Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2021.01.10 劇団四季「The Bridge ~歌の架け橋~」初日公演配信:Applause!!

1月31日に劇場で観劇予定でしたが、このご時世、その日になるまで本当に観劇できるかどうかもわからないため、ネタバレにはなりますが、配信があるなら…と、まずは自宅で楽しむことに。

 

劇団四季は、2020年に「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を配信していましたが、個人的に全く興味が湧かなかったため、今回が初めての「おうちで劇団四季」。今までは劇場に行かないとお目にかかれなかった四季の役者さんたちを、TVの画面越しに見るのはなかなか新鮮でした。

 

以前観たことがある「ソング&ダンス65」をイメージしていましたが、実際に見てみたら、ソンダンよりはもう少しお堅い感じ(?)でした。世相を反映してのことだと思いますが、よりメッセージ性の強いショーになっていました。

 

おそらく創設者の浅利さんの言葉なんだと思いますが、プロローグで飯野さんがおっしゃっていた言葉が、心に刺さりまくって泣きそうに…。

 

ショーの終盤でも、シンガー枠の方たちが発する言葉に胸を打たれました。「天保十二年~」の千秋楽公演で高橋一生さんがおっしゃっていた、「こういう状況で真っ先に切られてしまうのは芸術だけど、人の心を豊かにするには必要なものだ」というニュアンスの言葉は、核心を突いているよなと改めて思いました。

 

上演時間は90分間、ノンストップ。5つくらいのテーマに分けて、そのテーマに沿った楽曲がさまざまな作品から選ばれてパフォーマンスされてました。

 

正直ファミリーミュージカルには興味が向かないため、今回披露された楽曲の半分は全く知らない曲でしたが、テーマが明確な上に、各テーマに合致した楽曲ばかりだったので、知らない曲でも楽しめました(とはいえ、ディズニー楽曲になるとやはりテンションが段違いに上がりましたけど)

 

個人的には、やっぱり清水さんの歌声をものすご~~く久々に聴けたのが、本当に嬉しかったです。2018年の「ジーザス・クライスト=スーパースター」以来、ずっと観られていなくて、おそらく3年ぶりくらいでした。

 

序盤の♪ホール・ニュー・ワールド♪で、まさかのアラジンパート担当で出てきたので、びっくりしすぎて画面5度見(真顔)清水アラジンは想定外すぎる(真顔)アラジンに合っていたかはともかく、相変わらずの超美声でした。清水さんの声って、声なのに肌触り・手触りがわかる感じがとっても好きなのです。

 

さらに後半ではなんと、「オペラ座の怪人」から♪ミュージック・オブ・ザ・ナイト♪を歌っておりました~~~!!!!清水ファントム、めちゃくちゃ良いじゃないですか!!!秋劇場隣ですよ!?!?(大興奮)万が一この先ファントムデビューされたら、仕事放って観に行きます(ダメ社会人)

 

谷原さんは、もはや劇団四季のスター女優さんですね…!劇団四季はあくまでも「作品主義」のため、特定の役者さんを目立たせるような制度はありませんが、あれだけの歌唱力と華やかさがあると、彼女が劇団の中でもトップを走る役者さんであるのは一目で分かる気がします。色々な楽曲を担当されていましたが、やっぱり「エビータ」の♪ブエノス・アイレス♪が1番良かったです。次回再演時も谷原エバだったら「エビータ」もう一度観たい!

 

飯田さん、笠松さんも、四季を背負う代表的な役者さん。熱狂的なファンがいらっしゃるのもよくわかります。このお2人による♪自由を求めて♪が非常に良かったんですが、すでに海宝さんがソロアルバムで歌っていらっしゃったため、「この曲を男性が歌う」という新鮮味は正直ありませんでした。歌詞は男性口調になっていて、面白いな~と思う反面、「男性が歌うから男性口調にする」というのが、いまいち解せなかったり。

 

楽曲として聴けて良かったのは、「美女と野獣」の♪人間に戻りたい♪。初めて「美女と野獣」を観た時に、映画にはないこの楽曲にものすごく心を掴まれたので、今回また聴くことができて嬉しかったです。軽やかなワルツテンポで明るめの曲なんですが、「モノ」に姿を変えられた召使いたちの、切実な想いが詰まった歌詞とメロディーで、聴いてると自然と涙が出てきてしまいます。

 

「おうちで劇団四季」は、ものすごく充実した時間を過ごすことができましたが、やっぱり生で観る歌声や踊りに勝るものはないな…と感じた時間でもありました。