Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2018.6.10 劇団四季「ノートルダムの鐘」:宮田さんのカテコ事変

 

この時期毎週「ノートルダムの鐘」行ってたんだな…。

今回は東京公演を観た友人が、「もう一度観たい!」とリクエストしてきてくれたので、一緒に行きました。

 

今回も涙…だったんですが、そういえば毎回泣くポイントが変わる…絶対1回は泣いちゃうんですが、どこでグッとくるかはその時によって違うかが面白いです。

 

何度でも言うけど本当に最高の作品。定期的に観たいので、「ノートルダムの鐘」専用劇場作ってほしいです!!!!!

 


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以下、キャスト別感想。

 

【カジモド:飯田達郎さん】

・安心の美声、安定の可愛さと少しの不気味さが織り交ざった不思議な魅力でした。髪の毛が一段とわっしゃわしゃになってたんですが、ちょうど梅雨入りしたからかな?笑

 

・「醜い」って言葉を発するときに、自分の顔の左側(=墨で汚してる箇所)を触ってたのが印象的でした。手の仕草も、手話のような使い方をしているなと。

 

・前回のオフステージイベントでいろいろ教えていただいたことを確認したのですが、♪エスメラルダ♪の♪パリは熱く燃え~る~♪の「パリは」で、カジモドとエスメラルダが通じ合ってるの分かってめちゃめちゃ感動しました。2人同時に「は…!!」って何かに気づいた顔をしてました。あれは言われなかったら自分では発見できなかった気がします。

 

・カジモドもフロローも、「自分がエスメについていく」っていう考えが全くなくて、「彼女を導くために大聖堂に一緒に住む」だの「大事に守る花嫁のように」だの、自分の手元に置いておくことしか考えてないんですよね…。

 

 

エスメラルダ:宮田愛さん】

・この先見るとしても彼女がキャスティングされてるか分からないので、とりあえず見納めかしら…と思ってしっかり見てきました。

 

・クロパンに向かって金貨掲げてドヤ顔するのがSUKI…。

 

・道化の祭りでカジモドを舞台にあげちゃってクロパンに怒鳴りつけられますが、同じ勢いで怒鳴り返す宮田エスメ強い(真顔)

 

・東京公演では野性味をすごく感じた宮田エスメラルダでしたが、横浜公演ではそこに知性も感じられるようになってました。フロローとの対話シーンの時に特に感じたかな…。

 

・♪神よ 弱き者を~♪で切実な祈りの表情をして歌い終わるのに、フィーバスの声がした瞬間に獲物を狙う目になる一瞬の切り替えがすごい。と同時に、そんなに誰も信用できないのか…って思うと悲しいですね…。

 

・「虐げられた人たちにも救いを」って必死に祈ってたエスメラルダが、♪世界の頂上で♪でパリの街を上から眺めて、(日本語歌詞にはないのですが)「この景色を見せてくれてありがとう」ってカジモドに言うの、「自分に救いはいらない」って言ってた彼女なりに、あの景色を見て救われるところがあったのかな…(急に考察の深みに入る人)

 

・フィーバスとのキスの後、「生きるためには稼がないと!」って慌てて走り去って、街灯の下で照れた表情するのかわいすぎかーーーーーー!!それをクロパンに見られてすん…って真顔に戻るのも最高かーーーーーー!!(うるさい)

 

・牢獄シーンは宮田エスメの悲鳴がプロ級なので、見てる方もつらくなってくるんですが、今回はひとしきり叫んだあと腰が抜けたみたいに床にへたりこんでて、もうそれ以上やられたらあの場面の前に帰っちゃいそうです(メンタルが弱い客)

 

・♪いつか♪の前半はずっとフィーバスから目をそらして歌って、フィーバスと向かいあった瞬間、おそらく初めて「死にたくない」って思ったであろうあの崩れ落ち方が本当に泣けます。小さな体に誰にも負けない正義感と信念を背負って生きてきた宮田エスメラルダが、フィーバスの前ではその強い部分が折れてしまうのがしんどい。

 

・宮田さんのカテコ事変。この日はカーテンコールが7回くらいあったんですが、7回目に飯田さんが1人で出てきて挨拶→みんなを呼び寄せて挨拶、の流れのはずが、飯田さんの後ろから宮田さんが勢いよく登場。舞台の半分くらいまで出てきて、(は…!!間違えちゃった!!)の表情で、口を両手で押えながら慌てて退場。飯田さんが笑いながら1人であいさつして、みんなを呼んだ時に宮田さんは顔真っ赤にして再登場。客席も笑いに包まれて、「本当にノートルダムのカテコか!?」ってくらい会場中がほのぼのしてました。照れまくる宮田さんを笑顔で見守る飯田さんと佐久間さんも見られたし、これはもう実質ハッピーエンドでは!?!?!?

