Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2022.11.5 ミュージカル「エリザベート」ソワレ公演:紫の血を流す黄泉の帝王

2022年6回目の「エリザベート」観劇。


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エリザベート」はこれだけの回数を観ても「まだ…まだ足りない…」ってなる不思議な作品。内容がそこまで重くないので(※個人感)何度も観られるのかな…。

 

ちなみに「久々に観るな~」って数えてみたら、たったの10日ぶりだったので笑いましたw

 

今回はB席(2階席最後列下手側)だったので、あまり気合いを入れず(?)のんびり楽しみました。

 

全体のフォーメーションが把握できたり(特にトートダンサーズ)、アンサンブルさんの様子もよく見えるので、普段あまり注目できてない人たちになるべく目を向けるよう意識した回でもありました。結果なぜか山崎トートに対する感想がたくさん生まれました(謎)

 

以下、山崎トートメインの簡単な感想メモです。

 

・2回目の山崎トート回でした。登場シーンはとっても神々しいんですが、なんか…歌い方のクセが強いんだよな…。ザ・育三郎節。

 

・全体的に「間」を取るというか、テンポ(拍)を遅めにずらして歌うのも彼ならではでしょうか?この回の上山ルキーニもわりと「間」を取る人だったので、ところどころオケ(指揮者)との呼吸が合ってなさそうに感じました。

 

・初見ではあまりの表情のなさにちょっと困惑したんですが、今回はオペラグラスでなるべく観るようにしたら、やはり表情はそこまで変わらないものの、ちょっとした仕草で喜怒哀楽を表現してるのかなと思いました。定点観測してないとつかみづらい(or つかみどころがない)トートかもしれません。そういう意味では「俺様だけ見てろ!!!!!」ということなのだろうか(多分違う)

 

・「あ、山崎トートが苛立ってるな」と感じられたのは♪私が踊る時♪。ちゃぴシシィが♪一人舞う あなたの前で♪と歌うと、ポーカーフェイスのまま、だらんとおろした両手の小指から親指までを順番に握っていき、最後にぎゅっと力いっぱい握りしめてて、その仕草だけで心底怒ってるんだろうな…というのが伝わってきました。

 

・歌声でも感情がところどころ分かるようになってて、♪愛と死の輪舞♪の♪その瞳が~胸を焦がし~♪では、古川トートと同じような「俺、今ときめいてる!?」という感情が声のトーンから聴き取れました。ついでにツッコむと、あなたの血は多分青くないです紫です(真顔)

 

・山崎トートの必殺技「パープル吐息」(命名:私)は今回も健在。わかりやすく吐息を出す♪最後のダンス♪以外でも、要所要所で息を吐くアクションを入れてました。

 

ため息には聞こえない。けれど客席にもトートの吐息であることがわかるような絶妙さって、出すのが難しそうです。

 

・♪最後のダンス♪、歌の圧で押しつぶされそうになるのは井上トートが一番かなと思いつつ、山崎トートも技術があるからこその歌い方をしていて、特にラストのサビの後のフェイクを超高音でキメてたのがかっこよかったです。前回とは明らかに違うフェイクだったので、毎公演変えてるのかな?

 

ところで古川トートも山崎トートも、わりとこの曲自由に歌いがちですよね?前世が某作曲家だからなの????????(イ◯コ先生の作品、出演者かぶりすぎ問題)

 

・ドクトルに変装するシーン、全くおじいちゃんっぽさがなくて、2019年の変装する気ゼロな古川トートに似てました。山崎トートの美学的に、おじいちゃんドクターに変装するのはNGなんだろうな(※勝手な想像)

 

・♪闇が広がる(リプライズ)♪では、自信なさげにトートから目をそらそうとする立石ルドルフを、「おい!!!!弱気になるな!!!立ち上がれよ!!!!」と、松岡修造ばりに応援する山崎トートでした。闇広が応援歌に聴こえる日が来るとは…。

 

・♪悪夢♪の山崎トート、本当に夢に出そうなレベルの表情をしてました。「シシィが見ているトート」(=シシィが出てくるときに一緒にいるトート)と、「シシィ以外の人が見てるトート」というのは、実はこれほど印象が違うのかと思いました。

