Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2022.5.18 ミュージカル「四月は君の噓」ソワレ公演:ケーキ狂想曲

君噓3回目&見納め回でした。開幕して10日しか経ってない時点で見納めってかなり早いですが…。短い期間にテンポよく3回観られました。


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今回はB席で2階席後方。前回が私の中で神回だったため、今回は友人と共にゆったり楽しみました。

 

2階席から観ると、アンサンブルさんたちのフォーメーションがすごくきれいに見えました。1階席からだとなかなか把握しにくいプリンシパルキャストの向こう側(舞台奥)にいらっしゃるアンサンブルさんの動きもよくわかり、日生劇場のあの独特な天井と壁に反射する照明の美しさも堪能できました。

 

アンサンブルさんたちの歌唱シーンの迫力が素晴らしかった一方、プリンシパルキャストのセリフが一部聴こえづらかったかな…。特にかをり役のいくちゃんは、後半ささやくような声で話すシーンもあるので、マイクがついているとはいえ、何を話してるかわかりづらい部分も正直ちょっとありました。

 

簡単な感想メモです。

 

・3回観て、総合的に好きなシーンは公生&かをりが♪時間よ止まれ♪を歌うシーン。楽曲の美しさ、2人のハーモニー、いつまでもこの時間が続けばいいのにと願う2人の切ない気持ち。全部がピタッとはまってました。もちろん代役デートのシーンや、退院祝いのシーンもかわいらしくて好きなんですけど…!木村ロミオといくちゃんジュリエットで「ロミオ&ジュリエット」を観てみたかったなとも思ったけど、関係性としては公生とかをりでぴったりだった気もしています。

 

・水田渡はこの回のみでした。1幕だけを観ると、個人的には寺西渡が好きかな~って思ってましたが、水田渡は2幕の、かをりのお見舞いに行かなくなった公生を説得するシーンがとっても良かったです。

 

あのシーン、寺西渡だとひたすら熱く、例えるなら公生の気持ちにもう一度火をつけようとするイメージなんですが(なので言い方が悪いけど圧がすごい感じ)、水田渡は公生と同じ目線で一緒に苦しんであげてて、泣きながら苦しむ公生と一緒に泣きそうになりながら、「かをりちゃんには俺じゃなくてお前が必要なんだ」って諭している印象でした。

 

渡だって、想いを寄せてくれてると思ってた女の子が、実は自分の友達のことを好きで…ってかなり傷ついてるはずなのに、それでも公生の気持ちに一生懸命寄り添ってくれてるんだなと、水田渡のお芝居を見て思いました。

 

・渡もかわいそう、っていうので思い出したんですが(そしてこれは原作への疑問なんですが)、かをりのついた『嘘』ってかなり残酷ですよね…?原作だと中学生設定なのと、公生と椿ちゃんがあまりにも仲良し幼馴染な上に、かをりは椿ちゃんが公生を好きなことを知っていて、2人の間に直接割って入れなかったから、まずは渡に近づいたらしいんですけど…。

 

結果的に気持ちをもてあそばれた渡と、好きな幼馴染の気持ちを持っていかれた椿ちゃん。死が近いから自分のしたいことをやってやる!というのは、気持ちとしてはわかるんですが、そのやり方についてはもう少し考えても良かったのでは、かをりちゃん…(恐らくそれを考える時間すら惜しい、というのが正しいんだと思いますが…。中学生なら『人を傷つけないで自分の願いを成就させる』という発想もまだ薄そうなので)

 

・1幕の最初の教室のシーンで、渡が歌ってる最中に、男子生徒たちが\わたりー!/って合いの手入れるのが好きだったんですが、この回は\りょうたー!/になっててびっくり。これはWキャストで変えてたのかな?

 

・退院祝いのシーン。いくちゃんにショートケーキとショートケーキじゃない茶色っぽいケーキ(多分チョコ味)を差し出され、即決で茶色いケーキを選んでたのに、結局ショートケーキを渡されてた木村公生w不憫すぎるw

 

・公生のライバル2人は、初見だと「え、何。ストーカーなの?」って思うくらい、公生への執着っぷりがすごい人にしか見えなかったんですが、ただのライバルじゃなくて公生のことを『憧れ』として見ていて、最後には公生のことを心配してくれるいい人たちでした。役名をド忘れしちゃったんですが、女性の方のライバルやってる役者さん、めちゃくちゃクールビューティで歌うまかったな。元榮菜摘さんというそうです。今後のご活躍も注目せねば…!

 

・♪Perfect♪のシーンもお気に入りです。審査員に見られてるときのいくちゃんかをりの顔が険しくてかっこいいんですが、公生が歌い出した途端、すごく柔らかい表情になる、あの瞬間的な切り替わりがとても好きです。宮園かをりはいくちゃん随一のハマり役だよなぁ…。

 

・カテコの達成さん、客席の拍手が終わるタイミングと自分が話し始めるまでに妙な間を空けてしまい「あっなんか変な空気になっちゃった僕こういう空気作るの得意なのかもしれない」と早口で謎の弁解をしておりましたw

 

そのあとなんだかあわあわした挨拶をした達成さんに対し、ふうかちゃんが「よく頑張った!!!!!」って褒めてたんですが、その声が劇場内に響き渡ってしまい、恥ずかしそうにしてたのとってもかわいかったです。そしてこの様子を見た友人が、「(達成さんって)本当は明るい人なんだね!」って言っててめちゃくちゃ笑いましたw

 

初見ではハマらなかったけど、回数を重ねるごとに魅力を味わえた作品でした。観られて本当に良かったです!何より推し役者さん2人が大変素晴らしかったので大満足!またいつか共演してくれたら嬉しいです。