2021年版ロミジュリ、2度目の観劇。
ジュリエット、マーキューシオ以外のWキャストさんは、ロミオ役の黒羽さんを除きはじめましてでした。
(黒羽さんは2019年ロミジュリにて、マーキューシオ役で拝見しております)
結論から言うと、前回観た回のほうが自分的にしっくりきました。個々のキャストがどうというよりも、全体のまとまりとして。
以下、キャスト別感想です。
【ロミオ:黒羽麻璃央さん】
・前回マキュだったので、ロミオのイメージがわかなかったのですが、ビジュアルは全く問題なし。髪の色が変わるだけであそこまで印象変わるのはすごいと思います。
・未熟な少年っぽさをかなり全面に出してた印象でした。実年齢が年下な甲斐ロミオよりも、やんちゃで子供な感じ。
・ロミオは、モンタギューの若者たちの中でもかなり異質なオーラを放つ存在だと思ってたんですが、黒羽ロミオには良くも悪くもそれがなかった気がします。
いい意味で捉えると、モンタギューの若者たちとの距離感がすごく近くて、「王になるのは俺たち全員だ!」というセリフがしっくり来ました。
一方で、(言葉にするのが難しいのですが)存在として「ロミオ」っぽくはなかったように思います。♪綺麗は汚い♪の後に登場したロミオを見て乳母が、「他の人とは全然違う!」と言いますが、黒羽ロミオにはそれがいまいち当てはまらなかったような…(※あくまでも個人感です)
だからなのか、1幕はジュリエットに出会うまでやや埋もれ気味で、色んな人がわーっと出ているシーンだと「ロミオどこ!?」ってなりました。
・♪僕は怖い♪、黒羽ロミオからは「怖い」というよりも、何かに追われているような「焦り」を感じました。急き立てられて生き急いでる印象。
・空気感が変わったなと思ったのは、ジュリエットとの出会い後の♪天使の歌が聞こえる♪。愛を知って一皮むけたようなオーラで、新しい価値観を知ったんだなと分かるようなお芝居でした。
・甲斐ロミオもそうでしたが、♪バルコニー♪後に立ち去るシーン、ジュリエットに向かって愛の花を掲げるポーズが、子供がお母さんに向かって「見て見てー!」と、何かを見せてあげるようなポーズだったので、ロマンチックさがあんまりなく、子供っぽくてかわいかったです。笑
・カーテンコールにて、みんなで♪世界の王♪を踊ったあと、伊原ジュリエットを思いっきりぎゅーってハグしてた黒羽ロミオ。あまりにも唐突だったからか、六花ちゃんちょっと引いてたような…。笑
・黒羽さん、前回のロミジュリはマキュでしたし、公演中止になってしまったけれど「エリザベート」ではルキーニに抜擢されてましたし、同じく公演中止だった「るろうに剣心」では、志々雄真にキャスティングされていました。ということで、恐らくロミオみたいな「王子様キャラ」よりも、悪役やクセのある役の方が合ってるんじゃないかなぁと思っています。ものすごくうまくいけば、成河さんみたいな、唯一無二のポジションにいる役者さんになりそうです。
【ジュリエット:伊原六花ちゃん】
・エネルギーありあまってる伊原ジュリエット、私は大好きです(告白)
・黒羽ロミオとの組み合わせだと、まさに「ティーン同士のかわいい恋!」だったので、きっと敵同士の恋でなくても、周りは反対したんだろうなぁと。ひたむきに走り続けたら、その先に死が口を開けて待ってたようなカップルでした。
・ホントもったいないのでぜひ!!!バリバリ踊る役で見てみたい!!!!!
【ベンヴォーリオ:前田公輝さん】
・前田ベンは、2019年ロミジュリの木村ベンを彷彿とさせる、大変良きベンヴォーリオでした!!!!!
・前田ベンはおちゃらけてる弟っぽくて、3人でいるときは他の2人に甘えてる?ってくらいかわいらしかったです。♪マブの女王♪のとき、いちいちジャケットの襟元がばっと脱ぐのを、黒羽ロミオに直されてたのが面白かったw
・でも2幕では、マキュが殺され、ロミオがティボルトを殺して、一気に大切な仲間を失った彼の葛藤がすごく伝わってきました。
・♪どうやって伝えよう♪が、ちゃんと「ロミオにジュリエットの死をどうやって伝えよう」って思ってることが客席に伝わってくれば、ベンヴォーリオとして合格なので(※私の基準です)、前田ベンはその意味で満点合格でした。
・今回初ミュージカルらしいんですが、本当に………………!?舞台には出たことあるようなので、舞台慣れはしてるんだと思いますが、それにしても上手かったです。
【マーキューシオ:新里宏太さん】
・前回から特に印象は変わらず。歌上手いですし、マキュ似合ってたのでぜひとも続投してほしいです。
【ティボルト:吉田広大さん】
・今回ティボルトが1番面白いWキャストでは!?前回公演の2人ともかぶらず、Wキャスト同士でもかぶらないキャラ作りになっているので、非常に興味深かったです。
・吉田ティボルトは、失礼ながらビジュアルはかなりいかついんですが、終始どこか悲しそうで、悲哀や哀愁をものすごく感じるティボルトでした。
・ジュリエットを想う気持ちがまっすぐ直球で(なのに全く気づいてもらえなさそうで)、そのぶんその気持ちを押し殺す力も強そうでした。
・強くて優しいいとこ、の肩書が初めてしっくりきた…。
・♪ヤツの屍前にして ジュリエットに告白しよう〜♪で毎回どうしても引くんですけど(笑)吉田ティボルトが歌うと「うん…やっていいと思う…」ってなったくらいには悲しい男でした。
・あと歌うまいですね…!?♪本当の俺じゃない♪のフェイクがおしゃれすぎて「ティボルトのライブか…?」ってなりました。吉田ティボルトのワンマンショー見てみたい。
・Wキャストの立石さんとの対談動画を観劇前に見ましたが、素はものすごく気のいいにーちゃんって感じで、そちらでも好感持てました。今後も出演されるかは本人の意向次第かと思いますが、ミュージカル界でも面白い立ち位置になりそうな人なので、注目したいです。
【死:小尻健太さん】
・前回公演では振り付けを担当されていた小尻さん。今回は「死」としてのご出演でした。
小尻「死」は、大貫「死」や宮尾「死」と同じような、「無」のオーラをまとった死でした。さすが振り付けを担当されているだけあり、優雅かつ恐ろしげな舞を堪能できました。
ただ前回見た、感情豊かな堀内「死」が衝撃的だったので、私はそちらの方が好きでした!