Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2012.02.22 劇団四季「美女と野獣」:私とミュージカルが出会った日

 

「そうだ、ミュージカルへ行こう」

 

某鉄道会社の有名キャッチコピーのノリで、劇団四季美女と野獣」のチケットを購入したのは、2012年の年明けでした。もう8年も前か〜。

確か四季劇場[夏]のこけら落とし公演が「美女と野獣」だったんですよね。当時の私は「こけら落としとは??????」状態だったけど。

 

昔からミュージカルに興味はありました。
なにせディズニー映画が私の子守役で、感情表現のためにキャラクターが歌って踊る。それが至極当たり前な世界をたくさん見て育ったので。

 

ましてや大好きな「美女と野獣」。
小さい頃に見すぎてビデオテープがすり切れたそうです(母談)現代っ子たちは多分DVDとかブルーレイとか配信だから、すり切れるという概念が無いのだな…ビデオテープ懐かしい。

 

どうせ大学の冬休みは長くて暇だし、劇団四季ならばクオリティは間違いないだろうし、人生で一度くらい見て、損はしないだろう、くらいの軽い気持ちで行く気になりました。

 

(一度くらい、で気が済むと信じこんでいた20歳の私ーーー!!!!!!)

 

 

観劇当日。
初めて降り立つ大井町の駅から、なんとな〜〜〜く自分と目的地が同じっぽい人のあとをこっそり付いて歩き、四季劇場[夏]にたどり着きました。

 

(極度の方向音痴なのでよくこの手法を取ります。目星をつけた人が全然関係ない人だと積む。地図アプリ使えよって話ですね、はい)

 

初めて入る劇場に、わくわくよりもドキドキが勝っていたことを今でも覚えています。

 

座席は1階席の1番後ろの席。センターブロック下手通路側でした。
学生でお金があまり無かったことから、当時(確か)8000円のA席を購入していました。

 

このチケット1枚買うお金があれば、ディズニーランドで1日中遊べちゃうなんて…さすがミュージカルは贅沢だ…なーんて思っていたのでした。

 

(3時間後、価値観がまるで変わってしまうことも知らず)

 

幕が開くと、私がよく知っている「美女と野獣」の物語が、目の前で次々と繰り広げられていきました。
たった1つ違っていたのは、それを演じているのが自分と同じ生身の人間だったこと。

 

とにかく衝撃の体験でした。
何もかもが(悪役ガストンでさえも)私の目には美しく映り、耳からはひっきりなしに美声が流れ込んでくる。
その方面の知識はまるでなかったものの、寸分の狂いもなく披露されるダンスにも圧倒されました。ラインダンスまじやべぇ(語彙力)

 

そしていよいよクライマックス。
野獣の魔法がベルの愛によって解け、野獣が人間の王子様に戻るシーン。
ビデオテープで何回も飽きるほど見た魔法のシーンが、舞台上でそっくりそのまま再現されていました。

 

( ゚д゚)呆然唖然

 


マスクの下で開きっぱなしの私の口。

完全にまばたきを忘れた私の目からはコンタクトが転げおちそうになり、「目からウロコ」ならぬ「目からコンタクト」だなぁ…あはは…とか何とか思ってたり、思ってなかったり。

 

なるほど、ディズニーランドに1日いるのと等しいくらいの満足感が、この3時間で味わえるから8000円なんだな〜と、あまり腑に落ちなかったミュージカルの価値を完全に理解してしまい、この感動を家族に伝えるべくパンフレットと、なぜか野獣のシルエットが描かれたカスタードケーキを買いました。謎チョイス。「萩の月」みたいなやつだった気がする。

 

大井町から帰る電車に乗り、♪Be Our Guest♪を脳内再生しながらるんるんで帰宅し、早速劇団四季のホームページで次に見る作品を探し始めたのでした。

 

2012年2月22日、こうして私はミュージカルと素敵な出会いを果たしました。