Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2021.04.11 ミュージカル「モーツァルト!」ソワレ公演:自由だ~~~〜〜〜〜〜♪

開幕3日目にして3回目の「モーツァルト!」 。ハイペースすぎます。


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古川ヴォルフ×涼風夫人×設楽乃愛ちゃんアマデ回。

 

今回も1階席D列という、なかなか舞台に近い席。2019年の「レ・ミゼラブル」でD列に座ったことがありますが、知り合いに確保していただいた席だったので、自力でD列引いたのは初めてでした。

 

しかもまた下手サブセンターのセンター寄りだったので、「目の前に古川ヴォルフがぁっっっっ!!」(白目)みたいなシーンが多数。♪何故愛せないの♪の時は、うつろな目をした古川ヴォルフと完全に目合ってましたね……………………(都合の良い妄想かもしれないですけどね……………)

 

作品としてもやっぱり好きです。さすがに「エリザベート」は抜かせないですが、観た人それぞれに解釈が委ねられる抽象的な感じと、「天才作曲家のエキセントリックな一生」という、あまり凡人には共感を得られなそうなテーマに、「親子」という普遍的なテーマを絡めることで、ヴォルフガングを身近な人物に見せる技にうなってしまいます。考察の余地(余白)がたくさんあるのもすごく好き。

 

この回で考えたこと。

 

・レオポルトは、なぜ最後まで「自分は天才を作り出すことができる」と思い込んでるんでしょうか。ヴォルフの身内でもなんでもないコロレド猊下は、あの才能が人の手によるものでなく、神由来であることに気づいてるのに。身内だから近すぎて気づけないのか、それとも「ヴォルフは自分が育てた結果天才になっているわけではない」という事実を、わかっているけれど目を背けているだけ?

 

2幕中盤、猊下に「ヴォルフを連れ戻せ」と言われて、自分の孫(=ナンネールの息子)を差し出そうとする場面、すごく痛々しいなぁと思ってしまいます。「私は天才を1人作った。だからもう1人作ることができる!」って、もはやそこにしか自分の存在価値を見いだせなかったのであれば、とても悲しいことだなと思います。

 

・ヴォルフとアマデの関係性。最初は2人並んで歩いてたり、だいたいはヴォルフがアマデをリードしているのに、いつの間にかアマデがヴォルフを先導するようになってますよね。立場がアンバランスになるタイミングが、この回ではよくわからなかったけれど…。

 

・今回アマデを演じているのは全員女の子。それも本当にちっちゃい子じゃなくて、10歳・11歳の子が演じてるからかもしれませんが、アマデがコンスタンツェに嫉妬してるように感じたのは私だけでしょうか…?もちろんアマデは、役柄としては男の子なので、捉え方としては「女の子としての嫉妬」ではなく、自分の方だけを見ていてほしいという「子どもなりの嫉妬」ですが。

 

どんなことも作曲の糧にしてそうなアマデが、ヴォルフとコンスが決別するシーンを除いて、コンスタンツェがいる場面ではほとんど作曲をしていないことに気づいて、そんな風に思いました。コンスタンツェがヴォルフのインスピレーションになれなかったのは、アマデの意図的な狙いだったのかもしれないですね。

 

・コンスタンツェに夢中になったヴォルフが、♪愛していればわかりあえる♪を歌いながら、アマデが書いた楽譜を床にバラまいちゃうんですが、その楽譜をアマデが慌てて拾って大事そうに抱きしめる、なんて場面もありました。1幕序盤では、猊下に楽譜を床にバラまかれて、ヴォルフも一緒になって怒ってたのに…。

 

その他印象的だったところを、以下メモ書きしておきます。おおよそ古川ヴォルフについての感想です。笑

 

・♪赤いコート♪前、ナンネールをおどかして姿を現したときの「はぁっ(≧∇≦)!!!!!!」の顔かわいすぎません!?!?古川さん、全力笑顔だと目が「><」←こうなりますよね。笑

ちなみに山崎ヴォルフは、笑うと下がり眉&タレ目っぽくなるので「(*´ω`*)」←こんな印象でした。

 

・古川ヴォルフの♪僕こそミュージック♪、キラキラしてて本当に素敵です。とてものびのびと歌えていて、本人が「音を楽しんでる」ようにも見えるので、こちらは目でも耳でも楽しめる感じでした。

 

・ヴォルフが猊下のお付きの人たちに取り押さえられそうになるのをやっつけた(?)後、近くにいたアマデに向かって「見て見て〜!」って指差してました。アマデよりも精神年齢が低い…。笑

 

・2幕後半に、夜で郵便馬車がないのにナンネールにお金を送ろうとしてたヴォルフのシーンがあったのを知っていたので、ヴォルフママが亡くなるシーンで「そりゃ医者が呼べるわけないよな」と思いました。生活力、というか一人で生きていく力が全くなさそう…。

 

・♪残酷な人生♪、ママが死んじゃって道に飛び出して呆然と佇む古川ヴォルフの絶望の表情、良きかな。

 

・古川ヴォルフがシカネーダーの話を聞きつつ、そばに立ってた男性アンサンブルさんの二の腕を地味にばしばし叩いていて、その男性アンサンブルさんがそのあと大げさに痛がるお芝居をしてて笑いましたw

 

・♪チョッピリオツム〜♪、今回は♪愛、嘘、苦しみ〜♪で、どう見ても「嘘」のときに「苦しみ」ポーズしちゃってました。テンポ速いからリアクション大変そうだ~。

 

