Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2022.10.10 ミュージカル「エリザベート」マチネ公演:3年ぶりの黄泉の世界へ

2月は怒涛の観劇祭りだったため、全く更新できませんでした!!!(開き直り)

3月もそれなりに観劇予定ですが、前半はそこまで詰まっていないので、再びちょこちょこと更新してゆきたいです。映画の感想も書きたいのですが、とにかく観劇記録を進めねば…。

 

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2019年に私を文字通り【狂わせた】「エリザベート」が、2020年の全公演中止を経て2022年の帝劇に帰ってきました…!

 

あまりにも待ちわびすぎて、楽しみな気持ちが1周回ってしまい、妙に冷静な気持ちで当日を迎えておりました。帝劇に入っても、キャスボやあのアシンメトリーなセットを目にしてもいまいち実感が湧かず、「私これからエリザベート観るんだよな…?」ってふわふわしてました。が、冒頭のルキーニと裁判官のやり取りから♪我ら息絶えし者ども♪を聴いたら(全然涙するシーンじゃないのに)感極まって涙目になりました。


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この日はちゃぴさん、古川さん、しゅがーさん、立石さん、剣さん、上山さん、少年ルドルフ役の三木くんの初日公演。そもそも帝劇デビューだった立石さんと、ルキーニ役デビューだった上山さんがいらっしゃったのと、やはりWキャスト初日ということもあって独特な緊張感が漂ってました。作品全体の質はこれからどんどん上がっていくだろうなと思う一方、この空気感は初日しか味わえないだろうと感じる雰囲気でした。

 

演出は、基本的には2019年版と大きく変わってはいませんでしたが、細かい部分でちょこちょこマイナーチェンジが見られました。全部は確認できなかったんですが、冒頭のトートダンサーたちが登場する動きが省かれて、いきなり首吊りルキーニ&トートダンサーたちが登場するのは2022年版からですよね…?

 

あと♪最後のダンス♪が完全にウィーン版と同じキーになってました!幻となった2020年公演のインタビュー記事か何かで、育三郎さんが「同じにしたい!」とおっしゃってた気がするので、変わってくれて嬉しかったです…!♪闇が広がる♪もウィーン版と同じキーにしてほしかったなぁ(ウィーン版と同じにするとかなり高いし、多分ルドルフが大変だと思いますが…)

 

お2人が大好きなので贔屓目かもしれませんが、とにかくちゃぴさんと古川さんのパワーアップぶりが素晴らしすぎたのと、2016年ぶりに復活を遂げたしゅがーさんフランツがこの回の支えになっていたのがとても印象的でした。

 

以下、キャスト別感想です。

※例によって長いです。

 

エリザベート:愛希れいかさん】

・3年前もただでさえパワフルだったちゃぴシシィ、戦闘力が100から5000にアップしてました。2019年はフライパンでトートを殴り倒しそうだったけど(ラプンツェルスタイル)、2022年は絶対素手で倒せる(真顔)

 

・1幕の愛らしさとおきゃんな感じは変わっておらず、もうとにかくかわいかった~!マックスの言葉(歌)の一言一言に反応する表情が、くるくると百面相のごとく変わるので、観てるだけで楽しくなっちゃいます。

 

・ところがどっこい(何)、♪私だけに♪がすごかった…!正直まだ「声頑張って張り上げてます!」感も強かったんですが、地声でがーっと高い音域まで出すようになってました。好きです(告白)2019年でも毎公演比較的安定してるなぁと思ってましたが、安定感がより増した気がしました。それゆえ戦闘力が爆上がりした印象を受けたのかもしれません。

 

・大きな姿見の前に立つ姿が、史実のエリザベート肖像画そっくりの立ち姿で、(いい意味で)ぞくっとしました。一瞬本物降臨してたんか…?って思っちゃったくらい。

 

・1幕で涙する場面がかなり増えてたように感じました。鼻を一生懸命すんすんしてたなぁ…。2幕ラストも、泣きすぎてお顔がすごいことになってたように見えたので、感情を出し切ってる感じでした。

