Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

「天保十二年のシェイクスピア」Blu-ray再生直後に泣いた話

 

今年初めて観て大好きになった演目のBlu-rayを購入しました。

 

少なくとも泣けるような感動作品ではないのですが、1幕の本当に冒頭、誰もいない客席が映り、その後登場した隊長(木場さん)の前口上でボロボロ泣いてしまいました。

 

もっと楽しい場面を見ようと、2幕ラストに出演者総出で歌う♪もしもシェイクスピアがいなかったら♪を再生したのですが、誰もいない客席に楽しそうに降りていく出演者の皆さんの笑顔を見て、さらに号泣しました。

 

役者が、全力のパフォーマンスを、誰もいない客席に向かって行う。

 

パフォーマンスが一生懸命であればあるほど、拍手が起こらない「無」の時間が際立ち、役者さんたちの視線の先にある何もない空間を想って、こんなに悲しいことがあるかと涙が止まらなくなりました。

 

もちろんこれまで無観客で行われたミュージカルやコンサートは他にもありますが、この演目の場合、その前日まではお客さんがいる客席で公演が行われていたので、虚しさも倍以上だったのではと。

 

 

天保十二年のシェイクスピア」は、今年の2月から東京の日生劇場で公演が始まり、本来であれば3月中旬に大阪で千秋楽を迎えるはずでした。

 

ところが東京公演をほんの少し残したところで、残りの公演がすべて中止となり、開幕前から決まっていたBlu-ray/DVDの収録は、無観客で行われるとのアナウンスがありました。

 

追々このブログにも書きますが(だいぶ先になりそう…)、私は幸運にも2回観劇できております。

2回目の観劇は本当に滑り込みセーフ、2月26日の夜公演を観ておりました。終演後、劇団四季が公演中止を発表していて、驚いた記憶があります(その後天保〜は2月27日昼公演が大千秋楽になりました)

 

他にも多くの作品が中止となっていたため、Blu-rayで観られるならまだラッキーだよね!と思ってたのですが……。

 

無観客収録というのは想像以上に寂しく、また見るたびに「そういえばこのときはコロナで大変だったな」と、純粋な気持ちで楽しめないのがとてもしんどいです。何度も観たら慣れるかなぁ。

 

でも何はともあれ、手元でいつでも楽しめるのは率直に嬉しいです。じっくり観て、ずっと大事にしよう。

Blu-ray画質最高なので、今後の映像化は全部Blu-rayでお願いします東◎さん!)