Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

小説「死神の精度」:雨の季節にぴったりな小説

 「死神の精度」:伊坂幸太郎

 

(あらすじ)

CDショップに入り浸り、名字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない。そんな人が身近に現れたら、死神かもしれません。

一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断を下し、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。

 

(感想)

関東もやっとこさ梅雨入りしたそうですが、この小説は梅雨にぴったりな小説でした。というのも、主人公の死神が、人間界に降臨するときはいつも雨なのです。

 

死神が、終止符を打つ対象となる人間と交流する話が短編として入っているんですが、どれもとても良かったです。短編って、たいてい1つか2つくらい、「あんまり好きじゃないな」とか「これそんなに面白くないな」という内容だったりしますが、これはどれも面白かったです。

 

特に1番最後の「死神 対 老女」が非常に素晴らしかった!他の短編に登場した人物が、別の短編のメインキャラクターとして登場する仕掛けがすごく好きでした。

 

伊坂さんの作品は独特だなぁ。読めば読むほど好きになります。