Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

ドラマ「私の正しいお兄ちゃん」:血の繋がりよりも愛を

www.fujitv.co.jp

 

見終わって2週間くらい経ってるので今更ですが…。

 

もともと昨年秋頃にFOD限定で配信されていたドラマ。同名マンガの映像化だそうです。年明けからフジテレビにて深夜放送されておりました。ただし地上波版はCM込み30分で収まるようにカットされており、フル尺で楽しむにはFODに加入しなくてはいけない、という仕組み(?)になっていました。

 

(深夜枠なのでリアルタイムではなく、TVerで楽しませていただきました)

 

ちなみにこのドラマを見ようと思ったきっかけは、主演の古川雄大さん。基本的に彼が出る映像作品にはあまり興味が持てないのですが、ラブストーリーであってもこれは結構ダークな感じになりそうで、甘々ラブストーリーが苦手な私でも楽しめそうだなと思いまして。

 

ごく簡単なあらすじを書いておくと、

 

大学生の理世(山谷花純さん)は、幼いころ両親の離婚が原因で、大好きな兄と離れ離れになってしまいます。その兄と再会し、ともに暮らすのが理世の夢。

 

ある日、理世はとあるカフェでバイトを始めます。そこで出会ったのは海利(古川雄大)という青年。彼はある事件をきっかけに不眠症を患っており、どうしても眠ることができなかったのですが、なぜか理世の肩にもたれると眠れるようになります。

 

こうしてバイトの休憩中やバイト終わりに訪れる公園のベンチで、海利に肩を貸すようになる理世。2人の仲も縮まっていき、理世は海利の自宅を訪れます。眠りに落ちた海利を見守る理世。部屋を見回す彼女の目に飛び込んできたのは、不自然にカバーが巻かれた1冊の本。興味本位でその本を開いた理世は、それが海利の日記であることを知り、さらにそこには、海利がかつて殺人を犯したことが書いてあり…。

 

というようなお話です。

1~3話あたりは2か月以上前に見たのに、よく覚えてるな私(自画自賛

 

以下、地上波版のみ見た私の感想です。

 

ぶっ飛びカップルすぎて怖いんですけど?????

 

設定としてはとても興味深かった………のですが、尺がカットされているからなのか、猛スピードで物語が進んでいくため、理世ちゃんと海利さんに全くもって感情移入できませんでした。2人の恋を応援したいな!とか、明るい未来が待ってるといいね!とも思えなかったので、2人の決断に終始「お…おぅ…」となって終わったな…。

 

そもそもなんですが、2人がくっつくきっかけとなる、海利さんの「眠れないから肩貸して?」が、なぜか私としてはめちゃくちゃホラーでしかなく…。出会って間もない女の子によくそんなこと頼めるな人の心がないんか感情がないんか顔がいいから許されるとか思ってんd(以下略)などと心の中で唱えながら見ておりました(真顔)

 

あれだけ幼いころに親しんできたお兄ちゃんが、成長したらク〇人間になっていたからといって、比較的あっさりと気持ちに見切りをつけ、あろうことかそのお兄ちゃんを殺した海利さんを愛してしまう理世ちゃんも、なかなかのメンタルの持ち主だなと(まぁドラマだし、マンガだし)

 

あと理世ちゃんのために一生懸命になっていたあの警察のお兄さん、かわいそうだったな…。というか結果的に罪を見逃してることになるんですけど、あれで良かったんでしょうか???

 

若干いかがわしく思ってたタイトルの意味が、最終回に向けて「ああなるほど」と思えるような作りになっていたり、「家族=血のつながった人」にNOを突き付けてるのは面白いなと思いました。正確なセリフは覚えてないけど、理世ちゃんの最後のセリフがとても印象的だったな…(「正しい家族」なんて私は知らない、みたいなセリフでした)

 

海利役の古川さん。映像作品だとどうにも色モノっぽいキャラクターが多い気がしていましたが、海利役は真骨頂だなと思いました。どうしてあんなにも「負」の感情表現が上手なんだろうか…。怒りや悲しみで震える古川さんを見ると、かわいそうとか思うより先に「いい芝居してるな~」と思ってしまいます(上から目線)

 

いつか地上波ドラマで、完全にタガが外れたヤバい悪役とかやってほしいんですけど…お茶の間にトラウマを残すようなお芝居を披露してほしいです。

 

(個人的願望としては、来月から始まる一生さんと柴咲コウさん共演のドラマ「インビシブル」に出演してほしかった)(古川さんは同クールの別ドラマに出演されるとのこと)(しかもまた私が興味持てそうにないやつ…)

 

ちなみに映像で見るといつもカメラ映りが微妙な気がしていたのですが、このドラマは全編通してまるで彫刻のような美しさで撮られていました。ドラマのスタッフさんたちが、古川さんの魅力を熟知していたとしか思えない…。

 

ヒロイン・理世役の山谷花純さんは、このドラマで知った役者さん。とにかく目がまんまるで大きいのが印象的でした。その大きな瞳からしょっちゅうぽろぽろと涙を流すので、演じるのもさぞかし大変だったのでは…。

 

普段だったら絶対に見ないジャンルのドラマだったので、こういう作品もあるんだな~ということで、知見を広げることができたのは良かったなと思います!(と、無理やり締めてみる)