Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2024.8.23 ミュージカル「モーツァルト!」マチネ公演:濃密な歌とお芝居に魅せられて

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2024年版M!2回目の観劇。

 

1階席わりと前方の舞台下手側の壁席で、ヴォルフが袖から出たり入ったり、立ち位置も下手側がわりと多いので楽しめました。ラストのアマデとのやり取りは、舞台上手側に座らないとヴォルフの表情が全く見られないのが不満ではありますが…。

 

初日も思ったんですが、なんかすんごい音でかくないですか?MR!の後釜だから?(んなわけない)

 

今回は観終わったあとすーーーんごい疲れたんですが、要因の1つに「音がでかすぎる」が入る気がします。まぁ迫力不足に感じるよりはいいのかな…。

 

印象的な部分の箇条書き感想メモ。いつものごとく、多分9割は古川ヴォルフのことしか書きません(真顔)そしてやたら長い(真顔)

 

・全体的に、古川ヴォルフの感情のリミッターがはずれてる印象がありました。

 

特に2幕のレオポルトの死から狂気に落ちるシーンのあと、「大人になった男は自分の足で歩かなくてはいけない」「ちょっと外の空気を吸ってくる」の2つのセリフは、あまりにも泣きすぎててセリフが言いづらそうで、自分でも感情のコントロールができてなさそうに見えて、個人的にはすごくグッときました。

 

今回の公演を見ると、2021年公演は(当時コロナ禍全盛で体今以上に体調管理に気をつけねば…という意識もあったんだと思いますが)芝居はわりと抑えめだったんだなと感じました。今回は特に「怒」の感情表現が強まった気がしました。

 

・赤いコート直前で、自分のズボンの裾を踏んづけたらしい古川ヴォルフ。前のめりにコケかけてて危なかったです…。

 

・市村レオポルト「コートを渡せ!」

首を左右にぶんぶん振る古川ヴォルフ

さらに強めに促す市村レオポルト

「フェェェン」みたいな声出しながらコート脱ぐ古川ヴォルフ

 

かわゆ(語彙力ゼロ)

 

・あの赤いコート、歌詞の通り「今の衣装は地味で嫌い」だから作ったという理由もありつつ、「子供の頃の演奏旅行でいつも着てたあのコート」を着ているぼくを見てくれたら、パパも喜んでくれるんじゃないだろうか、子供の頃みたいにぼくを愛してくれるんじゃないかという、ヴォルフのあまりにも単純な、でも切なる期待が込められてるように感じて、楽しい場面だけどちょっと切なくなりました。

 

・舞台下手側の壁席からしか見えないであろう、♪僕こそ音楽♪を歌うヴォルフが♪赤いコート♪で使った鏡に映る姿、最高でした。下手側からだと客席に背中向ける部分でも、アマデににっこりする古川ヴォルフが鏡に映って見られるんですよ…!

 

・アマデとのおでこコツンがなくなったのはちょっとさみしいかも…。2021年公演も、毎回おでこコツンしてたわけじゃなかったですけど…。古川ヴォルフの対アマデの捉え方が変わった気がしたんですが、この時点ではまだうまくつかめませんでした。

 

・♪何処だモーツァルト!♪でレオポルトと登場する古川ヴォルフ、持ってきた楽譜にずっとちゅっちゅキスしてて笑いましたw

 

・2021年もやってましたが、古川ヴォルフが猊下の家来たちにちょっかいを出して、アマデに向かって「見て見て〜!」ってするの、あまりにもク◯ガキすぎます。あの瞬間のアマデたちの表情を見てみたいなぁ…若杉アマデは死ぬほど冷たい目で見てそうです(真顔)

 

・パパ!とかママ!の呼びかけ方が本当に驚くほど子どもっぽくて。甘ったれな感じがにじみ出てました。37歳なのに(真顔)

 

・大塚ナンネール、なぜだかわからないんですがめちゃくちゃ神田沙也加さんの歌声に聞こえる…!?私の空耳かな…。

 

和音ナンネールはわりとほんわかしたお姉さんでしたが、大塚ナンネールは意志のはっきりした、ちょっと強気なところもありそうなお姉さん。普通にヴォルフと取っ組み合いのケンカしてそうです。だからこそ「ヴォルフが【男】ってだけで色々やらせてもらえること」への憤りも強そうでした。

 

ウェーバー家は3年前の公演の組み合わせの印象が強すぎて、さすがに2回目ではそこまでしっくり来ませんでした。

 

・「よく働く」とセシリアに紹介された真彩コンスが、いきなりすごい勢いで皿拭き始めててw

 

・市村レオポルト、御年78歳と聞いてひっくり返りました。滑舌が怪しい部分は正直ありますが、あの歳であそこまで歌えるのは本当にすごいです。しかもシングルキャスト。この作品はスウィングもいなさそうですし、リスクでかすぎる気がするんですよねこのご時世に(真顔)

 

・♪残酷な人生♪、古川ヴォルフが吐き捨てるようにつぶやく「最期はひとり」が印象的でした。

 

あと前々から最後の♪たーだーひーとおーりぃぃぃぃぃ↑↑↑↑↑は歌いづらい(音が出づらい?)とご本人が何かでおっしゃっていたような気がしますが、今回は「い」と「え」の間の発音をすることで発声しやすくしてました。ちょっと聞こえ方が変な気もしましたが、無理に出して声がひっくり返ったりするよりはいいのかな…。

 

・居酒屋(?)でザルツブルクの人たちに陰口を叩かれてる場面、「弾けるとも!」って怒鳴った後の古川ヴォルフが「ぶっころす!!!!!!」を3連発してて若干引きました(苦笑)気持ちはわかるけども、ちょいと治安が悪すぎるよ〜!

