Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」:幸せの呪文を唱えられなかった家族の物語

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だいぶ今更ですが、昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の感想を簡単に書き残しておきます。

 

私が大河ドラマを初めてきちんと視聴したのが、三谷幸喜さんが初めて大河ドラマの脚本を担当された「新撰組!」でした。

 

そしてあまりにも好きすぎて、聖地巡礼と称して長野県まで赴いたのが、三谷幸喜さんの2作目となる大河ドラマ真田丸」でした。

 

これまで2作共大好きだったので、今回も間違いなくツボにハマるだろうと思ってましたが、案の定はちゃめちゃに面白かったです…!

 

主人公は北条義時でしたが、これは最初から最後まで「北条家」のホームドラマでした。

 

すべては北条政子源頼朝と恋に落ちたこと、そして義時の兄・宗時が「坂東武者が、北条家がいつか天下を取るんだ」という夢を、弟に語り聞かせたことから始まった、血生臭く醜い争い。

 

頼朝のため、源氏のため、鎌倉のため、北条のため。小さなゴールに到達するたび、そこで満足せずどんどん上を目指していった結果、多くの血が流され、北条家もどんどん離散してしまう。栄華を極めるのに反比例して、大事なものが離れてゆく哀しさを感じました。

 

たくさんの命を奪い、死屍累々の上に執権として立った義時。最後は姉である政子からの「救い」とも「復讐」とも取れる行動で、あっけなく命を落としていくシーンが印象的でした。

 

♪オンベレブンビンバ〜♪と、楽しそうに間違った幸せの呪文を唱える北条家も、とても切なくて好きなシーンのひとつ。家族が幸せであれと願っているのに、誰も正しい呪文を唱えられないおかしみと哀しさを感じるひとコマでした。

 

役者陣も誰一人「ん?」と思う芝居をする人がおらず、毎週ノーストレスで楽しむことができました。小栗旬さんはじめ、全員がこの作品に愛情と情熱を注がれていたからこそ、愛される作品になったのだと思います。

 

また三谷幸喜脚本の大河ドラマが見たいので、NHKさんオファーお願いします!