 

・2幕は、以前よりも年齢の幅をきちんと感じられるようになってました。もともと声での表現はできてたように思いますが(※個人感)、表情でもやつれてたり衰えてたりするのを、メイク以外で表現されているなと。

 

・初日カーテンコールの挨拶では、感極まって涙ぐんでいらしゃったので、ちょっともらい泣きしそうになりました。

 

【トート:古川雄大さん】

あなたはまた私に1万字レポを書かせるつもりですか!?!?!?!?!?

 

開幕前のインタビュー記事などを読んでいたら「2019年とはまた違ったトートを」とおっしゃっていたので、「そうか、じゃあ感情抑えめなお芝居になったりするのかな?」と思ったら、まさかの「2019年以上に感情むき出しトート閣下」になってました。

 

・でも決定的に違ったのは、2019年は「黄泉の帝王見習い王子様」だったのが、今回は完全に「黄泉の帝王」に進化してたこと。芝居の方向性は変わってない気がするのに、何が違うんだろう…と思い返したときに、思い当たるのは2つ。

 

まずはビジュアル。もちろん圧倒的「美」なのは変わらないですし、抜群のスタイルも保たれてるんですが、明らかに身体が分厚くなってました。とくに上半身が筋肉でムチムチになってる感じ。身体がでかくなったな~と、1階席後方からでもよくわかりました。体質的に太る方が大変そうなので、筋肉つけるのもきっと一苦労なんでしょうね…。

 

お芝居に関しては、2019年は終始シシィに振り回されている印象だったので、「人間に初めて恋したけど、アプローチの仕方よくわかんなくてめげずにアタックし続ける」トート閣下でしたが、今回はシシィとの力関係がイコールになって見えました。例えばシシィに拒まれるときの表情でも、2019年は「え、え、なんでぇ??なんでだめなの??」みたいに見えたんですが、今回は「…人間ごときがこの俺様に歯向かうだと…?」(盛大に舌打ち)ってくらい、印象が変わってました。

 

言語化するのが難しいんですが、全体的にトート役を手懐けられてると感じました。古川さん自身、この3年さまざまなフィールドで培った力で自信がついたんだろうなと。必死な様子ではなくところどころ余裕も見えましたし、いい意味で「図々しさ・図太さ」を身につけたように見えました。きっと2019年は「ぼくがトート役なんて…」って心のどこかで思ってたのかもしれませんが、そういう雰囲気がなくなってました。そういう意味では、2020年ではなく2022年にトート役に再挑戦できて良かったんじゃないかな…。

 

・というわけで、古川トート、初日にしてすでにめちゃくちゃ良き…!

 

・♪愛と死の輪舞曲♪は、楽曲自体がやはり古川さんにぴったりハマります。2019年以上にトートの声にエコーかかりすぎなのが気になるんですが、彼の甘々ボイスが劇場いっぱいに広がるのは個人的には幸せ空間でしかない(真顔)ちなみに2019年も超わかりやすくシシィに恋に落ちてたのに、今回は50倍くらいわかりやすくなってました。シシィを一目見た瞬間、マイクは入ってないけど「…はっ!」って言ってましたもん…(オペラグラスを見なくてもわかるくらいの派手リアクション)

 

・シシィが目を覚ました後、♪誰かは知らない、でも覚えてる♪と言われた古川トート、右手で唇をなぞってそのままシシィに送るような仕草をしてましたが、それもしかして黄泉の世界流の投げキスですか閣下?

 

・高笑い新録されてて笑っちゃったよ…w\イヤーッハー/な笑いではなくなってたので良かったです!!!!!!!ちょっとだけかっこよくなってました!!!!!!

