ディズニープリンセス人気ランキングを実施したら、大体99.9%の確率でトップ3に選ばれるであろう人魚姫アリエル。
ちなみに彼女とトップを競うのは、おおかたラプンツェルであることも加えておきます。最近だとエルサとかアナも入るのかな?いや待てエルサはプリンセスじゃなくてクイーンじゃn(以下略)
そんなアリエルを主人公とした海の世界の物語「リトルマーメイド」は、劇団四季で2013年4月からミュージカルとしての上演が始まりました。
私が初めて見たのは、2013年12月29日。
なんでこんな年末にチケットを取ったのかは覚えてない…けど、早めに大掃除を終わらせるモチベーションになったので、年末観劇は意外とおすすめかも。
当時まだ劇団四季の役者さんはほとんど分からなかったので、残念ながらキャストボードは写真に残っていませんでした。
が、探してみたらもらってきたキャスト表は残っていました。よくやった私!!!(7年前の自分を全力で褒める)
劇団四季のさまざまな作品を見た現在の私が見ると「この人もいる…!あの人もいる…!」ってなるけど、当時の私は、アリエル役が谷原志音さんであれば良かったのです。
(製作発表で歌っていたのが谷原さんで、初演初日の舞台に立っていたのも谷原さんで、PR動画に出演されていたのも谷原さんだったので)
座席は確か2階席の最前列最下手。
間違えて販売されていない見切れ席に座っていて、劇場スタッフさんに満面の笑みで座席確認された、恥ずかしい記憶が鮮明に残ってます(それもまた良き思ひ出)
今でも忘れられないのが、物語が始まる♪オーヴァーチュア/プロローグ♪が流れ、薄ぼんやりとした青い幕の向こう側に、アリエルが文字通り「泳いでいる」姿が見えた瞬間。
明らかに水圧を感じさせる手やヒレの動きに、まるで舞台上に大きな水槽があって、役者さんがそこで泳いでいるかのようでした。うん、あれは間違いなく水中で演じていた(違います)
泳いでいるように見えるのは、役者さんがワイヤーで吊られてフライングをしているからなのですが、ワイヤーの存在を忘れてしまうかのような滑らかさに本当に驚きました。アリエルの体幹どーなってんだ。
谷原志音さんが演じるアリエルは、アニメーションのイメージを大切にされているキャラクター作りで、見ていてとても安心感がありました。ディズニー作品を上演するときに、もしかしたら一番大変なのは「お客さんが持つイメージを壊さないよう、かつ自分らしさも残した役作り」なのかもしれません。
谷原アリエルは、可愛らしい見た目だけど、歌い出すととんでもないボリュームの声量で、アリエルが持つ芯の強さを感じさせてくれました。
ディズニープリンセスのあらゆる歌の中でも、人気No.1を争うであろう♪Part of Your World♪も、ワイヤーに吊られながらという無謀な状態で完璧に歌い上げていました。体幹の鍛え方講座をYoutubeで教えてほしい。
声だけが武器ではなく、2幕で声が出なくなった時の、表情でのお芝居も素晴らしくチャーミングでした。
衣装はカラフルでキラキラしてて、もし5歳の時の私が見てたら大変な騒ぎだっただろうし、海の生き物たちのデザインも見ていて楽しかったです。
舞台セットはフライング装置があって制約があるからなのか、「美女と野獣」に比べるとやや寂しい気もしましたが、2幕の絵本風なセットがより「ザ・おとぎ話」な雰囲気を増していて、個人的には好きでした。
ストーリーはクライマックスを除いてほぼ映画に忠実でした。アリエルの父・トリトン王(人魚)と、海の魔女・アースラ(タコ人間)が兄妹という設定はどうかと思ったけど…。
そして、1つだけ、最後までどーーーーーーーしても気になってしまったのが、アリエルをはじめとする、人魚たちの水中にいる時のヘアスタイル。
アイスクリームのコーンを逆さにして頭にかぶせている、と書けば伝わりますかね。
(気になる方はぜひ画像検索を)
そんなヘアスタイルになったのにはきちんとした、至極真っ当な理由があって、「水中では髪の毛は水面に向かって漂っているから、それを再現した」そうです。
…わかる…確かに水泳帽かぶらずにプール入ると、髪の毛がうにょーんって水面に上がっていく…うん…(無理やり言い聞かせてみる)
ちなみにブロードウェイ版は、水中だろうが陸上だろうが、アリエルのヘアスタイルはいたって普通のロングヘアー。
(そもそもブロードウェイ版はフライングじゃなくてローラースケートという、これまたいかがなものかという感じなのですが)
そしてヨーロッパ版がこの独特なヘアスタイルを採用していて、劇団四季版はヨーロッパ版にならうことにしたようです。
確かに理屈は間違っていないし、いかに水中であることを観客に信じさせるかは大事ですが、ワイヤーに髪の毛が当たったりしないのか、役者さん同士近い距離で演じる時に、お互い髪の毛が邪魔にならないのか…逆に色んなことが気になりながらの観劇になってしまいました。
ちなみに「リトルマーメイド」はこのあと2度、それぞれ別の友人を連れて観劇しましたが、2人とも「作品自体は良かったけどあの髪形は…」という感じでしたので、私だけではないようです。
海の世界を、制作側・観客側両方が納得いく形で表現するのは、なかなか大変そう…。