Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2019.05.18 劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター」:自由劇場×JCS=濃密空間

 

レミゼの観劇記録と順番が前後してしまいました〜!まぁいいか(雑!)

 


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\マイガっっっ/(斜面ごろごろ)

およそ1年ぶりのJCS!!2回目の観劇です!!初日!!しかも念願の自由劇場!!

 

2018年にJCSを初めて見た後、「アラジン」を観に行ったら劇団四季吉田社長がいらしてて、「JCSを自由劇場でやってください」って直訴しようとしたけど(やめなさい)、直訴しなくてもテレパシーで伝わったようです!!(違う)

 

5/18~6/2というなかなかの短期公演。気合入れて、4公演分もチケット取っちゃいました。シングルキャストで清水ジーザスには会えず、ちょっと悲しかったのですが、演目自体が好きなので、違うキャストで観劇するのも楽しみにしていました。

 

初日の座席は1階席後方センターブロック。

久々のJCSでしたし、まずは全体を把握したくて一度もオペラグラスを使わずに観ました。そもそも自由劇場なので、後ろから3列目でも役者さんの表情ははっきり見えましたが…。

 

思えば初見は、ひたすら演出にびっくり仰天してばかりでした。ユダの斜面ごろごろとか、発狂する民衆とか、リアルな血のりとか。

 

今回改めて観て「楽曲が好きだー!」と思いました。初めて聴いたときは「なんじゃこりゃ!?」でしたが、そこはさすがのALW作品、何回か聴いているうちにどんどん好きになれる楽曲が多いです。変拍子とか多くて聴いてて楽しい。♪ホーーーザナヘイザナ♪とか電車の中で歌いそうになります、振り付きで(やばい)

 


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全体を把握しながらの観劇だったため、役者さんの細かい部分はあんまりちゃんと確認できませんでした。とりあえずメインの3人+印象に残った役者さんの感想をメモしておきます。



ジーザス:神永東吾さん】

・これが噂の「神」すぎる神永ジーザス…。いや~~~すんごいはまり役ですね。凡人な私から見たら憮然として見えるレベルの超然とした態度。明日どころか100年後くらいまで見通していそうな凛とした瞳。そして整いすぎてて怖いくらいの美しいお顔。メイクのおかげもあるとは思いますが、あの彫りの深さは同じアジア人とは思えない…美しかったです。そして細面のお顔にあの長髪ウィッグがよく似合ってました。

 

・ルックスが神様みたいなので、そりゃ崇めちゃうよなぁ…民衆の気持ちめっちゃわかる(崇める要因は顔ではないけど)見ているこちらの背筋が思わず伸びてしまうような、「彼に逆らってはいけない」ということがひと目でわかる、不思議なオーラを終始発していました。

 

・私が神永さんを見たのが、これまで「恋に落ちたシェイクスピア」のみで、あの演目は歌が全然なかったから知らなかったんですが、歌めちゃくちゃ上手なんですね(遅)

ジーザス独特のハイトーンも、すこーんと気持ちよく出ていて、特に♪ゲッセマネ♪が素晴らしかったです。

 

・前半はわりと淡々としていて、全然感情が見えなくてちょっと違和感がありました。民衆に祭り上げられる時も、時折周りを不思議そうに見渡している表情が印象的でした。清水ジーザスは、あのシーンでほんのり微笑んでいるように見えたので。

 

・中盤の♪ここは私の祈りの場だぁぁぁ♪から、徐々に感情をむき出しにしていって、「神らしからぬ」表情を見せていったような気がしました。あと後半に向かうにつれて人間的な色気が出てました。終盤は首元に汗びっしょりかいてるのを見て、「あぁ彼も人間なんだなぁ」って妙なところで人間らしさを感じたり。ちなみに顔には汗全っっ然かいてないのがすごすぎる。汗すらコントロールしているのでしょうか。本当に神なのかな…?

 

・身体の絞り方が完全に「みんながよく知ってる、十字架にかけられた姿のジーザス」で、ラストシーンはさながら宗教画を眺めてるようでした。そして神永さん、息絶えてから暗転するまで本当に息してないように見えたんですが、やっぱり神なのかな…??

 

・初見の清水ジーザスが、わりと感情豊かで人間らしく、もともと好きな役者さんってこともありますが、この時点では清水さんの演じ方が好きでした。でも圧倒的カリスマオーラ&崇められて当然だなと思ったのは神永ジーザスですかね…。

 

 

【ユダ:佐久間仁さん】

・今回最も印象的かつびっくりした佐久間ユダ!!