 

・「アラジン」で女性サンボ1枠見られて、翌週エスメラルダで見られて、アルプ(劇団四季の月刊会報誌)で特集が組まれて、その翌日のオフステにも登場され、極めつけはカテコでかわいいハプニングを起こしてくれるという…もう私の愛が重すぎたに違いない4週間(真顔)これからも推していきます…!

 

 

【フロロー:野中万寿夫さん】

・野中フロローは、東京公演よりもかなり感情が見てとれる部分が増えた気がしました。以前は血も涙もないフロローの印象だったけど、明らかに弱さが出ててより人間らしくなった印象です。あと若かりし日のフロローとしての演技がすごく良いなぁと思いました。

 

・♪地獄の炎♪が火炎放射級で鳥肌立ちました。が、そのあとのセリフで珍しく盛大に噛んじゃってて、しかもその噛み方が「〜しにゃければにゃりません」みたいなちょっぴり可愛いやつで、ギャップがすごかったです。笑

 

・カジモドに「あのひとはぼくにやさしくしてくれました」って言われる場面、野中フロローはどういうリアクションかなと、前回と今回で注目してましたが、芝フロローみたいに嫉妬の感情は恐らくなく、代わりに「お前(カジモド)だけは私の味方だと思ってたのに…!」とショックを受けてるように見えました。

これまでカジモドはなんでも自分の言うとおりに動いてきたのに、初めて自分の意にそぐわない答えをしてきて動揺してる感じ。ジェアンを亡くして大助祭にまで上り詰めてきたけど、彼にはいわゆる「友達」はいなくて、唯一カジモドは息子とも呼べるし、ある意味友達とも呼べる存在だったのかも。って野中フロローを見ながら思ってました。

 

・そんなことを考えながら見たからか、通算7回目にして初めて、牢獄でエスメラルダに襲いかかるフロローがかわいそうな人だと思えました。どう頑張ってもあの行為は正当化されるべきではないし、毎回見るたびに目をそむけたくなるんですが、人の愛をどう求めるか分からなくてああいう行動をとるしかなかった、そこまで追い詰められてしまったフロローの気持ちを考えると…。ある意味カジモド以上にかわいそうな人なんだなぁと感じました。

 

・♪地獄の炎♪は、♪天国の光♪からの流れで歌われているので、2つで1セットな印象ですが、本当に対になってるのは♪神よ 弱き者を~♪の方な気がします。「私はどうなってもいい。虐げられた人たちをどうか助けてください 」と、どこまでも人のことを考えるエスメラルダに対して、「私のせいじゃない。あいつが悪い。あいつが私のものにならないならいっそ死んでもらう」と、どこまでも自分本位なフロロー。2人とも神の前でそれぞれの気持ちを歌ってるってことで、ここの対比が面白いなーって気づけました。

 

オペラ座の怪人のファントムは「私かあいつ(ラウル)か」で、フロローは「私か火あぶりか」ってフロローさんファントム以下じゃないですか…。

 

 

【フィーバス:佐久間仁さん】

・横浜公演で見た中で、個人的に大ヒットだった佐久間フィーバス。正直清水フィーバス派でしたが、前回と今回見てその考えをがらっと変えてくれる演技を見せてくれました。

 

・最初のうちはフロローにすごく従順な佐久間フィーバス。「お仕えすることを光栄に存じます!」はスマートにフロローの手の甲にキスしてるし、♪息抜き♪も清水フィーバスみたいに(休めないのかよーーっ)じゃなくて(治安を守るぞー)って使命に燃えてるのが斬新でした。

 

・前半はフロローに従順な演技をしてくれるおかげで、どんどんフロローに対する不信感や彼の行動に対する疑念が膨らんでくるのがわかりやすかったです。♪エスメラルダ♪の冒頭でフロローに命令される場面、最初はあんなに慕ってたフロローのことをすごく疑ってる目で見ていたのと、命令に背いてからのブチ切れ度合いが良かったです。

 

・2幕はエスメと2人きりのシーン以外、常にキレ気味な佐久間フィーバス…w

 

・カジに魔除け取られてキレるシーン、「ぉぉぉい戻ってこいっ!」で声ひっくり返ってたし、その後の「フィーバスとぉっっ!!!!!」で(そんな怒らんでも…w)ってレベルでブチ切れてました。笑

 

・奇跡御殿でもカジモドを小突いて何やら主張してました。怒れる佐久間フィーバス。笑

 

・♪フィナーレ♪のフィーバスソロ、清水フィーバスは歌い上げる感じで、佐久間フィーバスは呼びかける感じ、どちらも素敵だなと思います。ここの佐久間フィーバス、本当に最高に良きです。1つ1つの言葉に怒りが込められてて、歌詞がちゃんと入ってくるし説得力抜群!

 

 

【クロパン:阿部よしつぐさん】

 ・この日一緒に観劇していた友人が、「クロパンの人めっちゃクロパンすぎてやばい…語彙力を奪われるほどクロパン…」って言ってて\それなーーーーーーっ/でした。