Der Lezte Tanz

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ドラマ「大奥」(シーズン1・2):存在したかもしれない歴史

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2023年国内ドラマで見て良かった作品を選ぶとしたら、ダントツでこれです。シーズン2の幕末編に、推し役者さんの古川雄大さんと愛希れいかさんが出演されるから、と大変不純な動機で見ましたが、本当に本当に良いドラマでした。

 

原作は未読ですが、この映画↓は学生時代に映画館まで足を運んで見たことがあります。

www.tbs.co.jp

 

「男女逆転」というコンセプトはなかなか面白かったと思うのですが、いかんせんどんな話だったかは全く記憶になく…。堀北真希さんが二宮和也さん演じる水野の幼馴染役だったことしか覚えていないという始末。今回のドラマ版を見て思いましたが、この作品はある程度時間をかけて描いた方が、断然面白いんだろうと思います。

 

シーズン1・2と、かなり時間をかけて描かれたドラマ版であっても、正直ダイジェスト感は否めず、「え、もうこの人死んじゃうの!?」みたいな展開が何度かありました。原作未読の私がこう感じるんだから、原作ファンの方はさらに…だろうなと。大河ドラマのように半年~1年かけても良いのではないかと思います。

 

シーズン1では、徳川将軍三代目・家光、五代目・綱吉、八代目・吉宗のそれぞれの時代を描いていました。

 

最も印象的だったのは、綱吉編。その派手な身なりや言動から「色狂い」と庶民に呼ばれた一方、実の父親からのプレッシャーで世継ぎを産むことに必死にならざるを得なかった哀しい女性を、仲里依紗さんがとてつもない熱演で表現されていました。ちなみにあの熱演を見た後に、彼女のYouTubeチャンネルの動画を見て、寒暖差で風邪ひくかと思いました(真顔)

 

吉宗編もわりと好きでした。富永愛さんは、普段はモデルとして活躍されているのでお芝居どうなんだろう…と思っていましたが、序盤こそちょっと「むむ?」と思うセリフ回しだったものの、回を重ねるごとにしっくりくるようになっていきました。

 

シーズン2では、将軍メインではなく、大奥に携わる人たちの群像劇のような「医療編」と「幕末編」の2部構成でした。

 

「医療編」は、この中でもさらに二つに分かれていて、前半は赤面疱瘡を根絶しようとした人たちのエピソード、後半は久々の男将軍・家斉とその周りの女性たちをめぐるとんでもない泥沼戦争のエピソードでした。

 

「医療編」、前半はやるせない涙、後半は恐怖の涙を流しました。平賀源内と青沼の人の命を救いたいという熱い想いが、まさかあんな形で幕を下ろすなんて…。後半はしばらく「MUSIC FAIR」が見られなくなったレベルで仲間由紀恵さんがトラウマになりました。ある意味MVPです。とあるシーンが本当に怖すぎて、ドラマ見てて久々に悲鳴あげました。

 

「幕末編」は十三代将軍・家定から大政奉還により大奥が歴史舞台から姿を消すまでを描いていました。家定が抱えるあまりにもおぞましすぎる秘密と過去、そこから彼女を救い出そうと奔走する阿部正弘。この2人の絆が本当に良かった…。シーズン1・2通して、この2人の別れの場面で一番泣きました。思い出すだけで泣いちゃう(涙)

 

十四代将軍・家茂と和宮の関係性も本当に素敵でした。演じていた志田沙良さんと岸井ゆきのさん、お二人とも比較的お若い役者さんですが、お互いを思いやる気持ちがお芝居であそこまで出せるのって、素晴らしいなと感じました。

 

女性メインの物語ながら、大奥を守る「バディ」感たっぷりだった胤篤と瀧山。大奥の外の世界から飛び込んできた、出自の全く違う男たちが、大奥を最後まで守り抜こうとする姿にもまた胸を打たれました。大奥を離れ、外国に飛び立った2人のその後も、スピンオフで見てみたいなぁ…。

 

瀧山役の古川さん、家定役の愛希さん、まさかの「エリザベート」共演だったので、「NHKの偉い人の中にミュージカルヲタクがいるんだろうか…」と思ったのはさておき、それぞれ舞台に立っているときと同じくらい魅力的でした。家定と瀧山が、家定の父・家慶をやり込めるシーンは思わずニヤニヤしてしまいました…シシィとトートが幕末の日本に転生したみたいじゃん…(ニヤニヤ)

 

あまりにも良すぎたので、「大奥」を見終わったらやめるつもりだったNHKオンデマンドに未だ加入しており、幕末編だけもう1周してからやめようとしております。笑

 

今から追いかけるにはちょっと長そうだけど、原作にもいつか触れられたらと思っています!