Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2022.8.6 劇団四季「ノートルダムの鐘」マチネ公演:さぁ高らかに鳴り響け

本当は7月16日に観劇予定だったんですが、「クラウディア」とマチソワするのが大変そう…という理由で、「ノートルダムの鐘」を翌週の公演で取り直したところ、なんとその週が中止になってしまい、さらに16日の「クラウディア」も中止になったため、この時期は正直めちゃくちゃ踏んだり蹴ったりでした(真顔)


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他にも観る予定だった演目が中止になったため、結局2022年7月は「2020」とギリギリで「ミス・サイゴン」は観られました。かつてないほどコ◯ナの感染者が爆増してた時期だったので、仕方ないにせよ悲しかったです…。

 

この日の公演は「あれ?この回千秋楽だっけ?」と思うくらい、とにかく熱量と圧が凄まじかったです。カーテンコールでは、全員が力を出し切ったような表情をされていたので、まだ明日の公演もあるのにすごいな…と謎に感動してました。


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歌もお芝居も(いい意味で)ぶつかり合ってる印象が強く、そのエネルギーが客席までしっかり伝わってきました。前回観劇したときのように号泣することはなかったものの、みなさん毎公演、役として生きているんだなという(当たり前な)ことを、改めて実感できた回でした。毎日毎日全く同じセリフを言って、全く同じ曲を歌って…を繰り返してたら、私なんて3日も経たずに飽きるもん…。ルーティンにならず、毎公演その役として、何もかもを初めて経験したような表現ができるって本当にすごいことだと思います。


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各キャストごとの簡単な感想メモです。

 

【カジモド:金本泰潤さん】

・前回お芝居の細かさにめちゃめちゃ泣かされた金本カジ。舞台近くで見てもやっぱりとても細かかったです。

 

・♪陽ざしの中へ♪は、後半やや声が喉元で引っかかってるような発声になってたので心配でしたが、声がひっくり返ったりすることなく歌いきってました。ちなみにカジモドが、舞台上手側にある段差を登っていくときに、そこに座ってるアンサンブルさん2人がカジモドを見上げてるんですが、毎回めちゃめちゃ素敵な表情で見守ってるので、それを見ただけで泣きそうになってしまいます。

 

・初めて外に出たときも、よく見ると手がぶるぶる震えてた金本カジ。♪怖くないさ 大丈夫~♪って、本当は全然大丈夫じゃないのに強がってるカジモドがかわいいですし、言葉とは裏腹に恐怖心を抱いてる様子が明確に伝わってきました。

 

【フロロー:村俊英さん】

・前回観たときは、感情をあまり表に出さない印象だった村フロロー。今回は「か弱い1人の男」の印象を持ちました。

 

孤児であることと、ジェアンを正しく導けず失くした以外は、自分の人生はとても順調で挫折を知らず、エスメラルダもまた「順調に」手に入れることができる。神様は自分の善き行いのためになら力を貸してくださると考えていそうで、だからなかなか思い通りにいかないことに苛立っているように見えました。カジモドや、2幕後半のフィーバスに対する当たりがものすごく強くて、気に食わないことがあればすぐ手が出る人なんだろうなと。

 

・フロローというキャラクターに対する印象として抱かれる「いやらしいおじさん」感はやはり薄めで、どちらかというと「無自覚なおじさん」感が強くて哀れに思えました。

 

・♪地獄の炎♪は、正直他役者さんのフロローのほうが好きかなと思っていましたが、今回は前方どセンターで受け止めたからか、ひたすらに恐怖でした…。

 

・フロローの最期の姿、突き落とされてしばらくは十字架のポーズのまま落ちていくのに、途中から必死にもがく姿が「彼が神ではなくただの人」だったことを一層強めてるなと思いました。

 

エスメラルダ:松山育恵さん】

・前回は無垢な少女の印象でしたが、今回はもう少し年齢を重ねたイメージのエスメでした。♪タンバリンのリズム♪や酒場シーンでのダンスで、真顔からふと微笑む表情がとても色っぽかったです。

 

・ほんっっっとうに声がかっこいい!誰とも群れないで生きていこうとする強さを感じます。セリフも1つ1つ丁寧に発している印象で、涙を流すお芝居も他のエスメ役者さんより多い気がします。勝ち気な見た目&言動とは裏腹な繊細さが好きです。歌唱も、実は全エスメ役者さんの中では1番安定してるのでは…?

 

【フィーバス:佐久間仁さん】

・前回観たときには「ちょっと陽のオーラが増してる!?清水フィーバスっぽくない!?」って思ってましたが、今回また陰のオーラ強めなフィーバスになってました。エスメが亡くなったと知ったあとの表情があまりにも暗すぎて、カジモドとフロローを観たいのに、佐久間フィーバスから目が離せませんでした…………。

 

【クロパン:吉賀陶馬ワイスさん】

・カンパニーの大黒柱とお呼びしたいレベルの安定感。みんなのお父さんです(違)