Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

映画「祈りの幕が下りる時」:私の人生の幕引きは、私が決める

祈りの幕が下りる時

監督:福澤克雄

出演:阿部寛松嶋菜々子溝端淳平田中麗奈及川光博小日向文世、山﨑努、他

 

<あらすじ>

明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。

捜査を担当する松宮(溝端淳平)は、近くで発見された焼死体との関連を疑う。被害者の遺品には、日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれており、そのことを知った加賀恭一郎(阿部寛)は激しく動揺する。

 

<感想>

映画を観る前に原作は読んでましたが、詳しいところは全然覚えてなかったので、初見の気持ちでストーリーも楽しめましたた。「あーそういえばそんな話だったねぇ」と記憶を掘り起こす感覚。浅居博美の過去が、完全に「砂の器」でしたね…。


原作の雰囲気もドラマの雰囲気もどちらも壊さず、忠実に映像化されてたと思います。もちろんドラマですでに世界観は出来上がってるので、それを映画に持っていくだけなんでしょうけど。ガラッと趣向を変えることなく、手堅く仕上げた印象の映画でした。

ただ映像化されると、なかなかややこしい話でした(*個人感)

関係者の図をしょっちゅう画面に映す親切設計にはなってましたが、とにかく人物が多いのと、この人とその人はどう繋がってるんだっけ……ってなると置いてかれます。自分のペースで理解しながら進められる小説ならではの物語とも言えそうです。

しかしホントによくこんな複雑な構造を考えられるよな〜…。しかもそれを長年続いてるシリーズの主人公の過去と絡ませるなんて。「容疑者Xの献身同様タイトルが秀逸だと思いました。

映像化、という点で見ると、最初にも書きましたが手堅い印象でした。時折加賀さんのおふざけも挟みつつ、基本の軸はシリアス。後半で謎が解き明かされるシーンは、「新参者」シリーズの【情に訴える部分】を全面に押し出しながらクライマックスへ…と、冒険せずに大勢の人に楽しんでもらうために作られていて、個人的には良かったと思います。一方で、面白みに欠けると感じる人がいても、それはそれで納得できるかなぁ。

ドラマから出てる役者さんたちは、もうあの世界観にすっかり馴染んでいて、見てて安心感すらありました。特に阿部寛さん as 加賀恭一郎はもっと見ていたい!これで終わりなんて残念なので、いつか湯川先生(福山雅治さん)vs 加賀恭一郎をやってほしいなぁ…。


意外だったのが、事件のカギを握る浅井博美役の松嶋菜々子さん。実はお芝居をちゃんと見たことがなくて、CMで見る限り「キレイなお姉さん」の象徴みたいな人だったので、今回映画を見てて「この人こんな表情するんだ…」と、いい意味で驚きました。浅居博美が母親に会いに行くシーンは特に、長年の恨みつらみを込めた言葉を投げつける時の表情が鬼気迫りすぎて恐ろしかったです。


あと出演されているとは知らなかった小日向さん。浅居博美の父親役でしたが、さすがでした…ああいう役柄が本当に似合います。



逆にいまいちだったのは、その他大勢の刑事役の役者さんたち。やたらリアクションがデカく、浮きまくってました。同じく東野圭吾さん原作の映画「天空の蜂」のときも、演技があまりにもアレすぎるその他大勢がいたのですが、その他大勢とはいえそれなりに気を使ってほしいものです…。笑