Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2019.07.30 ミュージカル「エリザベート」:Myベスト回

 

2週間ぶりの黄泉の世界でした。この頃は「エリザベート」を観るために仕事頑張ってたなぁ…何もなくとも頑張れるような大人になりたい(社会人〇年目)

 

座席は1階席中ほどの列の最上手。1番端っこだったので正直あんまり期待してなかったですし(舞台の見え方とか音の聴こえ方とか)、久々の平日ソワレで仕事帰りだったため、ゆったりぼんやり観るかな…と思ってました。

 

が、キャストの組み合わせが、私のストライクゾーンど真ん中に\ずどーーーん/と来るまさかの展開。ぼんやり観るどころではありませんでした。6回目にして「うわ最高だ…!」と大感動。愛希シシィ、井上トート、田代フランツ、成河ルキーニの組み合わせがすっごく私好みでした。三浦ルドルフのお芝居も、力強い方向に戻っていたので、この回の組み合わせにしっくりきててさらに良かったです。

 


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↑急いで撮影したら見事なまでのピンボケっぷり…。

 

 

エリザベート:愛希れいかさん】

・愛希シシィはずっと古川トートとの組み合わせを観ていて、その時ですら「強いな…!」って思ってたんですが、井上トート相手だとエネルギー大爆発してました。仮に古川トートとの組み合わせの時に同じ勢いでいったら、確実にシシィが♪私が踊る時♪で大勝利おさめてるはず(謎)

 

・あまりにも強すぎて、途中からフライパンでトート殴り倒しそうな勢いありましたね(参照:塔の上のラプンツェル

 

・愛希さんも井上さんも、持ってるエネルギーを内から発散するようなタイプの役者さんで、似たもの同士な印象を受けました。波長が合ってるというのかな…。愛希シシィ&井上トートは光属性ペアで、花總シシィ&古川トートは闇属性ペアに感じるんですよね。それぞれ「このシシィにしてこのトート閣下あり」。特に今回は、シシィとトートが鏡合わせという設定に、非常に納得のいく組み合わせでした。

 

・愛希シシィ、1幕の少女時代のとき、走る時も50メートル走全力疾走!!みたいな勢いがあって好きです。舞台からはみ出しそうなエネルギーの持ち主。

 

 

・2016年版DVDを見てたら、♪死の時のワルツ♪で曲調が変わるところ、そのままのテンポでシシィやフランツがトートダンサーズと踊ってましたが、今回はあそこでスローモーションになってました。2019年版の方が不気味で私は好きです。ちなみにシシィの相手になるトートダンサーは、「アラジン」にも外部出演されている乾さんでしたが、表情がはちゃめちゃに怖くて、「アラジン」で見せる顔とは全く違っていて新鮮でした!

 

 

・♪最後のダンス♪は、帝劇の天井に穴が空きそうな井上トートのド迫力すぎる歌声と、力いっぱい必死に抵抗する愛希シシィの身のこなしで、初めてあの曲で恐怖を感じました。今までは「トート閣下最大の見せ場」くらいにしか思わなかったのに…あれはシシィへの呪いの歌なんだ…(観劇6回目の気づき)

 

・気持ちと身体は逃げ出そうとしてるのに、どう頑張ってもトートの方に引っ張られてしまう動きがすごく上手かったです。お互いの歌と演技の相乗効果が抜群のシーンでした。

 

・♪私だけに♪の中の♪あなたのモノじゃないの〜♪で、あからさまにフランツが捌けた方をにらみつけるの好き…。

 

・♪三重唱♪は愛希シシィ、井上トート、田代フランツとみんな声がよく通る方々だったので、幕間にお手洗いに並びながらずっと「えぇ…超最高じゃん…」って思ってました。語彙力がすっ飛ぶ三重唱。

 

・この頃になってやっとこさ、♪エーヤン♪の不可思議なシシィソロのメロディーに慣れてきました。歌う側も慣れてきたんだと思うんですけど(って2019年~の愛希シシィは関係ないか…)

 

・♪私が踊る時♪、圧vs圧のパワー対決素晴らしすぎでは!?!?!?自らの勝利に酔いしれて、向かうところ敵無し状態のパワフルな愛希シシィと、彼女と火花を散らすかのように対峙する井上トート。まさに私が聴きたかった♪私が踊る時♪でした…!