(そしてSNSの感想を観測していた限りでは、これ言ってたのこの回だけだったようです)

 

・今期の♪チョッピリオツム〜♪も最高に可愛いですごちそうさまです(拝)

 

・女の子を連れ込んでいちゃいちゃ→パパが来ると女の子を隠してシャツを着てしらばっくれるシーン、2021年はやたら爆速でシャツ着てましたが、今回はシャツをすぐに着ないで肩にかける→裏表を気にしながらのんびり着る、みたいに変わってました。上半身バッキバキやな…。

 

・パパから借金の残りを教えてもらった古川ヴォルフ、金額を聞いて「おー!」って小声で驚いてましたが、それあなたの借金なので(真顔)

 

・♪星から降る金♪、やっぱりめちゃくちゃいい歌すぎます…。メロディが良すぎて聴くだけでうるうるしますし、涼風男爵夫人の歌声が全くもって衰え知らずで驚いちゃいました。

 

・山口コロレドは、1幕終盤の♪僕はウィーンに残る♪の一部がかなり怪しげな歌唱だったけど、それ以外は3年前よりも聴きやすくなってる気がします。ちなみに馬車の上から客席に向かってお手振りしてて爆笑しましたw第四の壁をぶち破ってこないで猊下w

 

・プラター公園、ついに地面に這いつくばってまでコンスタンツェのスカートの中をのぞこうとしていた古川ヴォルフ、昨今のコンプラ的に大丈夫かしらと思ってましたが(そんなこと言ったら何も上演できないか………)、史実のモーツァルトさんがそうだったらしく、なんなら初代ヴォルフのあっきーさんも同じ芝居をしてたそうです。笑

 

逸話を検索すると、ミュージカルのヴォルフがかわいく見えるレベルで史実のご本人さまがぶっ飛びキャラなんですよね(真顔)

 

・コンスに褒められた古川ヴォルフのアドリブ芝居、前回と今回どちらもバレエを舞うパターンでしたが、オリンピックがあったからかブレイキンのマネしてる回もあったそうです。何それ見たい。

 

・コンスの♪お金なんて持ってなくても〜♪でへらへらする芝居残ってた!かわいい!!

 

でもそのあと♪もっと大事なものを持ってる♪って言われて一瞬身構える古川ヴォルフ。もっと大事なもの=才能ってまた言われるのかな、この子も俺の才能にしか興味ないのかなって不安になってるような顔するんですよね…。

 

・♪僕はウィーンに残る♪、猊下ガールズに絡みに行くの新しすぎん…!?猊下のベットにどかーんと座ってガールズの肩抱いたりしてました。攻めてるなぁ(?)

 

曲の中盤でかぶってる白いかつらが落ちちゃったんですが、しばらくそのまま放置して、猊下の家来たちがヴォルフを囲んでくるくる回る部分で、足で蹴り上げてキャッチしようとして失敗して、結局そのまま拾い上げてましたw

 

ちなみに家来たちがぐるぐる回る中の一人にロックオンして、その人の顔をガン見しながら自分も一緒にぐるぐる回り始めて、私があのアンサンブルさんだったらこらえきれずに爆笑してますw

 

そして極めつけは、古川ヴォルフが「あんたとの関わりなんて願い下げだ!」と白いかつらを猊下に投げつけたところ、かつらが猊下のデリケートな部分にクリーンヒットしてしまい、山口コロレドが「アァン…」ってセクシーボイスを出してて、完全に『笑ってはいけないモーツァルト!2024』始まってましたwあれはダメだw

 

・♪影を逃れて♪、あまりにも最高of最高of最高。2021年公演で気になってた♪自分のぉ↑↑影からぁ↑↑♪って変に持ち上げるような歌い方もなくなってて、終盤のフェイクが本当にかっこよかったです。

 

・羽ペンを持ち自分の腕をつかむアマデに対して「お前…まさか…やらないよな?嘘だろ」みたいな顔してた古川ヴォルフ。2021年はあそこまで表情で語ってなかった気がします。

 

ちなみにパンフレットにこのシーンの稽古写真が載ってたんですが、すんごい形相の古川さんに負けず劣らずすんごい形相の若杉アマデ、さすがアマデに選ばれるだけある…と納得しました。

 

・この調子で書いてると一生終わらないので、2幕はかいつまんでいきます…。

 

・真彩コンスは、若い時と年老いたとき(ヴォルフの墓荒らししてるとき)の声の使い分けが素晴らしかったです。

 

