Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2019.05.05 ミュージカル「レ・ミゼラブル」:声圧すごすぎて(なぜか)疲労困憊

 

 

不思議なことに、前回より今回のほうが泣けました。なんで!?!?

 

観劇するときの自分の気持ちも少なからず関係すると思うんですが、やっぱり座席が大事な気がする。今回はA席で2階席の前から6列目サブセンター。演者さんの表情はオペグラないと細かくは見えなかったんですが、なんていったって音がすごく良かった!!きれいに客席まで飛んでくる印象で、もしかして帝劇は2階席のほうが音も堪能できるのかしら…と。

 


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↑ピンぼけキャストボード。

 

以下キャスト別感想。

 

ジャン・バルジャン:吉原光夫さん】

 ・吉原バルジャン、めっちゃ好きです!!!!!!!!

バルジャンは囚人時代の荒々しい性格から、ファンテーヌやコゼットとの出会いをきっかけにどんどん聖人みたいになるお芝居が肝だと(勝手に)思っているんですが、吉原バルジャンは冒頭とラストのお芝居の差が極端で分かりやすく、バルジャンの人間としての成長が明確に感じられました。

特に冒頭の囚人時代の演技は、19年間囚人として扱われたがために、完全に人間としての尊厳を失ってしまって野生動物のようになってしまっていました。だからこそ神父様に親切にされても仇で返してしまう(=銀の食器を盗んでしまう)のも納得できたし、神父様が彼の行動を許したときに、バルジャンが受ける衝撃(=生き直すきっかけ)はさぞかし大きかったんだろうと思いました。

 

・初見時に観たヤンさんのバルシャンにどこか通じるものを感じました。コゼットへの愛情の深さとか…。

 

・ファンテーヌとエポニーヌが最期にバルジャンを迎えに来るシーン。エポニーヌの顔をしっかり見つめて彼女の手をぐっと握りなおす場面で、2人ともすごくいい表情をしてました。今でもあの場面を思い出すだけで泣けてきます。

 

・あとはもう歌が!!!!!!すげぇ!!!!!!!!!!!!!(語彙力)

♪にーげーた↑↑↑↑↑↑♪とか♪にーよんろくごーさ↑↑↑↑↑↑ん♪とか、突発的に出すハイトーンが美しすぎ&すこーんと気持ちよく出ていてびっくりでした。

 

・カーテンコールでは、リトルコゼットとリトルエポニーヌを両脇に抱えてにこにこ歩く姿がかわいらしく、川口ジャベールとはお互いの背中に手をまわしながら歩く姿にほっこりしました。

 

 

【ジャベール:川口竜也さん】

・川口さんの声、好きだなぁ…!オケに埋もれず、かつ耳に心地良い低音…たぶんずっと聴いてられる…。

 

・前回よりも迫力が増してたような気がしましたが、これも座席の違いでしょうかね…?

 

・下水道でのバルジャンとの対峙シーンの迫力たるや、ものすごかったです。お互いにもう行きつくところまで行って、体力は限界で気力のみで向き合ってるのが伝わってきました。結果どうなるのかわかってても、川口ジャベールの気迫がすごすぎて、もしかしたらバルジャン捕まるんじゃ…と思ってしまいました。

 

 

【ファンテーヌ:二宮愛さん】

・二宮さん、死に際のお芝居がうますぎて…。前回あんまりにもリアルすぎて見てるだけで辛かったので、今回はオペグラ使わなかったんですが、歌声だけで完璧なお芝居をされていたため、もはや表情全然見えないのにぼろぼろ泣いてしまいました。負けました(謎の敗北感)

 

【コゼット:生田絵梨花ちゃん】

・前回より歌が良くなってた気がしたんですが、これもやっぱ座席(以下略)

 

・前回は上手側に座ってて見えなかった、マリウスとの出会いシーンの表情、めちゃくちゃキュンキュンしてる表情に私もキュンキュンしました!!!!!!!

 

・マリウスじゃなくて私の嫁にな(以下略)

 

・いくちゃん、バイトの時いきいきしすぎて面白い。笑

工場のシーン、エプロンをはずしてかごに入れるときに他の人は投げ入れる感じなのに、いくちゃんだけ勢いよく投げ捨ててましたw

娼婦の時も、いい意味で全然臆してない感じが良きかな。がばーーーっと足開いてかったるそうに座ってる姿、アイドルやってるときの彼女のファンが見たら泣いちゃいそうですけど。

ちなみにこの年から新たにコゼットにキャスティングされた熊谷さんは、この場面で自分がやらなきゃいけないお芝居に衝撃を受けて、「こんなことをして生きる人が実際にいるのか」って泣いちゃったそう…。そうだよね…普通に生きてたらおそらく無縁の世界だもんね…。

 

 

【マリウス:海宝直人さん】

・前回感じたコゼットへの過剰な「好き好き」オーラは減ってました。笑

 

・今回はあまりオペグラを使わなかったので、細かい演技は全然把握できなかったんですが、むしろ歌の時も声でしっかりお芝居されていることが分かりました。♪心は愛にあふれて♪の時、コゼットに会えてうれしい気持ちから思わず出るため息とか。

 

・何度でも言うけど海宝マリウスの♪カフェソング♪最高です。音源残して~~~!

 

 

【エポニーヌ:昆夏美さん】

・2年前に見た時よりもずいぶん気性が荒くなった印象だったんですが、もしかするとこの日のテナルディエ夫人が森さんで、彼女の言い回しとかに引っ張られてるのかな(エポはテナルディエ家の娘だし)と思いました。

 

・マリウスに対しても、いちいち言い方がつっけんどんで、「そりゃ~恋心は伝わらんよな…」と。

 

・でも♪恵みの雨♪の時に「どこにも行かないで」と言わんばかりにマリウスの服をつかんで、亡くなって力が抜ける瞬間まで必死にマリウスにすがりつく姿に泣きました。最後の最後、マリウスにキスしそうになるけど、寸前で力尽きちゃってて泣きました(大事なことなので2回書いておく)

 

・カーテンコールでは、アンサンブルの女性陣と一緒にぴょんぴょんしながら客席に手振ってて可愛かったです…!

 

 

【アンジョルラス:上山竜治さん】

・前回もそうだったんですが、あんまり印象に残らないのはなぜなのでしょうか…。そもそも私が、アンジョルラスというキャラクターにそんなに感情移入できてないからなのかもですが…。

 

 

【テナルディエ:KENTAROさん】【テナルディエ夫人:森公美子さん】

・モリクミさんのテナ夫人、ずっと見てみたかったから嬉しかったです!2階席からでもわかるド迫力ボディと声にビビった…。私がリトルコゼットだったら泣いて脱走します。笑

 

 

ちなみにこの日は母と観劇したのですが、観劇前は「帰りはおいしいごはんとスイーツ食べて、お買い物して帰ろうね~!」なんてはしゃいでいたのに、観劇後はお互い疲れ果ててしまい、「……あんまり食欲ないね…」と言いつつ、そのへんにあったお寿司屋さんに入り、無言で寿司を食べてそのまま帰りました。笑

 

絶大なエネルギーを持つ歌声を聴いてると、こちらのエネルギーを根こそぎ吸い取られることを実感した日でした。