*久々の映画レビュー記事。昔の映画感想ノートから引っ張り出しました。
映画「モアナと伝説の海」
監督:ロン・クレメンツ、ジョン・マスカー
出演(声):アウリイ・カルヴァーリョ、ドウェイン・ジョンソン、レイチェル・ハウス、テムエラ・モリソン、ジェマイン・クレメント、アラン・テュディック、ニコール・シャージンガー、他
(あらすじ)
自然豊かなモトゥヌイ島に、村長の娘として生まれたモアナ(アウリイ・カルヴァーリョ)。モアナは海の向こうの世界に行くことを願っているが、村長である父はそれを許してくれなかった。
ある日モアナは、祖母から島に伝わる伝説を聞く。それははるか昔、女神テ・フィティの心が、半神・マウイに盗まれてしまい、さらにマウイは女神の心をどこかに落としてしまったというものだった。
幼い頃、海からもらった緑色の石が女神の心では、と気づいたモアナは、その石を女神に返すべく、1人海に漕ぎ出すのだが…。
(感想)
公開当時、映画館まで観に行きました。
予告編やポスターを見ても、正直心惹かれる要素がなく、♪How Far I'll Go♪がほぼフルで流れる予告編も、「アナと雪の女王」の二番煎じのようで、あまりいい印象を持てませんでした。
が、やはりディズニー。さすがの出来でした。面白かった…!
物語前半、モアナの両親(特に父親)が「島の外は危ない。お前は島にいる方が幸せなんだ」と諭すシーンがあり、私は「またそのパターン!?」と若干呆れておりました。
それもう「リトルマーメイド」でも「ノートルダムの鐘」でも「塔の上のラプンツェル」でもやったじゃん!!と。
そのせいで♪How Far I'll Go♪も、「はいはい、ヒロインが外の世界に行きたいー!って歌う曲でしょ」とやや冷めた気持ちで聴いておりました。
ところがこの曲、ディズニー映画お得意の「リプライズ」が2度あり、はじめは「外の世界に行きたい」という曲だったのが、最終的に「自分のアイデンティティを見つける」曲に変身していて、ひたすら感心しておりました。
「海が私(モアナ)を呼んでる」のではなく、「私(の心)が私を呼んでる」と気づくモアナの心の変化もしっかり描かれていて、すごい楽曲だなと感じました。
また物語も、大筋はモアナが女神に石を返しに行く冒険譚なのですが(あらすじだけ見ると「ロード・オブ・ザ・リング」みたい。笑)、裏テーマ(?)としては「本当の自分を見失った人たちの物語」でした。
モアナは島で平和に暮らす自分のことを、心のどこかで「これは本当の自分じゃない!」と思っていたし、モアナが属している部族もあることがきっかけで「旅人」というアイデンティティを失ったまま生活していました。
半神マウイは両親に名前すら付けてもらえず、その代わり神様から魔法の釣り針をもらって「マウイ」になるけど、その釣り針を失くしてしまいます。
そして女神テ・フィティは、マウイに心を奪われてしまう。
でもみんな最後には「あるべき自分の姿」を取り戻して、ハッピーエンドになっていました。
子供のみならず大人も十分楽しめる、素敵なディズニー映画でした!