こう!昔みたいに…ね?覚えてる?」のセリフも、いつもよりちょっと間を取り気味に話してたため、直後の♪子供の頃の演奏旅行で~♪がほぼセリフとひと続きになってましたが、今期の古川ヴォルフはセリフと歌が本当にシームレスになってるので、全く違和感がありませんでした。
そんな古川ヴォルフに引っ張られたのか、市村レオポルトのヴォルフへの当たりがいつも以上に強くて、赤いコートを着て\ひゃっはー/してる古川ヴォルフとのテンションの差が出てました。
・赤いコートを渡す・渡さないの攻防戦が激しくなってました。笑
市村レオポルトの♪コートは渡せ!♪に応じようとしない古川ヴォルフ。市村レオポルトが「ほら!」と強めに促すと、古川ヴォルフが本当に嫌そうにぐずぐず言いながら(そしてこの回はコートの左手の袖がなかなか抜けなくて余計ぐずぐずしてましたw)、「ふん!」と渡すと市村レオポルトも負けじと「ふん!」
古川ヴォルフが「ふん!」を返し、さらに市村レオポルトが「ふん!」を重ねて、市村レオポルトがナンネールにコートを処分するように言ってナンネールがためらうと、市村レオポルトがまた「ふん!」笑
そして大塚ナンネールも(とっても控えめに)「ふん!」って言ってて、愉快なモーツァルト一家になってました。笑
その後も怒りが収まらない市村レオポルト、「猊下のご機嫌を損じては~」「黙れ!!」でものすごい声を荒げててびっくりしました。
おでこぺちん!も劇場に響き渡るでかさの音で叩いてて、あれ本当に痛いんじゃなかろうか…と思ってたら、その後のシーンで、市村レオポルトが古川ヴォルフのおでこをなでなでしてて、古川ヴォルフも「大丈夫だよ~」と言いたげな顔でこくこく頷いててかわいい親子でしたw
・♪僕こそ音楽♪、ちょっと喉のコントロールがうまくいってなさそうな部分がありましたが、この楽曲を歌ってる古川さんを観ていると、こっちまで(勝手に)ハッピーになります…!
今後ヴォルフを演じなくなったとしても、古川さんにはこの曲を歌い続けてほしいです。
・♪一家団欒はうらやましいな~♪は無事に入れてました(なんの報告?)
・♪昨日は奇跡の子 今日はただのくず♪という歌詞、今期途中から「ただのくず」をセリフっぽく、悔しそうに言うようになったような気がします。
・ヴォルフママが息絶える場面。目の前に横たわる自分の母親の命が風前の灯火であることにも気づかず、「成功したら笑って暮らそう!」ってのんきに言えちゃうヴォルフガングの幼さと甘さが露呈されますし、「やっぱりこの人普通じゃないんだな」と思える、地味に大事なシーンだなと感じました。
・♪残酷な人生♪、今期は嘆き→怒りにだんだんシフトしていったイメージだったんですが、ここにきてまた嘆きの感情が強めになってきたような?憤った口調で吐き捨てるようにつぶやいていた「最後はひとり」が、この回は泣きそうな声で「最後はひとり」になってたので。
・♪チョッピリオツム~♪、今回は遠山シカネーダーから拍手のダメ出しが入り、やり直しさせられましたw&遠山シカネーダーが古川ヴォルフにウィンク連発しまくってて、古川ヴォルフが爆笑してましたw
・ヴォルフが女の子連れ込んでいちゃこらするシーン、市村レオポルトの声が聞こえて慌てて女の子を隠し、シャツを一生懸命裏表確認したけど時間がなくて、もはや肩にかけることもせず仁王立ちしたまま「何?」と開き直る古川ヴォルフw
そういえば借金の額を確認するシーン、2021年公演はヴォルフとレオポルトがお互いに向き合って確認してた気がしますが、今期は2人とも少し客席の方に身体を向けているため、ヴォルフのリアクションがよく見えてより面白くなってるような気がします。この回は借金の額を聞いた古川ヴォルフが「ん゛――――!」みたいな謎の声を出してて笑いましたw早く借金返しなさいw
・市村レオポルト「もっと単!純!な曲を書け!」
古川ヴォルフ「これ以上単!純!には書けない」
・♪星から降る金♪前の男爵夫人とヴォルフ&レオポルトの会話シーン、ヴォルフの反応が派手になりましたよね。涼風男爵夫人が「コロレドの了解は取り付けました」と言うと、古川ヴォルフが「え!?」と声に出して驚いてました。京本さんはどうだったんだろう…。
・男爵夫人が♪愛とは 解き放つことよ 愛とは 離れてあげること♪を、ナンネールに向かって歌いかけてるのはどういう意図なんでしょうか?普通はレオポルトに向かって言うべきなのでは?