・遠山シカネーダーはすごくかっこよくて、どちらのヴォルフと並んでもビジュアルが負けてないのですごいなぁと思うのですが、もっとクセ強めなお芝居も良さそうだなと。かつてキャスティングされてた吉野シカネーダー、見てみたかったです…(突然)

 

・♪チョッピリオツム〜♪の歌詞は、この状況で歌われるとグサッときますね…。観客の拍手が好き…客席満杯…。

 

・女の子といちゃつこうとシャツを脱ぐ

→パパに見つかる

→慌ててシャツ着る、のシーン。

山崎ヴォルフはしばらくタンクトップ姿のままセリフを言ってましたが、古川ヴォルフは速攻でシャツを羽織ってました。なぜ!!!!!!!!!!!(大声)

 

・\ザルツブルクなんてだいきらいだ!/古川ヴォルフはときどき子供っぽく喋る印象があります。ってそんな感じのキャラ、何かのミュージカルで見た気が…と思ってましたが、それ古川さんじゃないですね、「ファントム」の城田エリックでした。

 

・♪並の男じゃない♪、初日の100倍は調子乗ってましたし、何よりご本人がめちゃくちゃ楽しそうでほっこりしました(D列から送る、あたたかなまなざし)

 

・♪うるさいやつは!まっぷーたつ!♪とか、♪助けてほしけりゃ 言うこと聞けっ♪とか、\クソくらええええ!/の顔とか、千秋楽までにもっとひどいことになるんだろうなと、期待を持たせてくれるお顔をしておりました。笑

 

・ちなみに自身のライブでこの曲を歌うため、ファンの方々に自分を「豚野郎!」呼ばわりさせたらしい古川さん。正気か????????

 

・コンスに褒められて照れ隠しをするシーン。今回も優雅にバレエを舞った〜…と思った次の瞬間、そのまま下手舞台袖に消えていく古川ヴォルフw木下コンスが「ちょっとちょっと!!待って!?!?」って言うと、ニコニコしながらしゅたたた〜っと素早くお戻りになりました。笑

 

・♪僕はウィーンに残る♪もかなり好きなシーンです。白いカツラをかぶって出てくるヴォルフ見て、なぜかわくわくしてしまう…(謎)

 

・♪影を逃れて♪がめちゃくちゃ良すぎて、大サビからちょっと泣きました。

 

・♪運命に従うほかないのか♪で、舞台後方に古川ヴォルフとアマデの影が浮かび上がる照明の当て方が天才すぎる…。あと2度目に腕を刺されたときの、古川ヴォルフの鬼の形相が怖すぎます。

 

・♪絶対に♪でアマデから顔をそむけ、♪無理なのか♪でかすかに首を横に振りながら悲しげな顔して歌う古川ヴォルフの表情があまりにも好きすぎて!!!!!!!(そして終わる1幕)

 

・2幕冒頭のメスマーさんのセリフがはちゃめちゃすぎて、驚きを超えて呆然。この時点で私は3回目の観劇でしたが、そんなド素人の私でも、セリフがおかしいことに気づいたくらいおかしかったです。

「彼は少々エキセントリックなふるまいをするのでした」というニュアンスのセリフが、「彼は………………どうなることやら」みたいになってて、正直「それはこっちのセリフですよ…」と思ってしまったり。

 

・ あーいしてーいーれーばーわかりーーあーーえーーるーー (心のなかで密かに熱唱)

 

・木下コンスの♪ダンスはやめられない ♪、この時点で最高すぎて、これから千秋楽までむしろどうするんだろう…と逆に心配になりました。あの情念ドロドロな感じ、好きです(告白)ただただ強いだけじゃなくて弱さもあるのが良いです。

 

・歌いながらシャンパンのグラスを落としたとき、その音にびくっとするのと同時に反射的に顔を手でかばうの、二人目のお父さんに殴られてきたんだろうな…と切なくなってしまいます。お金を取った取らないで父親に殴られたと言ってたし…。

 

・仮面舞踏会のシーン、歌い出し前に下唇噛みながらニヤッて不敵に笑う古川ヴォルフ。根拠のない自信がありそうなのが「らしい」なぁと。

 

・「ゆるさない!ゆるさない!あくま!おおかみ!へび!わるい!わるい!」は、日本語訳が悪いのか、言い方が微妙なのか、この回でもあまりしっくり来ないセリフでした。それしか羅列できないくらい、怒ってるし気が変になってしまってるってことなんだと思うんですけど…。

 

・「魔笛」の♪夜の女王のアリア♪を歌う女性アンサンブルさん、あれは録音…??毎回すごいな…って思ってるんですが。

 

・♪破滅への道♪はキーを上げてください(唯一大きく不満なポイントです)

 

・♪モーツァルトモーツァルト!♪の曲終わりで、椅子の背にもたれるヴォルフを見ると、どうしても「フラッシュダンス」の1幕ラストを思い浮かべてしまう…(水は降ってきません)

 

・「だめだ…書けない…」は、古川ヴォルフは涙ながらに言いますが、山崎ヴォルフは完全なる諦めでした。

 

・ 2幕ラストの♪影を逃れて♪、古川ヴォルフがハイトーンで締めてくれたので、「はい!ありがとう!好き!大好き!愛してる!!」ってなりました(激重)「いつかやってくれるかな」と期待してたら、開幕3日目で叶いました(むしろ初日なんでやらなかったんだろう…)