 

・♪最後のダンス♪、やはり古川アレンジ(と勝手に呼んでるあの歌い方)は最高…!しかも今回からウィーン版と同じキーになったので至高です。毎日生歌唱聴きたい(無理)最後のオクターブ上げは、頑張ってはいましたが半分くらいの声量まで落ちて聴こえたのでちょっとずっこけそうになりましたが、それ以外はかなり良かったです。キー上がったので歌うの大変そうでした。

 

あと振付がかなり変わってて面白かったです。マントばさぁってしながら飛んでたのと、床にへたり込むシシィを追い詰めるがごとく、床に膝ついてスライディングしてアピールしてました。やめなさいシシィ泣いちゃうでしょ。

 

・1幕の闇広、シシィの耳に内緒話するポーズ変わってなくてひそかにガッツポーズしてました(ガッツポーズ)

 

・2幕の古川トートまじでやばかったな………………(語彙力ゼロ)

 

・♪ママ、何処なの?♪で階段に足組んで座ってる古川トート、足が長すぎて笑いました。閣下今すぐ人間界でモデルになったらいいよ…!そして相変わらず♪猫を殺した〜♪でスペキャ顔してた閣下かわいいな。

 

・ドクトル・ゼーブルガーに変装するシーン、2019年はあんまり変装する気なさそうだったのに、2022年はわりとがっつり変装頑張ってましたw杖ついてちょっとよぼよぼしてたな…(今思うとあれは「LUPIN」変装シーンへの伏線だったのか…)(多分違う)

 

・♪闇が広がる♪はなんかまた振付変わりました?♪革命の歌に踊る♪でトートとルドがタンゴっぽいフリで踊ってませんでした!?

 

・そういえば新旧セバスチャン・ミカエリスの共演なんですね。お2人ともお美しいのは共通ですが、やっぱり全然タイプ違いますし(古川さんはザ・悪魔顔なんだよな…)、立石さんはセバスにしてはちょいと柔らかい印象なんだよなぁ…。

 

・♪独立運動♪での古川トート、ものすんごく悪そうな顔するし、トートダンサーズ引き連れてばりばり踊るし、なんか心底楽しそうだし、死なのに生き生きしすぎてて、かっこよかったです。かなり一瞬ですがダンスが本当に素敵でした!

 

・立石ルドが!!!!!子犬のような瞳で見つめてるのに!!!!!なんだそのスルーの仕方は!!!!!!かつて同じ立場だったくせに!!!!!!←

 

・ルドルフに対してやたらドSに振舞っているように見えたのは、今回のキャラづくりがそうなのか、立石ルドが弱々しく見えるからなのか、はたまた対立石ルドのみの芝居なのか…。

 

・♪マイヤーリンク♪では、必死にもがく立石ルドを見ながら「いいぞいいぞ」と言わんばかりの笑顔で2回うなずいたかと思いきや、ピストルを手渡す瞬間一気にテンション下がってて怖かったです。

 

・マイヤーリンク後、ルドが棺に入れられる間、思いっきり口元を手で拭ってて…!まぁ確かに…トート閣下的には「おめぇのキスは欲しくねぇんだよ」ってことなんでしょうけど…。

 

・♪悪夢♪ではバチバチの殺意を感じました。フランツの親族を1人ずつ黄泉送りにしながらいちいちフランツの方を見るのは前回と変わらず、しゅがーフランツとの掛け合いに熱さを感じました。

 

・最後の表情はわりと2019年版に近かったので、あそこの解釈は変わってないのかな〜と。シシィにキスしたらびっくりした顔するんですよね。やっぱ自分が「死」ってこと忘れてない?

 

・古川トートの何に1番驚いたって、カーテンコールで舞台奥から客席に向かって歩いてくる間、「そ、そんな笑うことある!?」ってレベルのにっっっこにこ笑顔だったこと。いつもわりとキリッとしたお顔なことが多い気がしたので、観てるこちらが面食らいました。

 

・というわけで、自信に満ちた古川トート、大変素晴らしかったです!