(これ涼風男爵夫人だけなのかな…?)
でもこの言葉を聞いた大塚ナンネールが、父を見て、弟を見て、意を決して父を説得しようと声をかけに行くんですよね。お姉ちゃんけなげすぎる…
(とはいえ、この後のやり取りを聞いていると、ナンネールはパパ側についているのでどういうことなんだろう…)
・全体的に歌唱力爆上げしてる古川ヴォルフですが、♪時が来たら僕は行く ここから出ていくぞ♪は2021年公演からずっと苦手そうです。ここだけはちょっと力入って見守ってしまいます(保護者目線)
・中西アルコ伯爵、本当に芝居が毎回ノリノリでいいな~~~!地味にコロレド猊下との馬車のシーンが好きです。
・プラター公園に入ってくる古川ヴォルフと遠山シカネーダー、ずっとイチャイチャしてました(誤解を招く表現)コンスのスカートめくりも一緒にやってました(やめなさい)
・♪並みの男じゃない♪、古川ヴォルフの\ひゃっはー/度が増してきて良きです(?)ちなみに曲終わりに剣を一緒に持って向かい合う古川ヴォルフ&真彩コンスタンツェを見た遠山シカネーダーの「ヴォルフガング?」の言い方、毎回地味に違ってて面白かったです。茶化すような言い方や、驚きを含んだ言い方など、バリエーションが豊富でした。
・ベラベラ〜っと一方的に喋りまくる古川ヴォルフの話に、いちいち「うん、うん」って一生懸命聞いてあげてる真彩コンスタンツェ、いい子すぎます。
・プラター公園のアドリブ、今回は古川ヴォルフがターンしようとしてしないという地味なアクションでしたw真彩コンスは「まわ……らない!」って丁寧にリアクションしてくれてました。いい子すぎます(リプライズ)
・♪僕はウィーンに残る♪の古川ヴォルフVS中西アルコ伯爵が大好き…!言い合いのテンポがあまりにも良きなので。
・アマデの小箱を「ここまでおいで~!」する古川ヴォルフ、本当にク〇ガキ感あふれる言い方がうますぎます。笑
・♪運命に従うほかないのか♪の♪のか♪の部分が、アマデに羽ペンで腕を刺される瞬間と重なるんですが、この回初めて「刺された瞬間の痛み」をしっかり歌声に乗せていました。ヴォルフの苦しみがダイレクトに伝わってきて素晴らしかったです。
・若杉アマデ、インクが出なくなったときの「こんなところで終わってたまるかよ」って顔があまりにも最高でした。歯を食いしばって目を見開いたすごい形相で、ヴォルフの腕を羽ペンでぐさぐさしてるのも最高でした。ちなみに若杉アマデだと、古川ヴォルフの全体的な感情表現が「怒」寄りになる気がしてます。
・2幕頭、真彩コンスの「音楽以外に彼が残したのは、借金だけよ」や「いつ頃のことをおっしゃっているの?」など、セリフに含まれる感情が細かく読み取れていいなと思います(小並感)
・♪ここはウィーン♪、アンサンブルさんたちが色んなところで色んなことをやってるから、一生目が足りません(真顔)毎回遠山さんと朝隈さんに特に目がいきました。
・♪愛していれば分かり合える♪、♪君のためだけ生きる~♪で両手を広げながらベッドに背中からばたーーーんと倒れ込んだ古川ヴォルフ、さすがに浮かれすぎててそりゃアマデも呆れる顔になるわけですな…。
・おそらく歴代のコンスタンツェみんなそうだと思うんですが、「ただいまー!コンチェルト書けた?」の声のトーンと「誰もいない」からの声のトーンが全然違うんですよね。
前半の声のトーンは、ヴォルフに好かれるような取り繕った声色で、後半は素の彼女っぽいなと思ってます。いつの間にかコンスタンツェもヴォルフの前で「ありのままの自分」をさらけ出せなくなったのかな…(結婚したらみんなそんな感じなんだろうと思うんですけど)(真顔)