 

シシィに対しては、あくまでも「トートがシシィを愛している」ことが前提にあるので、不気味だったり多少怖かったりはするけれど、シシィがトートを拒否することができる=トートはあくまでもシシィから動くことを待ってるので、手荒なこと(?)はしません。

 

でも「普通の人間」からしたら、「死」って容赦ないものだし「待って」とか「現世に戻して」という理屈は、普通は通じないはずです。

 

となると、悪夢のシーンで山崎トートが見せる表情が、彼の【本当の姿】なんだろうなというのを、今回観ていて思いました。これは私の中では新しい解釈だったので、新発見できたような気持ちになりました。

 

ちなみに♪救うのは これだ!♪でヤスリを出したあと、思いっきりヤスリをなめ上げててドン引き。そのあとの♪エリーザベェェェェェェェト♪は、本来なら彼女の名前を2度歌い上げるんですが、1回目で極限までロングトーンを伸ばしてその1回きりにしてました。ほうほう、そういう表現もありなんですねぇ…。

 

・2幕ラストの山崎トート、初めて表情らしい表情が見られたんですが、それが♪連れていって 闇の彼方遠く♪と、トートを受け入れることをシシィが歌うのを聴いた瞬間で、どこかホッと安心したような表情だったのが興味深かったです。「ようやく自分のことをわかってくれた!」みたいに見えました。

 

・シシィの身体から魂が抜けたときに、ちょっと戸惑ったような顔をしていて「せっかく分かり合えたと思ったのに…」という気持ちなのかなと。シシィとの駆け引きが終わってしまった残念さもありそうでした。

 

・表情にはあまり出てなかったけど、シシィを追いかけ回してる時間が、いつの間にか山崎トートにとって楽しい時間になってたんだろうな(って思うと、勝手な解釈ではあるけれど、山崎トートに愛着湧いてきますね…!)

 

・ちゃぴシシィ、バートイシュルのシーンでの、あのアイボリーホワイト×淡いグリーンのドレスが似合いすぎてる件。鏡の間の真っ白ドレスも、戴冠式ドレスも超似合ってるけど、劇中まとっている衣装の中で、あれが一番ちゃぴシシィに合ってる気がします。本当にかわいい!

 

・♪あなたがそばにいれば♪に合わせて♪夜のボート♪の歌詞を思い浮かべると、もれなく泣きます(泣いた)

 

・悲しそうな下がり眉の表情が、一言ずつ自分自身の心に刻みつけるような♪私だけに♪を経て、最後には闘志まんまんのきりっとした表情に変わるちゃぴシシィが大好きです(告白)

 

・久々の上山ルキーニ回でしたが、初日とそのあと観た公演では本調子じゃなかったので、今回調子がほぼ戻ってて良かったです!「レ・ミゼラブル」のアンジョルラスほどの迫力は正直まだ感じられなかったけど、そもそも作品と役柄の色が違いすぎるので…。

 

・黒羽ルキーニがどの場面でもわりと他の人に積極的に絡んでいくのに対し、上山ルキーニはそれを最低限にしてる印象で、あくまでも「傍観者」の立場を取っていそうでした。だから彼が「孤独」であることがより際立って見えて、同じく「孤独」を抱えるシシィに勝手に共感を抱いているのでは…。同じ「孤独」を抱えてるのに、シシィは裕福で社会的地位にも恵まれてて…という部分でルキーニの反感を買ってそうです。

 

・♪ミルク♪の♪今―――っ!♪でハイトーンをキメてた上山ルキーニ。2012年ウィーン版ルキーニが大好きなので、彼に似た歌い方をしてくれてありがとう!!!!!!!!ってなりました。

 

・♪キッチュ♪終わりに上山ルキーニが帽子を投げたら盛大に転がしてしまい、あわや上手側客席につながる階段から帽子が落ちそうになっててひやひやしました。なすすべなく落ちた帽子を指さして\キッチュ!!!!!/ってポーズ決める上山ルキーニ、かわいかったです。

 

