Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

大河ドラマ「青天を衝け」:みんなの幸せが私の幸せ

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今さら!?なドラマ感想その1。

2021年の大河ドラマ「青天を衝け」、1年間リアルタイムで視聴いたしました。

 

幕末から明治時代にかけて、武力ではなくその頭脳と行動力で日本経済の基礎を築いた、渋沢栄一が主役の物語。

 

発表されたときは「随分地味な人を主役にするんだなぁ」と思っていましたが、渋沢栄一についてはたまたま名前やその功績を少しばかり知っていたことと、日本経済の基礎がどのように整っていったのか、純粋に興味があったので視聴意欲はかなり高めで見始めました。

 

終わってから振り返ると、栄一の幼少期~青年期に非常に力を入れて描いたからか、終盤は結構詰め込んでいた印象が強かったので、もう少し晩年の物語も見たかったな…と思いました。

 

かつて近代日本を描いた大河ドラマ「いだてん」で久々に視聴を途中でやめてしまっていたため、「やっぱり大河ドラマは戦国時代や幕末の侍の話じゃないと、私は楽しめないのかなぁ」と思っていましたが、物語自体がめちゃくちゃ面白かったです。本当に毎週わくわくしながら見ていました。

 

「そんなバカな…!」というエピソードが、案外史実だったりして、栄一の人生はこのドラマで描かれている以上に波乱に満ちていたんだろうなと思います。

 

感銘を受けたのは、栄一が自分の財を成すためでなく、「みんなが笑って暮らせる世の中になるように」という軸で行動していたこと。あれだけの地頭の良さや、コミュニケーション能力を持ちながら、それを自分や自分の身内が幸せになることにのみ使うのではなく、どうやったら世の中をよくすることができるか、というモットーを原動力にしている姿が、自分に甘い私にはまぶしかったです…。

 

あまりにも偉大すぎるので、見習おう!とは毛頭思いませんが、もっと視野を広げて生きていきたいものだなぁ…と、つくづく感じさせられるドラマでした。

 

栄一を演じた吉沢亮さん。2020年秋にミュージカル「プロデューサーズ」で生のお芝居を拝見しており、意外にもコミカルなお芝居がハマっていましたが、栄一でも豊かな感情表現が素晴らしかったです。初回からしばらくはさすがにやや堅いかな?と感じましたが、中盤から「役を演じる」というより「その時代を栄一として生きる」お芝居にシフトしていったのが、テレビの画面越しからも伝わってきました。

 

他にも秀逸なキャラクターや役者さんがたくさんだったなぁ…。中でも草彅剛さん演じる徳川慶喜と、堤真一さん演じる平岡円志郎さんが好きでした。

 

惜しむらくは、毎回大河ドラマでひそかに楽しみにしているオープニング楽曲が、個人的にあまり好きになれなかったこと。先週から放映されている「鎌倉殿の13人」のオープニングはめちゃくちゃかっこよくて、一目惚れならぬ一聴き惚れしてしまいました。笑