「総理にされた男」:中山七里
(あらすじ)
「しばらく総理の替え玉をやってくれ」
総理そっくりの容姿に目をつけられ、俺は官房長官に引っさらわれた。意識不明の総理の代理だというが、政治知識なんて俺はかけらも持っていない。
突如総理にされた売れない役者・加納へ次々と課される、野党や官僚との対決に、海外で起こる最悪の事件!?
(感想)
最初に書店で目についたときは、面白そうだけどまだ読みたい本が他にたくさんあるからな~とスルーしていたのですが、それから半年間くらい、書店に行くたびになぜかやたら目につくので、思い切って買ってみました。
もともと政治の話はあまり得意ではなく(大人の教養として必要なのは重々承知ですが)、お堅い内容の小説なのだろうな~と思っていましたが、エンターテインメント成分50%+政治の基礎知識50%という感じの小説でした。
総理に仕立て上げられる主人公・加納が、政治にひどく疎い、という設定のため、彼が政治の世界を徐々に知っていくのを、読者も共に体験するという構成になっていました。さすがにあれほど短期間で、あんなにうまくいくはずなかろう…とは思いましたが、そこは「フィクション」ということで。
これ一冊で政治のことがまるわかり、というわけではなく、著者の考えや思想もある程度入っていると思うので、すべてを真に受けるのはよくないと思いますが、「政治とかよくわかんないし、つまらないし、難しそうだし」と思っている私みたいな人が、入門編として触れるには良いのではと思います!