・美麗マデレーネをオペグラでガン見したことを懺悔します(挙手)私の心臓も撃ち抜いてくれ~~~~~(ゾフィーのお付きのおじさまが、毎回美麗マデちゃんに心臓撃ち抜かれて死にかけてるのを見て)いつぞやの回では客席に向かってウィンク決めててときめいておりました。美人は強い

 

・香寿ゾフィー、最後に訣別を告げて去りゆくしゅがーフランツの背中を、今にも泣きそうな顔で見てて私が泣きました。やはり「母」である部分が多めなゾフィーなんだよなぁ。

 

・ルドルフはこの時点でバランス良く3公演ずつ観られたんですが、立石ルドルフはすごく「あっさり塩味」なルドルフ。せっかく爪痕を残す機会が20分くらい与えられてるのに、あまりうまくアピールできてない気がしました。

2022.10.26 ミュージカル「エリザベート」ソワレ公演:続・シシィとトートの『闘い』

2022年5度目の「エリザベート」でした。


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以下雑感メモ。

 

・ちゃぴシシィと古川トートはそろそろ喧嘩(物理)始めそうじゃないですか?????

 

ちゃぴシシィがなんだかオラオラしてるし、古川トートもオラオラしてるので。バチバチを通り越して、首根っこつかんで殴り合い始めそう(物騒)半年前は2人でねこちゃんのお話してニコニコしてたのに…(こちらの記事参照

 

でもシシィの「鏡」としてのトート、という認識であれば、シシィがオラオラすればそりゃトートもオラオラしますよね(完)あとシンプルに、役者さん同士の距離感が縮まったんだろうなと。2人とも人見知りっぽいので…。

 

・体操室シーンでの古川トートの♪それは この俺だぁぁーっ!♪の低音が響くようになってて、怖さを感じました。あのへんのシーン、声が城田トートっぽいですよね。城田トートはBlu-rayでしか観たことないけど。

 

・古川トートの♪最後のダンス♪、回を重ねるごとにおしゃれアレンジになっていく件。♪このー!俺さーあ↑あ→あぁ⤵♪みたいなアレンジでした。1回聴いたら一発で覚えられるアレンジでしたが、文字で表すのむずいな←

 

・観る回によってシシィに共感したりしなかったりなんですが、前回も今回も共感できず。「シシィが好き勝手できるのってお金があるからで、仮に彼女は貧乏だったとしても自由があれば幸せだったのかなぁ」とか、「♪私だけに♪で『話す相手 私が選ぶ』って言っておいて、2幕でパパの亡霊と話すシーンでは『この世に話し相手がいない』ってずいぶん勝手だよなぁ」とか、とりとめもなく考えてました。どうすれば彼女は幸せになったんだろう…(急に重たい感想)

 

・古川トートと黒羽ルキーニだと「この2人、仲いいな」(?)ってなります。黒羽ルキーニが古川トート大好きオーラを醸し出してて、共犯者っぽく見えるというか。

 

・黒羽ルキーニ、時折声がかすれるのが心配ではありますが、本当に毎回パワフルです。気づいたら目で追いかけちゃうパターンの役者さんですよね。空間を支配するのが上手なので、そういう意味では成河さんらしいのかもしれない。

 

正直なんでロミオ役だったのか、そこは今でもあんまり納得いってないんですが(私の中では圧倒的にマーキューシオ役者さんなので)、ただ「かっこいい」だけではない色を持った役者さんにどんどん成長していってほしいなという、上から目線感想です(?)

 

・誰かルドルフ助けてあげてよぅ…って思ってしまうくらい、あまりにも弱々な立石ルドルフ。周りの大人にしがみつくしかない、あの「自分の無さ」が本当にかわいそうになります。掛けられた看板のでかさに、本人が耐えきれてないんよ。お歌はもうちょい頑張れ…!

