3年ぶりの「モーツァルト!」、初日公演を観劇しました。
3年前はまだまだコ◎ナが猛威をふるっており、M!は帝劇公演を完走することなく、大阪公演も上演されたりされなかったりの不完全な形で終わってしまい、ブルーレイが発売されたものの無観客での収録でした。
(ただあれはあれで良かったと個人的には思ってます。「普段客席に人がいたら映せないアングル」からの映像がたくさん残ってたので)
残念ながら育三郎さんヴォルフがご卒業され(あの終わり方はきっと心残りがあっただろうな…)、今回は続投の古川さんと5代目ヴォルフガングとなった京本大我さんのWキャストでした。
ヴァルトシュテッテン男爵夫人、レオポルト、コロレド大司教のベテラン組はそのままに、それ以外のキャストはわりと一新されました。
そんな2024年M!の初日。
ちょっと…あまりにも胸いっぱいすぎたため、ほとんど感想が残せておりません。が、以下かろうじて残した感想メモです。
・「私が古川雄大さんのファンである理由」が全部詰まった「モーツァルト!」でした。初日で期待を大きく超えまくってカンスト状態。こりゃ大千穐楽までどうなってしまうんだと、逆に心配になる素晴らしさでした。
・1幕開始から♪影を逃れて♪前までの感想は、♪影を逃れて♪終盤の古川ヴォルフの新たなアレンジ歌唱の衝撃で全て吹っ飛びました(真顔)ここまで歌声で鳥肌がたったの、海宝さんの♪Gethsemane♪を聴いて以来かもしれません。
♪いつかあいつ〜にこ〜ろされてしまうだろぉ↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑♪で音上げ、直後の1回目のサビは歌わずアマデとの芝居に集中、半音キーが上がるサビからは、♪運命〜に〜従うほ〜か〜な〜い〜の〜か〜♪を歌いながらその前後も多分フェイクみたいなの入れてたと思います。あまりに呆然としてしまって記憶がない()
・古川ヴォルフ、37歳にして精神年齢7歳のヴォルフを創り上げてきました。2021年の古川ヴォルフが良い子に見えるレベルの悪ガキっぷりでした。笑
・全体的に、どう考えても3年前から格段に古川さんの歌唱力がアップしていて、声に厚みが増していました。古川さんの歌声に…!厚みが増す…!ついに…!(だいぶ失礼)
2019年の「ロミオ&ジュリエット」で、初めて古川さんの歌声を聴いたときは「なんだこのキャラメルフラペチーノみたいな甘ったるい歌声は!?」と違う意味で衝撃を受けたので(突然のスタバ)、あの頃から考えたらミルフィーユとかバウムクーヘンくらいの厚みが出たのではと思います(例えが下手すぎるヲタク)
・3年前は「あ、ここはちょっと苦手な音域なんだろうな」と思いながら聴いてた部分を、かなり工夫して自分なりに歌いやすくしてたのか、今回はそう思う部分がほとんどありませんでした。
だからなのか、正直3年前は聴きごたえがあまりないなと思っていた♪残酷な人生♪と♪何故愛せないの?♪の歌唱がめちゃくちゃ良くなってました。
ベースとなる歌唱力がアップしたことで、芝居歌みたいにちょっとセリフ調で歌っても、歌としてのボリュームが失われないというか…。たまに「あ、この人ここのキー出にくいからセリフ調にしてるのかな」みたいなことがありますが、そういう感じではなかったです。とにかくすべてが完全にパワーアップしていました。
・真彩コンスタンツェは、まだまだこれから!という伸びしろを感じました。特にたたずまいはやっぱり「元・宝塚の人」なので、品が出てしまうというか…。どうしても貧乏一家で育った女の子にはちょっと見えなかったです。
パフォーマンスは初日公演としては出来すぎてるくらいこの作品になじんでいて、♪ダンスはやめられない♪を熱唱する真彩コンスを見ながら、「あれ、彼女は今回初なんだっけ?」と、前から出てるような感覚に陥ったくらいでした。
・大塚ナンネールは、歌唱がやや不安定だったかな…。高音がぶれる印象がありました。あと1幕序盤は緊張の色がこちらにも伝わってきました。かわいらしさ&美しさを持ち合わせたナンネールで、和音ナンネールも個人的には大好きなんですが、今回の2人のヴォルフ、特に古川さんとは実年齢が近いぶん、より姉弟っぽく見えるのは大塚ナンネールかもしれません。
・続投ベテラン組3名(涼風さん・市村さん・山口さん)は、それぞれ少し不安定な部分はあったものの、個人的には2021年公演より良くなってるような気がしました。
・個人的に「いいな!」と思ったのは中西アルコ伯爵。前回公演の阿部さんは、偉そうだけどどこか憎めないチャーミングさもあるおじさまな印象でしたが、今回の中西さんは本当に四角四面の堅物な印象で、そりゃヴォルフとはそりが合わんよな…と思ってしまうほど正反対のキャラになってました。
・衣装は、ヴォルフの黄色いコートだけあんまり好みではないかもです。きちんと意図があるから変えてるんだと思いますが、♪破滅への道♪は黒いコートでバシッと決めてほしかったですし、♪モーツァルト!モーツァルト!♪でレクイエム作曲中のヴォルフがコートを脱いだら、中に着てた黄色いベストが救命胴衣にしか見えなくて困りました(真顔)
古川ヴォルフの「終焉」がスタートしてしまったのは本当に寂しかったんですが、集大成として初日から最高のものを見せてくれて本当にありがとうございました(五体投地)