・真彩コンスの♪ダンスはやめられない♪、ずっとオペラグラスで観ちゃいます。毎回心のままに歌っていて、聴いていて本当に気持ちいいです。
実は宝塚時代に真彩さんがこの楽曲を歌ってた音源もちらっと聞いたことがあったんですが、その時は「上手だけどお上品すぎて全然コンスタンツェじゃないなぁ」って思ってたんです。歌い込んでいくと磨かれていくものですね…。
感情表現としては前回の「バラ投げない&泣き崩れてしまうバージョン」が好きでした。ただ最後の♪インスピレーション 与えなくては♪で、いつもは文字通り「どうにかしなきゃ」という、わりと悲痛な感じの表情で椅子にもたれてるイメージなんですが、今回は♪夫は芸術家なの 私が支えてる♪のときと同じ、うっとりした表情でピアノにもたれてました。
・♪神よ なぜ許される♪の山口コロレドと市村レオポルトの会話も、今期一番熱が入ってたように感じました。
・朝隈さんのベルヒトルトさん、本当に怖いんですが、大塚ナンネールもなかなか強気そうなのであのくらいでちょうどいいのかな(?)
・♪パパにも聞こえるでしょう 僕の名前呼んでる♪までは、市村レオポルトはにこにこしながらヴォルフに向かって両手を広げてるのに、♪コロレドに聞かせたい♪でその両手をふっと下げて険しい表情になるので、私は今期ここですごくヴォルフにイラっとしてしまいます…。パパは抱きしめようとしてくれてるのに、その手を無自覚に払ってしまうなんて…
(でもその後の「おまえの顔など死ぬまで見たくはない!」は言い過ぎだよパパ)
ヴォルフは「ありのままの自分を愛してほしい」というわりに、「愛されるすべ」を学ぼうとしないように私は思っています。それが彼を彼たらしめているような気もしますが…。
・「血のつながった親子でお互い愛し合ってるはずなのに、一生わかり合えないヴォルフとレオポルト」が劇中に存在するので、♪愛していれば分かりあえる♪は本当に恋に浮かれてるときにしか通じない歌だよなと、そこを見てわかってしまうのがかなり皮肉というかなんというか…。
・どれほど年月が経ってもわかり合えないどころか、ずっと同じようなことで何度目かの衝突をするモーツァルト親子を見て、男爵夫人は呆れた様子でその場を離れますが、この回の涼風男爵夫人の表情を見てたら、彼女はどこかでこの親子の和解を望んでたんだろうと思えました。そのお膳立てを何度も自分がしているのに、それぞれ何もわかってないモーツァルト親子に、それは呆れるのも仕方ないよな…。
・♪何故愛せないの♪、この回は(うまく言語化できないんですが)本当に本当に素晴らしい歌唱でした。歌詞のひとつひとつが胸に迫ってきて、何より声の伸びがゾーンに入ってた印象でした。
・♪乾杯 ヴォルフガング♪を歌う真彩コンス、♪約束したわ 何があろうと♪が最後は涙ぐんで歌えなくなってて…その様子を見ている古川ヴォルフの表情も切なそうでした…。
・ずっと謎だった、仮面舞踏会シーンでの♪謎解きゲーム 僕は得意♪という歌詞。別にメタファーでもなんでもなく本当にそのまんま、史実のヴォルフが謎解きゲーム大好きだったそうです。佐◯健かよ(真顔)
・アンサンブルさんたちが歌う♪愛情ではなく 才能でもない 成功でもないなにか♪の時の、アマデの振りつけが好きです(突然の告白)今期は白石アマデの動き方が一番きれいに見えます。手足長いから映えるんですよね。
・セシリアにお金を無心された古川ヴォルフの「もうやめてくれ!!!!!!!!!」の言い方が、あまりにも真に迫りすぎて心配になりました(真顔)全部の文字に濁点ついてました(真顔)すごい声出すじゃん(真顔)
・♪もうしない やりたくないことは♪と言い放った古川ヴォルフ、その後「言ってやったぞ!」みたいなちょっと満足そうな表情になるのも細かい…。
