Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2021.7.4 ミュージカル「レ・ミゼラブル」マチネ公演:個々の色が強めだった回

2021年版2度目の「レ・ミゼラブル」観劇。

 

4年前の人生初レミゼの時の【B席・2階I列】のサブセンター席で観ました。あくまでも私の場合は…ですが、やっぱりレミゼは2階席に限るな…!と思います。役者さんたちの歌声も、オケの音も、ものすごくキレイに聴こえて、全身を音で包まれてる気分になれる気がします。特定のキャストが観たい!とかでなければ、2階席のA席・B席で全然問題なく楽しめます。

 

カンパニーの熱量も、1か月前より上がっておりました。特に吉原バルジャンと上原ジャベールのバチバチ具合がすごく熱かったです

(上原ジャベールがとりわけ熱くなってました)

 

はじめまして!なキャストも4人いらっしゃって、また新鮮な目で観られたと思います。ただ全体としてまとまってたのは、前回(6/5)の組み合わせな気がしました。今回のキャストの組み合わせだと、なんとなくそれぞれの色が強くて、いまいち調和していなかったような…。

 

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以下、キャスト別感想。

 

ジャン・バルジャン:吉原光夫さん】

今回は前回とは真逆で、冒頭のシーンの吉原バルジャンのお芝居にめちゃくちゃ泣きました。今期の吉原バルジャン、荒々しさとともに「社会に受け入れてもらえないつらさ・寂しさ・悔しさ」を、より強く表現している印象があります。

 

前科者だからと仕事を無理やり辞めさせられたとき、宿屋から追い出されるとき、どちらも「なぜ」「どうして」という気持ちが一番伝わってきて、観てるこちらがつらくなりました。「憧れていたこいつが自由なのか」という歌詞があそこまで胸にぐさっときたのは初めてでした。

 

【ジャベール:上原理生さん】

前回、あまりつかみどころがないな…と思っていた上原ジャベール。

今回は、バルジャンに「自由だ」と言って逃がされるシーンの表情と反応がすごく印象的でした。

 

それまでの上原ジャベールは、エポニーヌが歌う「あのおまわりはいつでもドジ」がしっくりこないくらい、あんまり隙がなさそうなんですが、この瞬間、心底呆然とした顔してて、バルジャンの行動が全く理解できない様子でした。

 

逃がされた後も「なぜバルジャンが自分を逃がしたのか」を分かっていなくて、上原ジャベールはバルジャンを「自分と同じ、闇の世界で生きる仲間」みたいに思っていた節があったのかな…と感じました。唯一の理解者を失って、孤独にさいなまれて死んでいったような…。

 

ジャベールって本当に、演じる役者さんによって全然違う印象になるので、一番面白いキャラクターかもしれません(行動や理念はなかなか理解できないけれど)

 

【ファンテーヌ:知念里奈さん】

2017年からレミゼを観てるのに、今回やっと初見だった知念ファンテーヌ。やや声質が苦手で、♪夢やぶれて♪を聴いてもいまいちピンときませんでした。

 

ただ、工場で周りの女たちに嫉妬されるくらいの美人、というのはものすごく納得しましたし、娼婦に堕ちても素が美しいので、より悲劇性が増してました。

 

亡くなるときの「コゼットの幻が見えているお芝居」が一番良かったです。

 

【コゼット:熊谷彩春ちゃん

いろはちゃんコゼは、前回(2019年)から観てみたかったけど、当時はいくちゃんコゼ一択だったので、今回はじめましてでした。

(コゼットで観る前に「天保十二年~」と「パレード」で観ましたが)

 

意外にも、マリウスと恋に落ちてきゃぴきゃぴする気持ちが強めのコゼットだったので、もう少しバルジャンとの絆も見えると良いのかな~と思ったり。笑うと困り眉になるのがとっても可愛らしいです♡

 

【マリウス:竹内將人さん】

知的で、真面目で、でも若者らしい情熱や前のめりな気持ちはある。なのに妙にどんくささを感じるマリウスでした。ある意味とても「マリウスらしい」マリウスなのかもしれません。多分50m走とかめちゃくちゃ遅いと思う(*勝手なイメージです)

 

堅物という肩書がぴったりな竹内マリウス。歌は、ところどころもう少しパワーがあると良いのでは…と思う部分もありましたが、レミゼ初出演でここまでのレベルに持っていってるのは純粋にすごいと思います。ビジュアルも、目鼻立ちがくっきりしている方なので舞台映えしてました。

 

【エポニーヌ:唯月ふうかちゃん】

ふうかちゃんエポが健気すぎて、私の全母性があふれ出す…(謎)

2年前とあまり印象は変わらず、マリウスの前ではお茶目な振る舞いでにこにこして、1人になったときに抱えている孤独や叶わない恋心を寂しそう&悔しそうに吐露する姿のギャップが良かったです。

 

♪On My Own♪の♪知ってる 夢見るだけ♪のフレーズをきっかけに、それまでのどこか夢見がちな歌声とがらっと異なる声質になるのがすごかったです。

 

【アンジョルラス:小野田龍之介さん】

なぜかずーーーーーーっとご縁が無くて、そもそも舞台での活躍を観たことがなかった小野田さん。やっとこさ観られました…!いい意味で年齢不相応な貫禄があり、そこに立っているだけで安心感がある役者さんでした。

 

カリスマ性も抜群だったので、「なぜ革命が成功しなかったんだアンジョルラス2号」に認定しました(ちなみに1号は上山アンジョルラス)

 

歌はどの音域を出しても安定感があり、2年後・4年後にバルジャンやジャベールにキャスティングされても、全く不思議じゃないと思います。

 

あと今回、初めてマリウスとコゼットの結婚式での、アンジョルラスのバイト(給仕係)に注目してみたんですが、あまりにも愉快すぎて観ててめっちゃ楽しかったです。カニを大事そうに抱える小野田さんに爆笑でしたw

 

【テナルディエ夫妻:駒田一さん・森公美子さん】

この2人は掛け合いのテンポが息ぴったりで、本物の夫婦感が強かったです。お2人とも、レミゼ歴長いですもんね…。