2019年の映画版が面白かったので、舞台版はどんな風になってるのかなと気になって観劇しました。
同時期に上演されていたミュージカル作品が、とりわけ華やか&人気作品多めだったので、やや埋もれ気味なのがちょっと悲しかったかも…。
以下、簡単な感想メモです。
・元々漫画原作ですが、今回の舞台版は映画版をもとに脚本が作られてるようでした。ということで、映画版しか見たことがない私としては入りやすかったです。
さすがに映画版冒頭にあった、戦艦大和の沈没シーンはやらなかったけれど(代わりに通信で沈没を知るシーンが入ってました)、雰囲気はわりと映画版そのままな印象でした。
・映画版の終わり方だと、ちょっと希望がない終わり方でしたが(沈むことが確定してる戦艦大和を、櫂が涙ながらに見送るシーンで終わってたような…)、舞台版は戦艦大和が沈没した後のシーンも付け加えられていました。平山が自ら命を絶ってしまったのは「ええ!?」でしたが、田中が「生きている私たちができることは記憶すること、忘れないことです!」と、櫂と共に戦争の記憶を忘れないよう誓い合う(=罪を背負い合う)シーンはとても重たく、でも心に残るシーンになっていました。
・本来であれば、2020年に上演される予定が中止になった本作。皮肉なことに2022年に上演される方が、当時の状況をより身近かつリアルに感じられるようになってしまいました。
舞台だと生身の人間が目の前で演じてるわけで、そういう意味でも決して自分たちと関係ない話ではないことが伝わってきて、ちょっと怖くもなりました。実直に見える軍人だって、軍人である以上武器や戦艦を与えたら使ってみたくなるでしょうし、そうなるとまるでゲームのように人命や戦費を浪費するんだろうな…。
・とにかくセリフ!セリフ!!セリフ!!!なので、きちんと睡眠をとった翌日に観るべき作品でもありました。私の見る限り3人は寝てたので…。
そして役者さんたちもなかなか大変そうで、正直主演の鈴木拡樹さんはちょいと噛みすぎではなかろうか…と思ってしまうくらい噛み噛みでした。専門用語が多いですし人一倍セリフも多そうなので、大変なのはわかるけども…。
・個人的には、田中役の宮崎秋人さんのお芝居の方が好みでした。映画版の柄本佑さんの田中も好きでしたが…田中…かわいいよ田中…。
1幕は少しコミカルに、2幕でも芯にあるキャラクターは変えず、重々しいセリフを発してもきちんと説得力を持たせられるお芝居をされていて、宮崎さんの櫂も観てみたかったと思わせてくれました。
どこかで名前を見たことあるんだよな…と思ってたいたら、「銀河鉄道の夜2020」でザネリ役だった方じゃん…!達成さんとがっつり共演してたじゃん…!あのときも「この人芝居がめっちゃうまい」と思ってたらしいので(観劇ノートに書いてありました)、今後も注目したい役者さんになりました。