Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

小説「ZOO 2」:続・乙一版「世にも奇妙な物語」

「ZOO 2」:乙一

 

(あらすじ)

乙一の傑作短編集その2。6編収録。

 

(感想)

1作目と同じく、短編ごとに簡単な感想を。あらすじは省略。

 

<血液を探せ!>

ブラックコメディ…?

主人公のおじいちゃん、読んでいるかぎりかなりの流血っぷりなんですが、周りの状況にいちいち全部ツッコんでてめちゃくちゃ元気いっぱい。笑

 

<冷たい森の白い家>

どことなくグリム童話のような雰囲気を感じるお話でした。舞台が森の中だからかな?

ちなみにオチが個人的に気に入らん!でした。ただ主人公的には、ある意味ハッピーエンド…?

 

<Closet>

これは面白かったけどずるい…!最後まで読むと仕組みがわかるお話でした。

 

<神の言葉>

すごく不気味かつホラーな話なのですが、この短編集の中では一番のお気に入り。究極の言霊の力を持った主人公が、安らぎを求めるあまりどんどん力を行使していって、最終的には自分以外のほぼすべての人間を抹殺してしまうお話でした。

何が恐ろしいって、主人公は自分1人生き残った世界で、「自分はなんてことをしてしまったんだ」と思うのではなく、やっと安らぎを得られたと安心して涙するんですよ…怖すぎる…。

ちなみに昨年の「世にも奇妙な物語」で、大竹しのぶさん主演で同じような設定のお話をやっていて、言霊をテーマにした作品は老若男女問わず受け入れられやすいのかな~と思ったり。

 

<落ちる飛行機の中で>

1話目の「血液を探せ!」と同様、かなりコメディでした。舞台(ストレートプレイ)でやったら面白そうかも。

 

<むかし夕日の公園で>

たった4ページなんですが、かなりゾッとさせられるお話。

「砂場の奥底ってどうなってるんだろう」という疑問は、幼いころ抱いたことがあるので、あのときむやみやたらに砂場に手を突っ込まなくて良かった…と思うくらいには怖かったです。でも本当にありえそうなお話でもありました。