 

・♪独立運動♪後半の古川トート、「邪悪」を絵に描いたような顔してるので、一周まわって面白くなってしまいます。人間やめてる顔してる…。

 

・ラストシーン、登場時からなぜかずっとおろおろした様子の古川トート。憑き物が落ちたようなちゃぴシシィに対して、シシィとの駆け引きが終わってしまうことに寂しさを感じてるような、そんな表情をしてました。シシィに抱きつかれると、前(2019年)は嬉しそうにしてましたが、今回は「え…」みたいな顔してるんですよね。

 

・今期の田代フランツ、なんでこんな粘着質なんだろ…?それはラドゥ大佐なんよ(ちゃぴさんいるから「マタ・ハリ」できるね!)

 

♪最後通告♪は「そりゃシシィに『お母様が聞いてくれる あなたの話なら』って言われるわな」と自然に思えるくらい、「都合のいいときだけ甘えてくる旦那」という印象でした。

2022.10.26 劇団四季「美女と野獣」マチネ公演:10年ぶりの"再会"

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私のミュージカルの原点に再会できました(涙)(見た目は変わってたけど…!)

 

再演を願い続けてはいたけれど、まさか首都圏ディズニーミュージカルだらけの中での再演が決まるとは…!

 

ということで、新演出にはなったものの、2012年2月ぶりに「美女と野獣」を観ました!私が生まれて初めて観たミュージカルなので、本当に本当に感慨深かったです。

 

https://der-letzte-tanz.hatenablog.com/entry/2020/09/02/210144

↑人生初ミュージカルの感想記事

 

しかも再演でビースト役にキャスティングされ、初日デビューを飾ったのが四季の推し役者さんである清水大星さんで…(涙)候補キャスト発表がされたとき、冗談抜きで喜びすぎて叫びました(うるさいヲタク)

 

いつぞやのアルプ(=劇団四季の会報誌)を読んで、清水さんが「美女と野獣」に並々ならぬ思い入れを持っていることも知っていて、ビーストが絶対に似合う声の持ち主だしもしかして…とは思ってましたが、なにせ「オペラ座の怪人」でファントム役デビューしてからまだ1年経ってなかったので…。いや、1年で新しい役2つこなすってすごくない!?

 

そして夢にまで見た美女と野獣」「エリザベート」のマチソワ観劇をキメました(大の字)この日は間違いなく人生最良の日ベスト10に入ります。

 

私がミュージカルを好きになったきっかけの作品と、私がミュージカルにさらにハマるきっかけになった作品のマチソワ。しかもどちらの作品にも、それぞれ大好きな役者さんが出てるという最高のマチソワです。

(タイプ違いすぎますけど、どっちも!!!!!大好きなんですよ!!!!!)


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【全体的な感想】

・旧演出を1度しか観てない(しかもその日人生初ミュージカルだった)私は比較的受け入れられましたが、確かに「テーマパーク事業の一環として上演されているミュージカル」ではありました。

 

観劇後に東京ディズニーランドにある「美女と野獣」エリアで楽しむ、というパッケージが販売されてますが、なるほど、あのくらい舞台がライトな後味じゃないと、観劇後にパークで遊ぶのは難しそうですし、それをあえて狙った作りにしてる気がしました。

 

個人的には四季劇場春か秋で観たかったけど(つまり浜松町)、ビジネスとしてこれはこれでアリなのでは…。

 

・舞台セットは色使いとかド派手になってましたが、明らかに簡素化されてたのは確かです。特にビーストがベルにプレゼントする図書室。旧演出のパンフレットを読み返しましたが、新演出のあれはちょっと許せないなぁ…。あれは『図書室』じゃなくて『たくさんの本』なのでは。

 

衣装も原色バリバリ系で、かなり好みが分かれそうでした。どうしても原色バリバリはほんのりチープに見えますし、これも旧演出のちょっとシックな色味の方が好きです。

 

・何より1幕は80分、2幕が45分しかないという構成のアンバランスさよ…。ガストンとムッシュ・ダルクの悪だくみソングがカットされるのは仕方ないかなぁとは思うものの(ごめんねガストン)、お城の住人vs村の住人シーンがないのはあまりにも悲しすぎます。

 

♪暴徒の歌♪後にガストンが光の速さでビーストのお城のバルコニーに侵入しており、「いやいやあまりにもスムーズすぎんか」って思ってるうちにガストン落下してましたし…。城のバトルシーンはちょっとでもいいので残してほしかったなぁ。ちなみに野獣vsガストンのシーンも、なんだか尺が短かった気がしました。

