Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2019.07.19 ミュージカル「王様と私」来日公演:一生に一度の奇跡

 


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キャッチコピーが「一生に一度の来日公演」。

正直日本でこの演目を見られるとは思ってませんでした。発表された時は嬉しい、というよりも「…本当に??」という疑心暗鬼な思いの方が先に来てしまった…。笑


実際見てみて、内容としてはものすごく感動!というわけでもなく、比較的「ふむ、そんな話だったのね」という感じでした。

ただ舞台セット、衣装、俳優陣のレベルの高さがとにかくすごくて、「一生に一度」レベルの観劇が出来たと思います。とっても素晴らしかった!


ロンドン公演で使用されていたセットや衣装を、まるっとそのまま日本に運び入れたそうで、出演者も本場の公演に出られていた方ばかりでした。「チケット代、高いなぁ…」と思ってたけど、観劇後は「そりゃ高いわけだわ…」と納得できました。

 

あとオーブの1階席後方は、しっかりと段差がついていて意外と見やすかったのが、個人的には収穫でした!!

イギリスからシャム王国へ、息子を連れて家庭教師としてやって来た未亡人アンナと、頭はいいけどやたら権力を振りかざすシャム王国の王様の、ツンデレ・ラブストーリー。

なかなか素直になれない2人にやきもきしつつ、王様のハチャメチャっぷりを楽しみつつ、最後はちょっとだけほろりとするような場面も(あ、私はほろりとしなかったんですけど)



【アンナ:ケリー・オハラさん】
・2015年トニー賞授賞式での♪Getting to Know You♪と♪Shall We Dance?♪のパフォーマンスが大好きで、何回もYouTubeで見てました。なので、この2曲を歌うケリーさんを、アンナ役として目の前で見られたのは本当に嬉しかったです。

ものすごくあたたかみがあって、包み込まれるような安心感を得られる歌声。寝るときに子守唄を歌ってほしいくらいです。


・ウエストから裾に向かって大きく広がるドレスも難なく着こなしていて、特に♪Shall We Dance?♪のダンスシーンは最高でした。よくあんなに軽々動けるよなぁ。



【シャム王:渡辺謙さん】
・威厳もありつつ茶目っ気もたっぷりなケン・ワタナベ王。かっこよくてかわいらしくて、魅力的なキャラクターでした!

英語はちょっと聞きづらかったけど、母国語じゃない言葉で演技したり歌ったりするなんて、並大抵の努力じゃできないと思うので、素直にすごいなと思えました。


・上手く演じないと本当にただのひどい君主にしか見えなくなってしまいそうでしたが、王として思い悩む姿や、アンナに遠回しにアドバイスを求めたり、彼女に贈り物をしたりする姿に思わずほっこり出来たのは、彼の演技の上手さがあるからだろうなぁと。傍若無人な振る舞いをしながら、一方で愛されるキャラクターに仕上げていたのも、本当に素晴らしかったです。


・♪Shall We Dance?♪で、アンナの腰にそっと手を回して、彼女を引き寄せた後に「…Come」って低くつぶやくシーン。あまりにもかっこよくて鼻血モノでした。間の取り方といい、声のトーンといい完璧。あれはさすがのアンナも確実に落ちますね!!!!!

 

【クララホム首相:大沢たかおさん】
・TVで見るよりもがっちり体型でびっくり。恐らく役に合わせて身体を作ったんだと思います。あまり前に出るような役柄ではありませんでしたが、ときどき無茶苦茶なことを言い出す王様を、しっかり影で支える姿が素敵でした。

 

そういえば来日公演って今回初めてだったんですが、字幕ってあーいう風に出すんですね…仕方ないとはいえ、かなり見づらかったので、あらかじめそれなりのあらすじは把握してから観るべきだなと思いました。