Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

小説「ジョーカー・ゲーム」:もう一度映像化希望

ジョーカー・ゲーム」:柳広司

 

(あらすじ)

結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校"D機関”。

「死ぬな、殺すな、とらわれるな」、この戒律を若き精鋭たちに叩きこみ、軍隊組織の信条を真っ向から否定する”D機関”の存在は、当然猛反発を招いた。だが頭脳明晰、実行力でも群を抜く結城は、魔術師のごとき手さばきで諜報戦の成果を上げていく。

 

(感想)

短編集のため、積読を解消して新しい本を手に入れるまでの「つなぎ」として、よく読んでいます。物語の雰囲気がとても好きで、これまでに3回くらい読んでるんですが、なにせ鳥頭なので各話のオチは全く覚えておらず、おかげで毎回新鮮な気持ちで読むことができています(喜ぶべきか、悲しむべきか)

 

いつぞや映画化もされていましたが、あれはちょっと…だったので、是非とも連続ドラマで再映像化をお願いしたいです。地上波では難しそうなので、配信限定とかでも良いと思うけどなぁ…。

 

短編が5つ収録されていますが、個人的な好みとしては

「魔都」

ジョーカーゲーム

「ロビンソン」

「幽霊」

「XX ダブルクロス

好きな順番で並べるとこんな感じです。

 

「魔都」に関しては、オチをぼんやり覚えていました。笑

そのくらいインパクトのある結末だったので。

映像化したらかなりドラマチックになりそうなので、1番ドラマで見てみたいお話です。

 

ジョーカーゲーム」は、戦時中の日本人の「ある絶対的なルール」を、外国人が逆手にとってスパイ活動に用いていたのが面白かったです。そして「常識にとらわれない」D機関が、その絶対的なルールに縛られることなく見事に逆転劇を演じていたのが痛快でした。

 

「ロビンソン」は、暗号文に関する物語。

「普段は一定間隔でミスタイプをするルールになっているため、一字一句間違いのない暗号文を打つことで、それがSOSメッセージとなる」というのが面白かったです。本物のスパイもそんなことをするんでしょうかね…。

 

このシリーズは硬派な内容を扱いつつも、短編で読みやすく、きちんとエンターテインメント性もあってお気に入り&おすすめです。