 

・体操室でのシーン、♪彼が罪を犯したなら 私自由になれる♪って歌詞で、歌いながらその事実に気づいたみたいな様子でした。心底欲していた「自由」を、フランツの過ちによって手にすることができるかもしれないと気づき、一瞬表情がぱぁっと明るくなる愛希シシィに、少し恐ろしさを感じました。

 

・ラストシーンは、この組み合わせだと「戦友」みたいに見えたのが、個人的にはすごく新鮮で面白かったです。シシィは自由を勝ち取るために人生を賭けて戦いつづけ、トートは死への誘惑をしながら、意図せずシシィの「生きる力」を引き出していたんだなぁと感じるペアでした。この作品を観てそんな風に感じたのは初めてだったので、新たな発見が出来たのは、個人的にとても嬉しかったです。

 

・惜しむらくは愛希シシィ&井上トート回、なんとこの回しか取っておりませんでした…!!なんで!!!!!!!(とりあえず見られたらいいやと思って、全キャストが観られるようにしておりましたが、組み合わせまではあまり気にせず確保してました…とほほ…)

 

 

【トート:井上芳雄さん】

・声質はいまいち好みではないのですが、あの歌のうまさと帝王感は誰も勝てませんね…。

 

・井上トートはあまり目立ったアクションもなく、常に超然としてるため、「ここがこうだった」「あそこはこんなだった」みたいに書けることが少ない気がするんですが、目立った表情や仕草がなくともしっかりキャラクターとして成立するのが、井上さんの凄さだと思います。そこに「いる」だけで帝王になれるってすごい(語彙力)

 

・だって絶対話通じないですよ井上トート(そりゃそうか)

 

・♪最後のダンス♪の終盤にあるフェイク(っていうんですかね?)、初めて聴くメロディーでびっくりしました。私が聴いたことのある城田トートと古川トートは、Oh〜で歌ってたと思うんですが、今回井上トートはAh〜という発声でやってました。メロディの動かし方もやたらレベルが高くて「うわぁぁぁすごいな…!?」と、座席でひたすらおののいておりました。

 

・♪広間の客は息を止め♪で「しーっ」ってポーズするの、なにげに好きです。確か6月に観たときは、シシィの口元にしーってやってたんですよ…広間の客じゃなくてシシィが息止めるのかな?って思ったような。笑

 

・あとちょいちょいシシィとの距離感が近すぎて「パーソナルスペースとは」(真顔)ってなったのと、耳元でガンガン歌われている愛希さんの鼓膜が心配です(真顔)

 

・シシィへの♪闇が広がる♪、♪お前はあいつを破滅へと導くのだ♪でシシィをマントで包み込んで、その後全く離そうとする気配がなくてドキドキしました。

 

・♪退屈しのぎ♪で井上トートと握手した革命家、特に何もリアクションしてなかったので、井上トートの擬人は上手くいってて、古川トートの擬人はちょっと不完全ってことなのでしょうか??革命家さん、古川トート相手だといつも「?」って顔して握手した手を見てるんですよね。

 

・♪退屈しのぎ♪終盤、1人で3人分くらいの声量出してる井上トート(みんなで歌ってるのに声めっちゃ聴こえる。笑)

 

・♪エリザベート 泣かないで♪は、井上トートだとなぜか上半身の衣装スケスケすぎて気が散りますwあとろうそくの消し方上手くなってたんですが、そういえばラジオで「あれ消し方間違えるとめっちゃ熱い」って言ってたのを思い出して、閣下wwってなりました。笑

 

・♪エリザベート 行こうよ〜♪とシシィに呼びかけるときに、シシィと目を合わせてゆっくりうなずいてました。ここはトートお2人とも、シシィを連れて行くための工夫(???)が見られるので好きなシーンです。

 

 

 

・♪独立運動♪のダンス、古川トートと違うんでしょうか…振りつけは同じに見えたんですが、身のこなしがちょっと違う…?

