Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2022.5.14 ミュージカル「四月は君の噓」マチネ公演:奇跡って簡単に起こるんだよ


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初見では「あ~私には刺さらんやつだ〜」って思ってましたが、前言撤回。確かに作品としてはあんまり刺さらなかったんですが、2幕の達成さん公生渾身のお芝居を見て、気づいたら泣いてました(単純)やっぱり私は達成さんの芝居が好きだ…………。

 

座席はスーパー特等席の1階A列21番。前から3列目、かつ前が通路のど真ん中席。舞台が死角なしで全て見渡せる、最高すぎる座席でした。もちろんオペラグラスがなくても全く問題なし。

 

以下、箇条書きの感想メモ。

 

・一度観てるからなのか、公生とかをりの感情の流れが、今回明確につかめました。役者陣がたった1週間で劇的にクオリティを上げてきたこともあり、見やすい座席だったこともあるからかと思います。

 

今回観てわかったけど、前回の席は本当にク○席でした!!!!!舞台袖近くで芝居するシーンが多すぎるのもやめてほしいですけど!!!!良いシーンが全然見えてなかったことに気づきました。公生のピアノコンクールの控え室でのシーンと、かをりの手術前のシーン、前回は何も見えてなかったので。笑

 

・カテコでの達成さんの挨拶によると、この回はいろいろな「奇跡」が起こっていたようで…。例えば物語のラスト、かをりがいなくなってから初めての春を迎えるシーン。舞台上を舞う桜吹雪が1枚、たまたま公生の手のひらに乗っかって、それを公生が大事そうに胸ポケットに入れてたんです…(涙)

 

・かをりの退院祝いのシーン、いくちゃんがショートケーキを達成さんに差し出して、生クリームがニガテな達成さんが一口頑張って食べてたのも奇跡でしょうか…?笑(そのあと思いっきりむせてたけど)ニガテな食べ物を無理に食べさせられるのは本当にしんどいので(ピーマン嫌いの経験者が語る)、共演者の方々、どうぞお手柔らかに…と思いながら見てました。

 

・チャリでの爆走シーン、懸命に楽譜をさらう公生に対して、何やらオラオラした風を吹かせていたいくちゃんかをり。さすがジャイアン生田です(真顔)

 

・2幕でかをりに「会わなきゃ良かった」と言われた公生が、渡にお見舞いに行かないことを指摘され、泣きながら苦しみを吐露するシーン。達成さんのお芝居の真骨頂でした。あの涙声聞いちゃうと、自然ともらい泣きしちゃう…。「next to normal」の望海さんのお芝居を見た時と同じ感情を味わいました。

 

フィクションの中の「お芝居」のはずなのに、本当に【苦しい・悲しい】という感情が、舞台から客席までダイレクトに伝わってきて、一緒になって泣けてくるんです。ミュージカルなので歌が大事なのは大前提ですが、達成さんの中では「歌を歌わない。セリフという意識で歌う」という信念(?)があるみたいなので、比重が【歌<芝居】の印象です。これで歌がひどいクオリティだと「おいおい…」ってなりますが、達成さんの場合はそれはほぼないので、そういう意味でも安心して観ていられます。

 

・「真骨頂」と言えば………後夜祭のシーン、公生と椿ちゃんがそれぞれ好きな人への想いを歌った後、1人でいる公生の元に椿ちゃんが駆け寄ろうとするんですが、声をかける寸前にかをりが公生に声をかけ、それを見た椿ちゃんが後ずさる…という、「やっぱこれレミゼじゃん??」な切なすぎるシーンがありました。それこそふうかちゃんのお芝居の真骨頂ではあるけれど、ふうかちゃんが幸せになれる作品はいずこに??????

 

・今作はアンサンブルさんたちが若くして超優秀な方々ばかりで、コンセプトアルバムにアンサンブルさんたちが歌う楽曲が入ってないのが悔やまれます。フルアルバム出してほしいなぁ。

 

作品のカラーが影響してるのかもしれませんが、1回1回の舞台にかける想いがばしばし伝わってきますし、全員歌の熱量が半端なく高く、高校生特有のキラキラも放出されてるのが素晴らしすぎました。

 

それぞれ個性もしっかりしているので、基本的にプリンシパルキャストにしか目がいかず、申し訳なくも「アンサンブルさん」という括りで観てしまいがちな私が、観劇2回目にして「あ、あの人はこのシーンでこのポジションにいるんだな」というのがわかるくらい。正直、この作品の真の主役はアンサンブルさんたちだと思いました。

 

・楽曲!!!(突然)コンセプトアルバムを聴いただけでは全くピンとこなかったんですが、実際に作品を観たらめちゃくちゃ良い楽曲ばかりでしたね。

 

同じくワイルドホーン楽曲を使った「マタ・ハリ」は、♪2人の男♪のインパクトがすごすぎて、他の楽曲を全く覚えてないんですが(強いて言えば、アルマンが仲間の飛行士を鼓舞する歌は良かった記憶が…)、今回は2回生で聴いただけで、もう君噓の楽曲ばかりが脳内に流れるようになりました。

 

個人的なイチオシはやっぱり1曲目の♪僕にピアノが聞こえないなら♪。CDで聴いたときは「なんじゃこりゃ」って感じだったんですが、実際に物語の中で聴くと、あの過剰すぎるほどにドラマティックな楽曲がしっかり映えてて、そのあとCDでもう一回聴いたらめちゃくちゃ素敵な楽曲に聴こえました。

 

・かをりの退院祝いのシーン。達成さん公生が持ってたグラスから結構な量の水を自分のブレザーにぶちまけてしまい、かをりパパが半笑いで「大丈夫か?」って心配してたのと、ショートケーキを食べた後に飲んだ水をむせてこぼした達成さん公生が、口を拭いたハンカチでそのまま机を拭いており、いくちゃんが爆笑してました。笑

 

・寺西渡\ドビュッシードビュッシー!/

客席(wwwwwwwwwww)

 

寺西渡、初日では紙袋に大量の本を入れ、病院のベッドにそのまま逆さにぶちまけてたのに、今回観たら布製のトートになってた上に、ちゃんとトートのマチに手を添えてから逆さにしてて笑いました。ちなみに紙袋は寺西回2回目で破れたみたいです。笑

 

・舞台に近い席なので仕方ないんですが、暗転した瞬間にいろいろ見えて面白かったです。「怖いよ…」って涙するいくちゃんかをりが、暗転した瞬間に猛スピードで走ってはけてたり、クライマックスのピアノコンクールでかをりに想いを告げた達成さん公生が、暗転した瞬間に猛スピードで走ってはけてたり…(暗いのによく転ばないな…)

 

・舞台セットはかなりシンプルな作りのわりに高さがあって、それなのに柵とかがなくて観ててちょっと不安でした。高さのある場所でいくちゃんが倒れこんで、達成さんが抱き留めるみたいなシーンもあり、落ちないのか勝手にそわそわしてました(保護者目線)

 

というわけで、初見より断然2回目の方が良かったです!