Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2018.6.1 劇団四季「ノートルダムの鐘」:楽しすぎたオフステージイベント

 

ノートルダムの鐘」横浜公演2回目。今回はオフステージイベントのために、またもやはるばるKAATを訪れました。

 

オフステは端的に言って神イベントでした。終演後にあれだけみなさんお話してくださって、にこにこ笑顔も振りまいてくださって、なんだか申し訳ない気分にもなりました。レポは長すぎるのでここには書きません。本当に楽しかった…!

 

公演自体は、前回ほどの熱量は感じられませんでしたが、当然のごとく素晴らしかったです。「アラジン」と同じく、何回見てもその時演じてる役者さんの演じ方でいろんな解釈ができるのが好き。同じ役者さんでも毎回全部が全部同じじゃないですし…。

 



f:id:der_letzte_tanz:20201118010012j:image

 

以下、いつものごとくキャスト別感想です。

 

【カジモド:飯田達郎さん】

・今回もとっても愛嬌たっぷりだった飯田カジモド。

 

・フロローにいちごをもらう時、こわばってた顔が一瞬ふと笑顔になってたのが印象的でした。「(道化の祭りを)今年で取りやめるよう陛下にお伝えしたのだ」ってフロローに言われて、「じゃあ…ぼくはもういけないのかぁ…」ってしょんぼりするのも、めっちゃかわいそ可愛い(複雑)

 

・♪陽ざしの中へ♪の中の歌詞で、♪死ぬまでここで 1人♪の時に片方の人差し指をちょいちょいって触るのがやっぱりかわいそ可愛い(パート2)

♪みんなと1日過ごせたら どんなに~♪のところで「こんなこと考えちゃダメだ!」みたいに頭をぺしぺし叩くんですが、それよりも外に出たい欲求が勝ったんだなと。こういう細かい仕草でのお芝居が大好きなので、発見できると嬉しくなります。カジモドの「外に出たい」っていうのも1つの欲求なんだなと。彼には自由がないから「純粋な願い」に聞こえるけど、冷静に考えたら欲なんですよね。フロローと一緒で。

 

・やっぱり飯田カジと宮田エスメの♪世界の頂上で♪は絶品。今回あのシーンで思わず涙してしまいました。

「あなたの、声が、聞こえたわ。ここに、上がってくるとき」ってセリフを、宮田エスメが発した瞬間からうるっときました。今までどちらかというと、ここはカジモドの反応やアプローチの仕方を見てたんですが、宮田エスメのカジモドへの語りかけがすさまじく優しくて、外の世界で嫌な思いをしたばかりのカジモドが、彼女には心を開く気持ちがよく分かりました。話す時もちゃんとカジモドの目線か、少し下から覗き込むように語りかけていて、「ガーゴイルも鐘も窓もみんな友達………そんなのバカみたいだ!」って自分を叩くカジの腕を必死に抑えて、「あなたの友達、好きよ?」って言ってあげるところとか、本当に聖母のようでした。

 

「ふゆは…さむい!」っておどけるカジモドの言葉に、楽しそうに宮田エスメが笑うと、飯田カジモドがすごく素敵な笑顔を見せるのもいいし、「力持ちなのね!」って宮田エスメが言うと「ん、そーだよ」ってちょっとそっけなく言う飯田カジモドもいいし、とにかくここのシーン、2人のお芝居の呼吸がぴったりすぎて見入ってしまいました。

 

このシーンを見ながら、「世界の頂上」で楽しく心を通わせていた2人が、最後には光の届かない大聖堂の地下室でそっと寄り添ってたんだなぁと思ったら、もう涙が止まらず。オペラグラスの視界がぼやけて、顔がべちゃべちゃになりました…(汚)

 

・前回もそうでしたが、フロローに「あの女のことは二度と考えるな」と言われて、「考えない…」って言葉の意味を咀嚼してただけなのに、間髪いれずに「約束しろ!」って怒鳴られて即座に「約束します!!」って叩かれないように頭を守りながら言うのが上手すぎて心が痛かった…。

 

 

・飯田カジ(フィーバスがケガしてるところをぽんと軽くたたく)

佐久間フィーバス「うっ…」

飯田カジ「包帯がいるね」(思いっきりばしーん)

佐久間フィーバス「ぎゃあああああああ」

2回も叩いてましたっけ…かわいそうなフィーバス…。笑

(この後激おこだった佐久間フィーバス)

 

・結局フロローと同じく、愛ゆえに怪物になってしまったように感じる飯田カジモドのクライマックス…(涙)

 


【フィーバス:佐久間仁さん】

 1年4ヶ月ぶりの佐久間フィーバス、前見た時よりも全っっ然良かったです。京都公演を挟み、JCSもあってたくさん経験を積まれたのだなぁと思いました。歌はもちろん、存在感がぐっと増してて、とても素敵なフィーバスになってました。


・歌も前回よりは良いなと思いましたが、声質のせいか抑えて歌ってる?喉を締めて歌ってる?ように聴こえるのはなんでだろう…。


・♪息抜き♪でのトラウマシーン、相変わらず本当に過去に飲み込まれそうな表情でした。しかし戦場で負った大きな心の傷が、皮肉にも彼に色気をもたらしているのでは…と今回見てて思いました。清水フィーバスは過去の色々を消しゴムで消して、まっさらな気持ちでパリで楽しもうとしてるけど、佐久間フィーバスは過去の色々の上から無理やり色を塗ることで忘れようとしてる印象です。


・どうでもいいんですが、♪息抜き♪のフィーバスと女性アンサンブルさんの顔が近すぎて、あれよく笑わんなぁと思ってしまいます。あんな至近距離であんなデカい声で歌われたら120%笑う(プロ意識ゼロのアンサンブル)


・♪神よ 弱きものを〜♪で、フィーバスがあんなところに立ってるなんて初めて知りました(観劇5回目にしてやっと)最初はにこにこ顔でエスメラルダを見てた佐久間フィーバスでしたが、彼女が何を願ってるのかを理解して、途中から真剣な顔で見つめてました。


・佐久間フィーバスの酒場のシーンはやばい(語彙力)破壊力抜群のセクシーさ。色気のビッグバン起こってました。

 

 

・♪いつか♪は宮田エスメよりも佐久間フィーバスの方がつらそうな顔してたので、その後ろからさらに包容力120パーセントの清水フィーバスが抱きしめてあげればいいと思う(真顔)

 

・♪フィナーレ♪のフィーバスソロが衝撃的でした。民衆を鼓舞するというよりかは、エスメラルダを救えなかった自分自身へのいら立ちや怒りを爆発させてるような、怒号に近い歌声。佐久間さんあんな声出るんだ…ってあっけにとられながら聴いてました。今回一番良かったなって思ったシーンです。

 

・最後のシーンでカジモドと目を合わせてから去っていく佐久間フィーバスの背中の虚無感よ。ラストの♪ノートルダムの鐘♪リプライズで、フィーバスが亡くなったエスメとフロローと一緒に出てきますが、彼ならこの流れ納得です(多分エスメの後追ってセーヌ川に身投げしてる)戦場で仲間を亡くし、パリで出会った希望の光であるエスメをも亡くして、これ以上生きてる意味を見いだせなくなったんだろうなぁ(という勝手な妄想)佐久間フィーバスだと、この演目の陰の部分がより一層引き立つなぁと今回思いました。

 

・ところでカーテンコールで、顔と体はほぼ舞台袖に引っ込めてるのに、手だけ出して「ばいばーい!!」って振ってるの、かわいすぎてひぇぇぇってなりました。