 

・井上トートは2幕になると、終盤まで存在感が薄めになる気がするのが不思議です。

 

・なぜかとても上から目線に聞こえる井上トートの「死にたいのか?」

 

・マイヤーリンク、めちゃくちゃド正面から結構な勢いでキスしていたように見えて、正面衝突感がすごかった…笑

 

・♪悪夢♪がもう本っっっっ当にに素晴らしくて迫力満点で、その夜私が悪夢見そうでした(謎)井上トート、田代フランツ、成河ルキーニだからこその♪悪夢♪、怖すぎてあのシーンで初めて泣きました。どう頑張っても抗えない展開が繰り広げられる様に泣きました。座っていた席からだとトート、フランツ、ルキーニの3人ともがしっかり視界に入る位置で、目線を動かすだけで全員の動きが把握できて最高でした。

あと井上トートの♪救うのは「これだぁ」!の言い方がめっちゃ好きです。

 

・今回もカーテンコールでは茶目っ気を発揮して、本編での威圧感のかけらもありませんでしたw歓声が上がると「ん?まだ足りないよ?」みたいな顔して耳に手当てるの可愛すぎます。笑

 

 

【フランツ・ヨーゼフ:田代万里生さん】

・田代フランツはシシィへの愛がいい意味で重たくて、それなのにシシィには拒絶されまくるので本当に見ていて不憫に思えてきます。

 

・ところで田代さん、背中に定規でも入れてるのかな…ってくらい常に姿勢がピシッとしてて、常に猫背な私としてはぜひとも見習いたいものです。笑

 

 

【ルドルフ:三浦涼介さん】

・2週間前に見た時は、ちょっと心配になるくらい弱々しかったんですが、今回は1度目に見た時の力強さが戻っていました。カーテンコールではにっこにこ笑顔で、なんか良いことあったのかな~と思えるほど。

 

・井上トート相手の三浦ルドルフは、♪不安で壊れそうだ♪という歌詞に反して折れそうにない力強さを感じるんですが、♪ママは僕の鏡だから♪では弱々しくなってたので、キャラクターとしての高低差(?)が出ていて良かったです。

 

・シシィに対して「打ち明けるよ」って言う前に、頑張って笑おうとしてたように見えたのがすごく切なかったです。三浦ルドルフはシシィに会うと、一気に子供に戻っちゃうところが好きです。

 

・「ママも僕を見捨てるんだね」は、間を持たせずに一気につぶやいていたのが斬新でした。

 

 

ゾフィー剣幸さん】

・愛希シシィ相手だと、どのゾフィーも怖く見えるのは気のせいかな…?香寿さんも涼風さんも剣さんも、愛希シシィ相手のほうが迫力が増す気がしてます。愛希シシィがパワフルなので、ゾフィーも負けじとパワフルになるんでしょうか。

 

 

【ルキーニ:成河さん】

・2回連続山崎ルキーニだったので、なんだか懐かしい気分で観た成河ルキーニ。最初あまり好みじゃなかったんですが、観る回数を重ねるたびに成河ルキーニが好きになっていきました。

 

・成河ルキーニだと、「エリザベート」という作品はルキーニが引っ張っていることが、ものすごく顕著に伝わってくるなと思いました。

 

・ところで成河ルキーニはゾフィー嫌いなんでしょうか。彼女に向かってつば吐いてる(!?)仕草を2度ほど見かけたので。

 

・♪退屈しのぎ♪の終わりで指をピストルの形にして、こめかみを撃ち抜く仕草をしていました。ルドルフの死を暗示しているのかな…思わずゾッとする仕草でした。

 

・その一方で、♪計画通り♪の終盤ではマカロンをもぐもぐしてて可愛かったですw

 

・本当に芸が細かすぎて書ききれない!!成河ルキーニを定点観測したいです。

 

【おまけ記録】 

幕間の時の、後ろの席の女性2人の会話。

 

「なんかさ、ちっちゃい子が♪猫殺しちゃった〜♪みたいに歌う場面無かったっけ??」

「ええ~そんな変な歌あった?エリザベートじゃなくて違うやつじゃない??」

 

~2幕開演してしばらく経過~

 

少年ルドルフ

♪き~のうも~~~猫を殺した~~~~♪

 

後ろの席の女性2人

「「「ぶはっっっ」」」(盛大に噴き出す音)

 

思わず私も笑いそうになりました……w