Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

ドラマ「MIU404」:それは心臓を刹那に揺らすもの

 

ドラマ「MIU404」が最終回を迎えました。

 

www.tbs.co.jp

 

いやー良かった!!最後までなんて抜かりのない脚本。vs久住の決着のつけ方もすごく良かったです。「現実」とリンクさせるのも本当に上手かった。

 

思い返すと最初これ見るつもりなかったんです。脚本が大好きな「アンナチュラル」の野木さんなので見ようかと思いつつも、コロナの影響で放送延期。ふと気づいた時には1話2話の放送が終わっており、3話で菅田将暉さんがサプライズで登場されたとTwitterで大騒ぎになってるのを傍目で見ておりました。

 

あまのじゃくな私としては、

「W主演が星野源綾野剛で、バディもので、主題歌が米津玄師で、さらに黒幕が菅田将暉だと????さすがに狙い過ぎでは????」

と、制作側のあざとさを感じてたんですが、「アンナチュラルの警察版みたいで面白いから見ろ」という家族の(雑な)猛プッシュで見てみたところ、まんまとハマリました。イギリスの有名ドラマ「SHERLOCK」を見て以来、バディものにはめっぽう弱いのです…。

 

「アンナチュラル」でも思いましたが、野木さんは、脚本がうまいのは百も承知ですが、「視聴者が愛をそそげるキャラクターを創り出すのもとんでもなく上手」だと思います。

 

動画配信サイトやYoutubeが活発になった今、「毎週〇曜日の〇時に視聴者をテレビの前に座らせる」って、昔の何倍も、何十倍も大変なことだと思います。

録画だってあるし、見逃し配信もあるから、必ずしもその時間に座らせなきゃいけないわけでもないけど。

 

「毎週欠かさず見たい」と思わせるには、もちろんお話が絶対的に面白くて、次はどうなる!?と展開が気になることは当然ですが、もう1つ大事なこととしては、「このキャラクターに会いたい」と思わせることだと思います。

 

私はこの3か月間、毎週金曜22時は、志摩や伊吹、九重くんに陣馬さん、桔梗隊長、ハムちゃん、ゆたかくん、それから(憎たらしいけど)久住に会えることを楽しみにしていました。

実在する人物ではないけど、みんなすごくリアル、かつどこか身近に感じられるキャラクターで、ふと道を歩いてるときにメロンパン号が隣を走ってくるんじゃないか、と思えるくらい、親近感を持てる人物ばかりでした。

 

「アンナチュラル」の時も同じ感覚を味わいました。

ミコト、東海林さん、所長、久部くん、坂本さん、そして中堂さん。

そのドラマを思い出した時、演じている役者さんの名前じゃなくて、キャラクター名が先にすらすら出てくるってすごいことだと思います。

(ちなみに我が家は、いまだに井浦新さんを見ると「くそがぁ!!!!!!!!!」と反射的に叫びます。パブロフの犬じゃん)

 

話を「MIU404」に戻しますが、そんな感覚を持てるキャラクターをまたもや創り出した野木さんは偉大だなぁと思います。そしてそんなキャラクターたちに、素晴らしい演技で生命を吹き込んだ俳優さんたちも、また偉大だなと感じます。

 

実はこのドラマを見る前までは、失礼ながら星野源さんも綾野剛さんも、どちらかというと苦手な俳優さんでした。といっても演技が…とかではなく、単純に私のタイプとは真逆のビジュアルだからというだけなのですが。

 

「逃げ恥」は同じく野木さん脚本ですが、あれも最初を見逃して、世間で盛り上がってるのを尻目にスルーしてしまったため、星野源さんの魅力は全くわからなかったですし、綾野剛さんは最近になって、「あ、あれにも出てたのか…これにも出てたのか」と気づくくらい、出演作を見てても私が無関心すぎて存在を気に留めていなかったという……(土下座)

 

でも「志摩」な星野源さんと「伊吹」な綾野剛さんは、これ以上ないくらい最高のバディだったと思いますし、お2人の魅力が存分に発揮されていたのでは?と感じます。

特に綾野剛さんの伊吹は、本当に本当に本っっっっっっっ当に素晴らしくて、何度彼の演技にもらい泣きしかけたことか…。恩師であるガマさんが逮捕されたあと、子供のようにわんわん泣いている背中とか、ハムちゃんが誘拐されたことを知ってパニックになりそうな表情とか、ハムちゃんを助け出して志摩と「間に合った」って抱き合うところとか。

あと「安心しろ!俺の生命線は長いっ!」(♪たった一瞬の~♪)で泣きました。

 

余談ですが「モニタリング」で「綾野さんがアーチェリーを成功させると、依頼した一般人の願いが叶う」という謎企画をやっていたときの、綾野さんの本気っぷりがあまりにもかっこよすぎて、我が家全員惚れました。バラエティなのにあんな真剣な人はじめて見たわ…。

 

陣馬さんと九重くんのバディも良かったな~~~~!!!昔気質な陣馬さんと、現代っ子かつお偉いさんの息子な九重くん。バディとしては志摩&伊吹よりも、こちらの方が凸凹だった気がします。

 

陣馬さんが九重くんに「間違いも失敗もちゃんと言えるようなれ!」と諭したあとに、九重くんが「ごはん行きましょう!お酒は無しで!」って誘うシーンが1番好きです。6話だったかな?

 

桔梗さんはもうかっこよすぎてロールモデルにしたいレベル。

警察なんてガチガチの男社会だろうに、あそこまでのしあがった桔梗さんに私はついてゆきたい(*桔梗さんは実在しません)

 

あとドラマを面白くするもう1つ大事な要素として「主題歌」も挙げられるのではないでしょうか。「感電」最高、米津さん天才。

 

米津さんの楽曲は、ドラマ主題歌しか知らないのですが(「Lemon」「馬と鹿」「感電」)どれもしっかりドラマの世界観に沿った歌詞とメロディで、どうやったらあんなにピタッとはまる楽曲を作ることができるのか、米津さんの頭の中をのぞいてみたいものです。

 

 

あー。来週からは金曜22時にテレビの前に座っても、4機捜のみんなに会えないのか…寂しくなるなぁ。

 

でもきっとどこかで彼らは小さな正義を積み重ねて、誰かのスイッチを良い方向に押してくれてるはず…!!

 

またいつか、どこかで会えたらなと思います(欲を言えばアンナチュラルとがっつりコラボした特別ドラマが見たいです野木さん!!)