・♪愛していればわかりあえる♪、古川ヴォルフがコンスを溺愛してました(赤面)とにかく顔が終始近くて、鼻の先で真彩コンスの顔すりすりしてるし、隙あらばキスするし(書いてて再度赤面するヲタク)

 

ちなみに「LUPIN」ではほとんど聴けなかった2人のデュエット、悪くはないけどめちゃくちゃいいって感じでもないというのがこの時点の私の感想です。

 

・作曲中にシカネーダーたちが乗り込んでくるシーン。多分動くタイミングが決まってるんだろうと思いますが、古川ヴォルフと若杉アマデの

【ノックの音が聞こえてドアを見る→お互いに顔を見合わせる】

の仕草が完全にシンクロしてて、ひそかに感動してました。

 

シンクロといえば、2021年の古川ヴォルフ&深町アマデの組み合わせがめちゃくちゃ好きだったんですが(特に絶命する瞬間)若杉アマデも良き。

 

・真彩コンスの♪ダンスはやめられない♪、歌唱としては素晴らしいんですが、この時点では何か惜しい感じが…(※個人感)

 

ちなみに曲のはじめにすごい格好で靴を乱暴に脱ぎ捨てるのはとても好きです。あとドレスのふわふわな裾をぐわしと手でつかんで動くのも好きです。

 

・あ、「ぐわし」といえば♪並の男じゃない♪の前、コンスに「うちに来る!?」って言われた古川ヴォルフが「あぁ!」って言いながら楳図かずおのぐわしみたいなポーズしてて笑いました。

 

ちなみに初日は若かりし頃のSMAPの中居くんがよくやってた、人差し指を立てて上にひょこひょこするポーズしてました…笑

 

・今期のナンネール&ベルヒトルト夫妻、めちゃくちゃ溝深そう…見てるほうがドキドキします(?)

 

・皇帝の前で演奏した古川ヴォルフ、拍手を受けてのファンサ(ファンサ?)が激しかったですw

 

・ヴォルフとレオポルトが決裂するときの掛け合いって、メロディはちょっと違うけど曲の構造的にはもしかして♪赤いコート♪のときと同じ…なのかな?「コートを脱げ!」「やだもん!」ってやってた時代はまだ平和だったのに、こんな悲しい掛け合いに発展してしまうなんて…。

 

・席の位置的に、♪何故愛せないの♪を銀橋のセンターで歌う古川ヴォルフの向こう側に「こいつまた何か泣き言言ってるわ」みたいな顔した若杉アマデが立ってる構図で見えて最高でした。あの角度から撮った写真をパンフレットに載せてくれ〜!

 

・真彩コンス、ヴォルフの帰りを待ってるときはわりと「悲」の感情が強くて、涙ながらに歌ってる部分もありました。個人的に真彩コンスは気が強いキャラでくると思ってたので、予想とのギャップでしっくりきてない説あるかもです…。

 

・仮面舞踏会シーン、前よりもアマデがその場を支配してる感じが強まった気がしたんですが、なんか変わりました…?

 

・悪夢にうなされて起きる古川ヴォルフ、真彩コンスにぎゅっと抱きついてて頭よしよしされてました。やっぱり甘ったれ感が強い…。

 

・パパの死を伝えに来る大塚ナンネール、とっても静かにブチギレてて怖かったです。ヴォルフへの無邪気な期待が大きかったぶん、勝手に裏切られた気分になってるんだろうな&「あんたじゃなくて私が男だったら良かったのに」という恨みもありそうでした。

 

・アマデがヴォルフの首を絞めるシーン、2021年はアマデがヴォルフに飛びかかってましたが、今回はずっと首絞める仕草に変更になってました。まぁ飛びかかるのはちょっと危ない気もしますし、古川さんはまだしも京本さんは少し小柄で、今期のアマデ3人の中ではひまりちゃんが少し背が高めのようなので…。

 

・ヴォルフが狂気に陥るシーン、3年前に観たときは「古川さん、絶対もっとヤバめなお芝居できそうなのになぁ」と思ってたら、今期ハチャメチャやばくなっててにやにやしちゃいました(やめなさい)

 

♪ピアノの中には借金がずしり♪でケタケタ笑ったり、その直後にスッと真顔になったり、ベッドに飛び乗ってぴょこぴょこしてたり。間近で見たら(=舞台上に一緒にいたら)怖くてトラウマになりそうでした。

 

・♪破滅への道♪かっこいいけどやっぱりキー上げてウィーン版と同じにしてほしい(わがままヲタク)

 

・アトリエでのヴォルフの浮気疑惑、ヴォルフが悪くないってことが2021年よりも強調されてる気がしました。タイミング悪かったんやね…みたいな。

 

・古川ヴォルフ「とにかく!今は!!魔笛を仕上げなきゃならないんだ!!!!!」(机バンバン)

コンスにとっては、そうやって物に当たった時点でもうアウトだろうなぁ…(遠い目)

 

・♪レクイエム♪書いてるときも、なんというか暴力性が増したような…?すごく怒ってるなぁと感じました。