ノートルダムの鐘」のフィーバス役で初めて見たときは、正直「かっこいいんだけどそれだけ」な印象でしたが、2018年横浜公演の「ノートルダムの鐘」、そして今回のユダ役でその進化っぷりに驚かされました。聞いた話によると、ユダ役はご本人が熱望されてたらしいので、演じるにあたっても特に力を入れて愛情を注いでいるんだろうなぁと感じられました。

 

・立ち姿が本当にかっこよくて、存在感も抜群。長らくユダ役といえば芝さんだったようですが、佐久間ユダが後任なら芝さんも安心して任せられるのでは…?

 

・ちなみに佐久間さんってかっこいいのに、いわゆるザ・王子様な役は演じないのかしら?と思っていたのですが、佐久間ユダを観て、汚れたメイクやメンタルずたずたなキャラだからこそ輝く役者さんが気がしました。退廃的な色気というのかな…?だから王子様にはならない(なれない?)のかもしれません。例えば「リトルマーメイド」のエリック役とか演じても、何かしらのトラウマを抱えてそうで、アリエルにそもそも出会わないかも…。笑

 

・どのシーンも非常に印象深かったんですが、特に♪スーパースター♪での表情が心に残りました。

生前の佐久間ユダはジーザスを一途に愛して支えて、そのまっすぐすぎる愛情をジーザスに受け止めてもらえないことを理由に裏切った感じで、根はものすごく真面目なユダに思えました。

なのにどうも現世に頭のネジを1本残してきてしまったようで、♪スーパースター♪ではやや下品とも言えるくらいのニヤけた笑みを浮かべたり、ジーザスに向かって「俺の言ったとおりになったじゃないか!!」って感じのドヤ顔をしたり、完っっ全にメーター振り切れていて、生前の姿からのあまりの変わりように唖然としてしまいました。芝ユダに負けないくらい腰くねくねしてましたし、ふとした表情がものすごくセクシーで、十字架背負って歩く神永ジーザスが一切目に入らなかったレベルで釘付けになりました。

ところであのぶっとんだ演技はどこで身につけたのかなぁ…と3秒ほど考えて、あることを思い出しました。佐久間さん、2018年の終わりごろに「キャッツ」で突然タガー役デビューしたんでしたね。なるほど(自己完結)

 

・カヤパとアンナスに促されて、裏切りの代償(お金)を手にした時の表情が怖かったです。照明の当たり方が神がかってて、怖さ倍増してました(佐久間さんは照明を味方にする男)(「ノートルダムの鐘」観て思った)

 

・自らの命を断つシーンでの断末魔が凄まじかったです。\うわあああああああああああ/とかじゃなくて、\ぎゃああああああああああああ/って身も蓋もない叫び方してました。ユダは自分の犯した罪の重さに心底恐怖を感じながら死んでいったんだろうなと思いました。地面への吸い込まれ方がややぎこちない気がしたのは気のせいだと思っておこう(前向き)

 

・カーテンコールにて、佐久間ユダを先頭に♪スーパースター♪に合わせてダンスしてましたが、ちょっと照れてるのか、すん…って真顔で踊ってて可愛かったです。笑

佐久間ユダ、本当に素晴らしかった!フィーバス役よりこちらの方が好みでした!

 

 

【マリア:山本紗衣さん】

・民衆の大半はジーザスを「神」と崇める一方、山本マリアは彼を「男」そして「人間」として愛しているのがすごく伝わってきました。だからジーザスも「あなただけが私のことを知っている」と言うし、ユダは狂ったように嫉妬するんだろうな…。彼女だけがジーザスの本質を見抜いていたんだと思う……というか思いたいです。そうじゃないとあまりにもジーザスがかわいそうな気がして。

 

・マリアは実はジーザスの妻だったかも、という言い伝えがありますが(「ダ・ヴィンチコード」!!!)、ひたすら愛を注いで献身的に支える山本マリアなら、その言い伝えも真実味を帯びる気がしました。

 

 

その他、印象的だったのは3名。

まずは今回JCS初参加の阿久津ヘロデ!初日でまだ手探り中なのか、想像の100億倍はおとなしかったです。もっとはっちゃけてくるかと勝手に期待してました…(私は阿久津さんに何を期待しているのか)

 

本城シモン、超絶すごかった!!!本城さんと言えば私の中ではジャファーだったので、あんなにハイトーンがばんばん出るお方とは思わず、シモンのソロパートでめちゃくちゃビビってました。

 

村ピラトは前回も拝見してて印象的だったんですが、今回も変わらず歌も演技も素晴らしくて、罪なきジーザスを罰さなければいけないピラトの苦悩がこちらにもきちんと伝わってきました。