２年ぶり、人生２度目の「レ・ミゼラブル」でした。
２年前に観たときは、「すごくいい作品だけど、次は１回見ればいいかな…」とか思ってたんですが、海宝マリウスがおそらく今回ラスト…という話を聞き、１度だけでは惜しくて３公演取りました。しかも奇跡的にすべていくちゃんコゼットの回…！！そしてその内１回は昆エポニーヌの回！！よく頑張った私！！（自画自賛）
で、今回観た感想ですが、なぜだろう…やはりあまり短期間でリピートしたい！と思える作品ではないなと感じました。良作というのは大前提で、あとは個人の好みの問題でしょうけども…（それはレミゼに限らず、ですね）
今回は席が舞台にあまりにも近すぎたのか（１階席D列）、迫力がすごかったり演者さんの表情が肉眼で分かったのはめちゃくちゃ良かったんですが、初見でB席で見たときの方が感動できた気がしました。あ、でもプロジェクションマッピング的な演出をあんなに使ってるのは今回初めて知れました！下水道のシーンがよくできてました。
楽曲は素晴らしいのですがいまいちキャラクターに感情移入できない、というかあまりにもスピーディーな話の運びなので感情を移入する間もないという感じ。一応主役はジャン・バルジャンですが、スポットが当たるキャラが多すぎて個人的にはものすごくバラバラ～っと散らかった印象を受けます。シーンごとに泣ける部分はありますし、終演後「いいもの見たなー！」って気持ちにはなるんですけど…。
↑めちゃくちゃブレとるがな。
以下キャスト別感想。
・「ジャージー・ボーイズ」千秋楽ぶりの福井さん。さすがめちゃくちゃ上手ですし、とても安定感がありました。川口ジャベールと並ぶと舞台上がなんとなく濃ゆく感じました。笑
・福井さんはちょっと強面ですが、普段からにこにこされてる印象があり、温かみのあるバルジャンだなぁとは思いました。
・♪にーよんろくごーさ↑↑↑↑↑↑ん！！！！♪が好き。
【ジャベール：川口竜也さん】
・初見時と同じく、ジャベールには全然共感出来なかったんですが、今回見た中で個人的に良い…！と思ったのは川口ジャベールでした。「ノートルダムの鐘」のフロロー役もすごかったけど、ジャベールもすごかったです。生オケに埋もれない声量がすごい。あと表情もお芝居も比較的濃いめ（？）なので、とにかく目立つしインパクトがありました。
・フロローもジャベールも、川口さんが演じると「自ら鎖にがんじがらめになりに行って、自ら破滅しに行く」印象を受けました。バルジャンを捕まえることに生き甲斐を見出してしまっていたことに気づいて、ある意味彼なしでは自分は生きていけないのかもしれないと悟って、最後はそんな自分自身に絶望して死んでいったのかなと思いました。
【ファンテーヌ：二宮愛さん】
・ファンテーヌは１幕の中盤にはいなくなってしまうため、集中して観てないとなんかいろいろ見逃してしまう気が…。
・今回唯一ちゃんとファンテーヌに注目して観られてたのがもう亡くなる場面だったんですけど（♪夢破れて♪のときの記憶がない…）、二宮さんの表情の演技が心に刺さってしまい、それまでファンテーヌのこと全然注目できてなかったのに泣けました。コゼットの幻影を見ているときのにこやかな表情から、現実に帰って「あの子を頼みます」とバルジャンに託すときの必死な表情の切り替えに鳥肌立ちました。
【コゼット：生田絵梨花ちゃん】
・念願のいくちゃんコゼット！！！！！！個人的にはやっぱり「グレート・コメット～」のナターシャが1番好きなんですけど、コゼットもはまり役だなと感じました。溢れ出るピュアピュアオーラを私にも分けてほしい（切実）
・私がエポニーヌなら速攻でマリウスのこと諦めるし、私がバルジャンなら例え相手が海宝マリウスであったとしても嫁には出しません！！！！！！！！
・♪プリュメ街♪の♪いつも〜探してた私の人生〜♪からのコゼット特有の高いキーのメロディ、最初はややフラット気味に聴こえましたが、その後はあまり気にならなかったかな…。海宝マリウスとのデュエットもお互いの声が溶け合うように聴こえたので良かったです。逆に低いキーのところは、まだまだ埋もれがちなので頑張ってほしいなぁ…。
・しかしながらコゼットよりも、各シーンの「バイト」で色々な役柄を演じるいくちゃん見てる方が楽しかったのはなぜ。今は正統派ヒロインばかりですが、そのうち３～４番手くらいの役で、めちゃくちゃイヤな女とか演じてみてほしいんですが、どうでしょう…。そういう役ももしかしたらハマるのでは…？と今回のバイト演技を見ていて思いました。
