橋本ジドラー以外、違うキャストの回&スケジュールの都合がつくところ!と日程を決めたら、前回から3日しか空かなかった…。というわけで、怒涛のMR!週間でした。
ちなみに翌日に急遽「オペラ座の怪人」を観劇したので、久々の2日連続観劇でもありました。
昨年の望海サティーン&井上クリスチャン回は、2幕終盤で中断した回だったため(あれはあれで貴重でしたが)今回は中断もなく、無事に全編通して楽しめて良かったです。
2回観て思ったこと。
サティーン役のお二人が大変素晴らしかった…!
キャスト別感想でも書きますが、特に望海サティーンの役作りが段違いで良くなってたと思います。初演も良かったけど、さらに完成度を高めてきたなという印象でした。
現帝劇でMR!を観るのはこれで最後か…と思うとなんだか名残惜しくて、終演後はちょっとだけその場に残り、あの独特な雰囲気を堪能してました。日本で上演してくれて本当にありがとう…(拝)
前回と今回で、ボヘミアンズトリオはまるっきり別々のキャストでの組み合わせでした。前回の甲斐×上川×中河内、今回の井上×上野×中井の組み合わせがすごくしっくり来たなぁ…。
それぞれ年齢が近い…のでしょうか?甲斐クリスチャン組はやんちゃ&わんぱくなトリオで、井上クリスチャン組は少し大人びた、でも熱いトリオで、色がはっきりと違っていました。どちらのトリオも素敵!
以下、キャスト別感想です。
上野ロートレック、中井サンティアゴ、加賀ニニもそれぞれ素晴らしかったけど、感想メモできるほどしっかり見られなかったので、それ以外のプリンシパルキャストの感想を残しております。
【サティーン:望海風斗さん】
・色気えぐっ!?!?!?!?!?!?
いや、初演の時もセクシーなお姉さまではありましたが、どちらかというと平原サティーンの方がセクシーさはあったような気がしたので…。
視線の投げ方や身体の使い方(特に公爵への絡み方)、表情の作り方がとんでもなく色っぽくて、サティーンがメインではない(けどそこにいる)場面で、ついつい望海サティーンに目が釘付けになってしまいました…。
特に♪So Exciting!♪と♪Sympathy for the Duke♪での、公爵とのコミュニケーションの取り方が「これ真っ昼間から見ていいやつじゃないです!!!!!!!!!!!!ごちそうさまでした!!!!!!!!!!!」でした(?)伊礼公爵との歌と芝居でのやり取りが、あまりにもエr……セクシー………(自重)
・色気が格段にアップしたことにより、初演では井上クリスチャンとは最初から対等に恋愛していた印象でしたが、今回は(井上クリスチャンのお坊ちゃん感が増したこともあり)1幕の出会いのシーンは完全にクリスチャンを手玉に取っていて、今回の関係性の方が圧倒的に好きでした…!私も来世は望海サティーンに振り回されたい(真顔)
・初演でこのペアを観たときは、井上クリスチャンのラストの芝居に泣かされましたが、今回は望海サティーンのラストの芝居に泣かされました…(涙)
自らの命を絶とうとするクリスチャンに向かって、サティーンが♪Come What May♪を歌い始めるんですが、いきなり歌い出すのではなく最初の♪あーいしてるー♪は「愛してる!」って、とっさに出た叫びみたいになってたのがめちゃくちゃ刺さりました…。
その後の亡くなるまでのセリフも、本気で泣きながらクリスチャンに語りかけるので、こちらももらい泣きしました。
【クリスチャン:井上芳雄さん】
・今回は他舞台の稽古もないですし(真顔)、よりクリスチャンにしっかり向き合えたのか、45歳という年齢をものともせず、さらに若々しいクリスチャンになってました。
