Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

ドラマ「ドラゴン桜」(2021):私が知ってる「ドラゴン桜」じゃなかった…

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15年前に放送された前シリーズが大好きだったので、期待半分・不安半分でみてみました。当初は見るつもりなかったんですが、結果的に内容はいまいち、東大専科の生徒たちを演じた若き役者陣のお芝居には満足、という半分半分な印象でした。

 

前シリーズは「金曜22時」枠、今回は「日曜9時」枠ということで、テイストをあえて変えたのかもしれませんが、半分くらいは「半沢直樹」を見ているかのような、買収云々という「大人のごたごた」で物語が埋められており、生徒1人ずつに焦点を当てる時間が少なかったことがかなり不満でした。

 

加藤清史郎くん演じる天野くん、前シリーズで中尾さんが演じていたキャラそっくりで、彼だけあんまり深堀りされていなかった気がするんですが、気のせいでしょうか…。

 

ドラマ序盤は、頭のいい双子に嫌味を言われたり、顔は映らなかったけど母親が厳しそうな人という描写があったにもかかわらず、その後家庭事情については特に取り上げられず、最終回では母も双子も彼の味方になってました。途中経過すっぽ抜けてない…?

 

大人のビジネスごたごたは「半沢直樹」とか、池井戸さんシリーズで楽しむので、そこはきっちり区分けしてほしかったです。ミッチーが土下座するのかと思った最終回。

 

一方、放送開始直後は全然ピンとこなかった、東大専科の生徒たち。「ジャニーズの子か~やまぴーの後釜ってことね」「ちょっとぶりっ子キャラだから、前シリーズの紗栄子さんと同じポジションか~」みたいな認識だったんですが、ドラマが進むとともに1人1人の個性がしっかりと際立っていったのが良かったです。彼らのおかげで、内容はともかく最後まで見ることができました。

 

瀬戸くんを演じた高橋海人くん。歌番組で見ると正直全然わからないんですけど(前髪のせいだと思う…「瀬戸くんどれ!?!?」ってなる←)、彼の泣きのお芝居がとても自然で印象的でした。ちょっといきがってるシーンよりも、彼が涙するシーンの方が好き。悲しさだけじゃなくて、悔しさややるせなさをしっかり感じさせてくれる泣きでした。歌番組で拝見したときは、次こそちゃんと見分けられるようにします…(最近の若いアーティストさんに疎いアラサーより)

 

早瀬さんを演じた南沙良ちゃん。名前も顔も知らない、全く初見の役者さんでした。早瀬さんは、さまざまな問題を抱える家庭が多い中、裕福で両親もいて、家庭環境に恵まれているという設定。「何も困ってないからこそ、自力で何かを頑張ろうとする気もない」という、なかなか難しい役どころだったのではないかなと思います。猫みたいに気まぐれでかわいい早瀬さんが、東大受験に向かって必死に頑張る姿は最後までキラキラしてました。

 

楓を演じた平手友梨奈ちゃん。申し訳ないのですが、正直グループ活動をしているときの彼女にあまり良い印象が持てず「仏頂面で不愛想で協調性も感じられない、頑張りすぎてすぐ倒れちゃう子」というイメージでした。が、今回のドラマでガラッと印象が変わりました…!確かにクールな雰囲気が強く、他の子に比べても喜怒哀楽が激しいキャラというわけではなかったのですが、私はとにかく彼女の目がとても好きになりました!あんなに意志が強そうなかっこいい瞳を持つ人、そうそういないと思います。今後はご自身とは真逆のキャラクターにも挑戦してみてほしい!

 

天野くんを演じた加藤清史郎くん。一世を風靡した子役時代を経て、学生時代はイギリス留学をしてお芝居を学んだとのこと。今作で日本の芸能界に本格復帰なのかな…?一見気弱そうだけど、桜木先生からの無茶ぶりにもしっかり応えようとするまっすぐさを感じられるお芝居が印象的でした。かつては「レ・ミゼラブル」にも子役で出演していたそうなので、またミュージカルでも見られる日が来ると良いな~!

 

藤井くんを演じた鈴鹿央士くん。広瀬すずちゃんに直々にスカウトされたすごい子がいる、というのは何となく知っていました。とにかく序盤は心底嫌なやつで、健太くんへの嫌がらせをする回なんて、テレビに向かって回し蹴り食らわそうかと思ったくらいでしたが、最終回では「藤井ーーーーーーーーーーーーっ」(涙)でした(情緒不安定)

東大専科の生徒たちに影響されて、徐々に変わっていく繊細なお芝居が良かったです。

 

小杉さんを演じた志田紗良ちゃん。南沙良ちゃん同様、全く初見の役者さんでした。他の生徒たちのキャラクターがかなり個性的だったので、真面目でデキる小杉さんをその中でどう際立たせるか、結構大変だっただろうなと思います。少し影のある雰囲気が素敵!幼なじみの健太くんにだけ見せるやわらかい表情も魅力的でした。

 

健太くんを演じた細田佳央太くん。とてつもなく挑戦的な役柄だったと思います。最初は本当にそういった傾向がある学生さんが、役者として出ているのかと思ったくらい、リアリティがありました(小学生の時、同じクラスに健太くんのような特性を持つ男の子がいたので…)動きや話し方、視線の動かし方など、本当によく調べて自分の中に落とし込んでから挑んだことが伝わってきました。実は虫が苦手とのことで、そこもよく頑張りました…!と言いたいです。笑

そして視聴者にいったんは嫌われてから、最後ははちゃめちゃに愛されまくった素直なヤンキー2人組・小橋と岩井!!彼らなくして今回のドラマは成り立たなかった…かもしれません。最終回で小杉さんと健太くんを救出しに来た2人に拍手喝采しました。笑

 

というわけで、内容よりも今後の日本の映画やドラマでどんどん活躍しそうな若き役者たちの熱演が、1番見ごたえがありました。そういった意味では見て良かったです!