工場婦の時は、やる気なさげに何かを磨きながらときどき隣の人（ちなみにテナルディエ夫人役の鈴木さん）とこそこそ話して嫌な感じの笑みを浮かべたり、ファンテーヌに冷たい視線を投げたり、挙句の果てにはファンテーヌに向かって「さっさと辞めろよ」みたいに追い払う仕草をしてたり。
娼婦の時は、上手の客席から見える袖のところでしょっぱなから男性と……………で、今回その場面に近い席に座ってたため、気づいた時にはこれは見ていいのかダメなのか分からなくなってしまい、結果チラ見して目をそらしました（赤面）さすがに凝視するのはちょっと…ねぇ…。ちなみに事が済んだらしんどそうに階段にだらーんってもたれかかってました。ちなみに事前情報全くなしの中、いくちゃんのバイトはほぼ速攻で見つけられました…！（むしろ海宝さんバイトはほぼわからないままでした…とほほ…）
・バルシャンが亡くなるシーン、私の席が舞台の上手側すぎたため、コゼットがバルシャンと対面してる時の表情はほとんど見えなかったんですが、めちゃくちゃ泣いてたのは見えました。海宝マリウスと寄り添いあってる場面はポストカードにして売ってほしかったくらい素敵でした。推し同士のカップル役最高！！！！！！！！！！！！カーテンコールで顔を見合わせてなにやらおしゃべりしてけらけら笑い合ってて舞台拝みそうになりました！！！！！！！！キスシーンはなぜか私が照れてしまってほぼ直視できなかったけど！！！！！！！！！！！（もはや保護者の気分）
【マリウス：海宝直人さん】
・あなたそんなにコゼットにでれっでれでしたっけ？？？？？？？？？？？？
ひとめぼれしてからはとにかくコゼット以外は一切何も目に入らない、恋に舞い上がりすぎて飛んで行きそうな印象でした。マリウスはそういう役だから全然間違ってないと思いますが、あんなテンションだったかしら？？？？？と、２年前を思い出しながらちょっと不思議に思いました。
・そんなふわふわした海宝マリウスでしたが、エポニーヌやガブローシュの死を目の当たりにしたときにマリウスが受けた衝撃は、本当にとてつもなく大きなものだったんだな…というのが、海宝さんの豊かな表情から伝わってきました。
・マリウス役最大の見せ場、かつ私が一番楽しみにしていた♪カフェソング♪、静かな歌いだしから自分だけが生き残ってしまった後悔を歌う感情むき出しの大サビまで、ものすごくドラマチックで素晴らしかったです。
【エポニーヌ：屋比久知奈さん】
・製作発表の時の歌い方が個人的にあんまり…というか全然好きになれず、今回申し訳なくも一番不安に感じていたんですが、完全に杞憂に終わりました。素晴らしい新エポニーヌに出会えました…！！本当にすごく良かった！！もうモアナなんて言わせねぇよ！？みたいな気迫を感じる歌とお芝居でした。今期この１度しか観られなかったのが残念に思えるレベルで素晴らしかったです。
・コゼットに手紙を渡してほしいとマリウスに頼まれたシーンの後、マリウスが去ってから心底悔しそうにだん！だん！って地団太を踏んでたんですが、そういえば♪カフェソング♪でマリウスが同じようなリズムで杖を２回だん！だん！ってやってたな…。幼馴染同士、無意識のうちに仕草が似たとかだったらエモいな…たぶん考えすぎだと思うけど。それまでは表情だけで表してた悔しさが、つい態度（動き）で出ちゃったところが切なかったです。
・♪オン・マイ・オウン♪は【切なさ＜＜＜力強さ】という印象で、個人的には正直そこまで好みではなかったんですが、でも製作発表の時に比べたらものすごく感情豊かになっていたので～、たくさん研究して頑張ったんだろうな～と努力の跡が垣間見える歌唱でした（超上から目線ですみません…）
・♪恵みの雨♪は席が舞台に近すぎて、表情がほぼ見えなかったのが残念…。
・ゆくゆくはファンテーヌも演じられそうな気がしました。屋比久さんの♪夢破れて♪聴いてみたいです。
【アンジョルラス：上山竜治さん】
・海宝マリウス＆生田コゼットを固定にして、自分が行ける回のチケットを確保したところ、なぜかアンジョルラスも上山さん固定になりました。なぜに。笑
・上山アンジョはめちゃくちゃ貫禄あって、頑張れば革命成功しそうでした。運とタイミングが悪かっただけなアンジョ（何じゃそりゃ）
【テナルディエ：駒田一さん】【テナルディエ夫人：鈴木ほのかさん】
・２年前も思ったんですが、私もどんな時でもテナ夫妻みたいにしたたかに生きてゆきたい。笑
