Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

小説「マリアビートル」:生きるか死ぬか in 新幹線

 

「マリアビートル」:伊坂幸太郎

 

(あらすじ)

幼い息子の仇討ちを企てる、酒浸りの元殺し屋「木村」。

優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。

闇社会の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。

とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。

疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する。

 

(感想)

 こちら初めて読んだときは「何これめっちゃくちゃ面白いじゃん…!」と思ったのですが、先日「グラスホッパー」の後に読んだら、やたら長さを感じたのと、「あれ、これそんなに面白い…?」と思ってしまいました。私の心境の変化やいかに。

とにかく「王子」のキャラクターにものすごくイライラさせられます(彼の思うつぼですね。笑)最終的に制裁が加えられるものの、それまでの彼の行動があまりにも極悪非道なので、そこまでスカッとしないんですよね…。もっと痛い目に遭えば良かったのに、と思ってしまう…。

 

「天道虫」の七尾くんも、あそこまで運がないと、同情を通り越してさすがにイライラしてきます。笑

 

1番好きなキャラクターは「檸檬」。きかんしゃトーマスにやたら詳しくて、何かにつけてトーマスの蘊蓄語ってるのがかわいいです(殺し屋ですけど)

 

しかし「新幹線の中」という1つの舞台だけで(厳密に言うと病院も舞台になるので2つですけど)、500ページ越えの小説が書けるよなぁ…と。描写も細かくて、小説を読むときに脳内で映像を作り出す私にとって、非常に読み応えがありました。

 

そしてなんと、この小説を原作とした映画が、なぜかハリウッドで作られるそうで…!!「グラスホッパー」は普通に日本映画として作られてたので、その流れでやるのかと思いきや、まさかの海外作品になるという展開に。

 

「Bullet Train」というタイトルで、主演はなんとブラッド・ピット、共演はサンドラ・ブロックやらアーロン・テイラー・ジョンソンやらマイケル・シャノンやら、洋画ファン的にはかなりの豪華キャスト。「王子」は出演キャストを見る限りでは、女の子に変わってそうです(ジョーイ・キングが入ってるので。ローガン・ラーマンの可能性もあるかなぁ)あとなぜかレディ・ガガも出るそうですが、一体どの役なんだ…。

 

この状況だといつ公開されるかわかりませんが、今からとても楽しみです…!