 

・そして古川トートだけやたら長い感想になりました(でしょうね)

 

【フランツ:佐藤隆紀さん】

・2016年公演のBlu-rayでしかお目にかかったことがなかったので、生で観られて良かったです!正直この回の大黒柱になってたと思います。声が分厚く発声も安定してるので、しゅがーフランツが出てくると謎の安心感が…。

 

【ルドルフ:立石俊樹さん】

・ひ弱な皇太子がひ弱なまま大人になってしまった立石ルドルフ。観ていてかわいそうになるタイプのルドルフでした。感覚としては2019年の三浦涼介さんのルドルフに近いかなぁ…。

 

ハプスブルク家に産まれてなければなぁ…と思わせるルドルフでもありました。「ロミオ&ジュリエット」のときも「キャピュレットの看板を背負わされてる悲劇の美男子」な印象があるので、立石さんが醸し出す雰囲気がそんな感じなのかなぁと。

 

・初日かつ帝劇デビューだったので仕方ないとは思いますが、歌は今後に期待…!でした。ロミジュリも(配信で見た)黒執事も、歌唱力に関しては問題なかった記憶あるので…。

 

・カーテンコールの挨拶中、古川さんが「本日はお越しいただきありがとうございます」ってお辞儀をしたら、立石さんと子ルドの三木くんが2人して同じくらい深々とお辞儀しててかわいすぎました…カテコまでトートに操られるルドルフたち…。

 

ゾフィー剣幸さん】

・2019年公演ではもう少しやわらかな印象があったんですが、今回やたらキツいキャラクターに見えました。あとさすがに年齢には勝てないのか、お歌がやや怪しいかなぁ…と。

 

【ルキーニ:上山竜治さん】

・正直「あれ…上山さんってこんな感じだっけ…?」って頭の中がはてなマークだらけになるくらい、全体的に微妙な仕上がりでした。この3日後、声帯の不調で休演になってしまっていた…ので、あれは本調子じゃなかったんだろうなと思いました。ピッチが合ってないように聞こえる部分が多すぎたのと、♪ミルク♪のときはアンサンブルさんたちの声に完全にかき消されてたので。

 

【少年ルドルフ:三木治人くん】

・かわいすぎるわ歌うますぎるわ、少年ルドルフ役は公演を重ねるごとにレベルアップしてません…?三木くんはぜひともガブローシュ役でも観てみたいです。

 

【その他】

・トートダンサーズが、どう考えても2019年よりアクロバティックかつアグレッシブになってた件。バク宙決めてる方いてビビり倒しました。

 

・客席降りどうするんだろ?と思っていたら、トートの客席登場はあったものの、そのまま舞台上まで上がっていってソロパートを歌っており、♪キッチュ♪は最初から客席降りなし。ちなみにキスはすべて宝塚方式でした。

 

・なんか全体的にテンポゆっくりになりました…?2019年がどうだったかあんまり覚えてないんですが、楽曲もなんだかのそ~っとしたテンポになったものが多かったような。

 

・トート降臨の巨大羽、2019年版はもっとエレクトリカルパレードでしたが(羽に電飾ついてピカピカ光ってた記憶が…)、今回はLED内蔵(?)型でグラデーションで光ってました。とにかくダサすぎるので、2016年版みたいな地味なやつに戻してほしいですし、なんなら羽いらないので登場の仕方変えてほしいです。ついでにトート登場前の銅鑼鳴らすのもやめぃ(CV:千鳥ノブ)

 

・1幕の♪パパみたいに♪のシシィの歌い出しですが、マックス(シシィパパ)の膝の上にシシィ乗せてましたっけ…?ほんの数秒前まで愛人を乗せてた膝に自分の娘を乗せるって…マックス、あなたサイ〇パスなの…。

 

・相変わらずゾフィーが引き連れてる役人連中(?)の中では大司教様推しなんですが、今回の♪マダムヴォルフのコレクション♪ではミッツィと一緒ににゃんにゃんポーズしてた。大司教様完全に常連じゃないですか(黒確定)