 

・舞台が広くなったのか、出演者数が減ってるのかわかりませんが、結構舞台の空間が余ってる印象を受けたので、アンサンブルを男女2名ずつくらい増やしても良いのでは…と。

 

・♪Be Our Guest♪の圧巻のラインダンスや、♪Gaston♪のマグダンス、♪Human Again♪の楽曲自体が残ってたのは良かったですし、♪Human Again♪に関しては、モノと化していく召使いたちが歌う周りで、かつて人間であった彼らを模した(?)アンサンブルさんたちが踊ってるあの構図がすごく好きでした。

 

・やはりこの作品は歌が!!!!!!とにかく良すぎるんですよ!!!!!!どの曲も全部好き!!!!!!!!(突然荒ぶるヲタク)

 

・物語も、少なくともアニメ版よりかは明らかに「ベルが感じる孤独」が強く押し出されていて、旧演出からあるベルの「人と違うって気持ちがわかるの。それがどれだけ孤独かも…」ってセリフで泣きそうになりました。ラブロマンスというよりかは、孤独を感じるもの同士が強く惹かれあう物語、という印象が強かったです。

 

・そういえば結構男性客が多めでびっくりでした。そして終演後はわりとみなさん「泣いたわ~~」って言ってる人が多くて興味深かったです。私の隣に座っていたご夫婦(かな?)は、旦那さんが2幕後半すごい勢いでずびずび泣いていらして、正直「そ、そんな泣く!?!?」って思っちゃいました。笑


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以下、キャスト別感想です。

 

【ベル:五所真理子さん】

・メグ・ジリーじゃん!?(突然のオペラ座

 

・旧演出時代からベルを演じてたことは知ってましたが、ここまでバリバリ歌うのは初めて観たので、バリバリ歌える人なんだな~と思いました(小並感)ちょっと息継ぎのタイミングが微妙だったり、若干声量落ちるかなと思う部分はあったけど、開幕2日目だったので…。

 

・新演出になったとはいえ、ベル役を何度も演じたことがあるだけあって、カンパニーを引っ張ってるなという印象でした。変に勝気すぎるキャラ付けでもなく、にっこり笑顔でガストンや町の人の言うことをさらっと流す。でも本当は自分のアイデンティティがこれでいいのか、どこかおかしいのかな…ってちょっと弱気になっちゃう。でも(2回目)自分の信念は決して折ろうとしないのが、とてもベルらしく感じました。

 

・勝気すぎるヒロインって、下手するとちょっと観客側がひいちゃう可能性もありそうですが、五所さんは持ち前のチャーミングさを活かして、絶対に「かわいい」から外れないベルでもありました。

 

・メガネっ子ベルに対しては賛否両論あるみたいですが、個人的には超アリ。自分が小学生の頃からメガネっ子なので。メガネっ子プリンセスっていないからさ~~~~~~(ミラベルはディズニープリンセスじゃないですよね?)

 

【ビースト:清水大星さん】


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大好きすぎる五体投地

 

・「オペラ座の怪人」で清水ファントムを観たときと同じく、本当に本当に本っっっっっ当に感無量でした(涙)念願かなって本当に良かったですし、何よりビースト役が予想以上にハマっててびっくりしました。

 

・ミュージカル版のビーストは、一貫してちょっと可愛らしいキャラ付け(?)っぽいので、どなたが演じても「かわいいな!?」となりそうですが、清水ビースト、挙動が完全に5歳児でした。

 

登場してモリースを閉じ込めるシーンはそれなりに怖いんですが、ベルと出会ってからはずっとかわいい。2022年かわいいオブザイヤー。かわいすぎてマスクの下でエンドレスにやにやしてたし、かわいいがゲシュタルト崩壊起こしてました(狂)

 

・ベルとなかなかうまくコミュニケーションが取れなくて、「どぉしよう…ミセス・ポットはなんて言ってたっけ…?」の言い方が本当にかわいすぎて座席で悶絶してました。黙って観てただけ褒めてほしい←

 

・ビーストが客席の笑いをかっさらってたんですが、あれでOKなのかな…?旧演出を観たときはあそこまでコメディだった印象が全くなくて…(「ビーストがかわいい」という印象もないんですが、演じる役者さんが違うからかな…?)