芳雄さんのすごいところは、あえて「若々しい芝居」をしなくても、声のトーンや表情や仕草を操ることで、「井上芳雄」そのままなのに、しっかり「クリスチャン」になるところ。初演も今回も、歌うとやっぱり貫禄あるなぁってなるんですが、お芝居はとにかくいい意味で青さを感じました。
・甲斐クリスチャンは初演でわかりやすく闇落ちしていて、再演ではそれが少し控えめになってた印象でしたが、井上クリスチャンはまるっきり逆で、闇落ちの「落ち方」がより鮮やかでわかりやすくなってました。
♪Chandelier♪で打ちのめされ、♪El Tango de Roxanne♪でその嘆きを解き放ち、サティーンに振られた後の♪Crazy Rolling♪ではまさしく狂気に堕ちていくかのような、嘆きから怒りに変わる感情の流れをものすごくスムーズに、かつドラマティックに魅せていて、今回はそこが一番印象的でした。
特に♪Crazy Rolling♪では、冒頭の♪覚えてる…覚えてる…♪から最初のサビまで(=舞台奥で歌ってる部分まで)は、圧倒的に「嘆き」の感情を多めに表してるんですが、その後の2番(?)Aメロからは徐々に「怒り」の感情が強くなっていき、♪どうやって君を連れ去ろうか♪や♪暗闇ごと呑み込めばいい♪(だっけ?)とか、ところどころ唸り声のような、聞いたことのない歌声になっていて本当に怖かったです。人間としての感情を手放し、獣にまで堕ちてしまったかのような歌声。芳雄さんのあんな声は初めて聴いたので、この人にはまだ引き出しがあるのか…!と驚きもありました。
・冒頭でクリスチャンが舞台上手袖から登場するとき、あたりを見まわしながら歩く井上クリスチャンが、ふと象に目を留めた瞬間に視線をすっと落としていて、サティーンとの想い出に満ちた象を見るのは、あの時点でもまだつらいんだな…と、お芝居の細かさに冒頭から感激してました。
【ジドラー:橋本さとしさん】
・終演後に近くにいたリピーターらしき方いわく「結構セリフ間違ってた」らしいんですが、全然わからなかったからいいと思います(ダメです)
・3日前のソワレよりもテンション高めだった橋本ジドラー。この日もめちゃくちゃ愉快で楽しくて、シリアスなシーンでの芝居はしっかり締めてくれてました。本当にめちゃくちゃハマり役!
・ラストの劇中劇本番、一応劇中劇の役柄を保ちながらセリフを言って、完全に捌ける直前に振り返ってサティーンを見る表情が本当に悲しそうで…(涙)あの一瞬であそこまで伝えられるのすごすぎる…。
【デューク公爵:伊礼彼方さん】
・今年も最高にイヤな奴でした!!!!!!!!!!!!(※褒めてる)
・とにかくハチャメチャにかっこいいのに、それを上回る嫌味な感じと、今年はそこに「恐ろしさ」も感じさせてきた伊礼公爵。
初演でも「なるほど、この人はやろうと思えば自分の欲望のために人を殺すな…」と思ってましたが、今年はその部分がより濃くなってたと思います。
というのも、2幕中盤でサティーンに対してクリスチャンと縁を切るよう脅すシーン、望海サティーンが本気で怖がってるようにしか見えなかったので…(というくらい脅しの芝居が怖かったです…)
・ということで印象が変わった、というのはあまりなく、初演のキャラづくりのまま、そこを深堀りした印象でした。
パワーアップしたポイントで言うと、どうやら初演は楽譜に忠実に歌うことを海外スタッフから言われてたらしいのですが(出典:パンフレットに載っていたサティーン&クリスチャンの対談からの情報)、今回はそれなりに自由に歌ってもOKだったようで、伊礼公爵は特にアレンジを利かせて歌ってました。これがものすごくかっこよくて、正直オリジナル越えてました(※個人感)
新しい帝劇でも、またMR!が観られますように!私はその頃一体何歳になってるんだろうか!!!!!怖すぎます!!!!!笑