「スマホを落としただけなのに」：志駕晃
（あらすじ）
麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべての始まりだった。拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。
麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。
一方、神奈川県の山中では、身元不明の女性の遺体が次々と発見され…。
（感想）
そもそも「スマホを落とした【だけなのに】」という、スマホを落とすことを軽く考えていそうなタイトルに引っかかりました。笑
財布とスマホは、今まで一度も紛失したことはありませんが、今や個人情報はすべてスマホに入っている時代ですし、下手したら財布を落とすより、スマホをなくしたほうがまずい気がしています。
物語自体はさらっと読めて、普通に面白いかな、という印象でした。終盤は思った以上の派手な展開で、そこは結構驚きでした。
それにしても今の時代、ほんの少し隙をみせただけで、そこにつけいられて恐ろしいことになるんですね…。この小説みたいに、自分ではなく他人経由で情報が漏れだしたら、いくら自衛しててもダメそうですし。月並みな表現ですが、便利だけど恐ろしい世の中です…。