・ナンネールが訪問してきた時の古川ヴォルフの「ナンネール」の呼びかけ方、「味方が来た」みたいな安堵感をちょっとにじませるのも細かくて好きですし、ナンネールの恰好を見て瞬時に察する表情になるのも良きでした。
・♪心を鉄に閉じ込め 冷たさ保て あなたの口癖だったね♪と歌うとき、今期前半はわりと優しげな懐かしむような表情で歌ってましたが、直近の数回はわりと涙ながらに後悔するような歌い方になってる気がしました。
その後の♪残酷な人生リプライズ♪がかなり怒りを含んだ歌い方になってたので、1幕は同曲での感情表現を嘆き強めにしたのかなぁとも思いました。
(古川さんがそこまで考えてるかはさておき。どちらかというとその場の感情で歌ってると思いますし、いい意味で計算していないからこそ今期の彼のお芝居は絶賛されてるんだと思うので…)
・アマデに首を絞められて倒れたヴォルフを見た真彩コンスが、「ヴォルフガング!大丈夫?しっかりして!」の後に「お願い」って言ってて…つらい…(見てるだけなのに)
・♪お前は悪魔だ知ってるぞ!♪はもはや歌じゃなくて絶叫になってて怖かったです。あれをまっすぐに受けて微動だにしない若杉アマデ、本当にすごすぎます。
・♪星から降る金♪リプライズを歌う涼風男爵夫人の声を聴いて、力なく首を横に振りながら突っ伏した古川ヴォルフ。つらい(語彙力ゼロ)1幕ではあんなにキラキラとした目でこの歌を聴いてたのに…。
「大人になった男は 自分の足で歩かなくてはならない」も「ちょっと外の空気吸ってくる」も、涙でギリギリ言葉になってる感じがしんどさMAXでした。
・魔笛で使う衣装を見せた遠山シカネーダー、鳥の鳴きまねしてて笑いましたw和ませてくれてありがとうw
・ヴォルフを誘惑する女性アンサンブルさん、あんなにわざとらしい言い方しなくても…って思っちゃいます。あそこいつもちょっと冷めちゃう………………(正直すぎる感想)
・コンスタンツェへの古川ヴォルフの「帰ってくれ」、この回は涙ぐみながら言ってて、それは怒鳴るよりも最悪だよ…と思ってしまいました…。
・♪モーツァルト!モーツァルト!♪でレクイエムを書こうとするけど、一音書いては消し、書いては消しを繰り返してた古川ヴォルフ。
途中で楽譜を持ち上げたとき、赤い羽根ペンがピアノの椅子の足のところに落ちてしまい、古川さんがそれに気づいてたか気づいてないのかわからなかったんですが、ペンを見失ってピアノの上の楽譜を持ち上げて探していました。
(ちなみに私は本気で見失ってるんだと思って、ずっと「ピアノの椅子のところー!」と念じてましたw)
その後、ふと視線を床に落としたときに羽根ペンを見つけて安堵したような表情をしてました。
直近の公演はわりとハプニング続きだったそうですが、すべて「元からあった芝居です」と言わんばかりに古川ヴォルフがキレイに回収していくらしく、その対応力の素晴らしさもこの回で感じられました。
・2021年公演では♪モーツァルト!モーツァルト!♪の一番盛り上がる部分でペンを勢いよく走らせる印象でしたが、この回はもう白紙の楽譜を目の前にペン持ったまま呆然としていて、周りの熱狂ぶりと古川ヴォルフの虚無感の温度差がすさまじく大きく見えました。全く動けなくなってしまうのは初めて観ましたし、その後の「ダメだ、書けない」に続く説得力もより強くなってました。
・前回も思ったんですが、大塚ナンネールの最後の芝居がやっぱりいいなぁ…。なんであんなにスパッと箱を閉めちゃうんだろうってずっと不思議だったんですが、自分の家族が「音楽」に絡めとられてめちゃくちゃになったことを思い出して、そこにもう二度と呑み込まれないように「音楽」を断ち切ったんだろうなと感じました。