 

・旧演出よりメイクがやや薄めになっていたため、役者さんの表情が分かりやすくなってました。メイクをしてても「お、清水さんだ」ってなったので(それはそう)

 

・清水ビーストのころっころ変わる表情に終始私が転がされていた(真顔)清水さんそんな顔するんだ…って驚きがたくさんありました。ベルと打ち解けてからは、ずっと目がきらきらしててとっても素敵でした!

 

・ベルに「アーサー王」の本を読み聞かせてもらうシーンだけでもあと1000回観たい(狂)あの両手頬杖スタイルなんなん?????(あまりの可愛さにもはやキレ始める)

 

・お父さんの身代わりで城に監禁されたベルの身代わりで私が城に住むよ(真顔)

 

・♪愛せぬならば♪が予想よりもはるかに「芝居歌」になっていましたが、ラストの♪滅ぼせよ この身を~~~~~~♪がどこまでも伸びる伸びる。多分清水さんの体内には肺が4つある(ない)圧巻の1幕ラストでした。とはいえ、ビーストは歌が少な目なのがちょっと残念です。Wキャストの金本さんも歌めちゃくちゃうまいのにな〜〜〜〜!

 

・歌は言わずもがなですが、清水さん、芝居もうまかった(今さら)実は初めて「ノートルダムの鐘」のフィーバス隊長で観たときは、正直芝居の印象はあんまりなかったんですが…(めっちゃ熱血漢やな!という印象で終わった記憶ならあります←)

 

ベルに本の楽しさを教えてもらうシーンで、「本を読んでると、自分が誰なのかを忘れさせてくれる!」って明るく言い放った後、ふと現実に戻って「…いや、自分が『何』かを忘れさせてくれる」みたいなセリフがあったんですが、間の取り方うまぁぁぁぁ~~~~って全然別の観点で感動してました(ヲタ視点)

 

・ベルを村に帰してあげるシーンな!!!!!!!!!!!!!!もう良さを表現する語彙力が私にはないんですよ!!!!!!!!(開き直り)

 

・若干心配してた王子様ビジュですが(よぎる、長髪な清水ジーザスの武士っぽさ)、予想よりも100倍かっこよかったです…!!!!!(失礼すぎる感想)

 

相変わらずカーテンコールではキリっとしすぎてお顔は武士でしたが、ロイヤル感もきちんとあったのでめでたしめでたしです(拍手)人間に戻ってからずっとオペラグラスで追いかけちゃったもん←

 

・王子が人間に戻って歌うフレーズと、クライマックスでベルと2人で歌うフレーズが好きすぎる。めっちゃ一瞬ですけど!

 

・なんか感動のあまり、1周まわって「『リトル・マーメイド』でまたシェフ・ルイやらん?」ってなりました(謎)エリック王子も見てみたかったなぁ…さすがにもうやらないと思うので…。

 

他キャストはまとめてメモ。本当は1人ずつ細かく観たかったけど心の余裕が無さすぎました!!!!!

 

・大木ルミエールが客席に座る全員を落としにかかってきた(震)恐ろしい色男(色ろうそく?)ですよあの人。

 

・吉賀コッグスワース、というか吉賀さんがあまりにもオールマイティすぎて強すぎます。どの作品で観ても、脇からがっちり支えてくれる心強い役者さんです。

 

・金久ガストン、腕の筋肉が自前という点に私は感動しました。ガストンにしてはややトーン高めの声かな?

 

・山本ルフゥは実写版ルフゥと同じ匂いを感じました。♡ガストンLOVE♡が全面に出てて良きです。あと1か所ビビるくらいアクロバティックな動きしてて、客席が「ふぁ!?」ってなってました。

 

・潮崎ミセス・ポット、もう「美女と野獣」を知ってる全員が想像するであろう「ミセス・ポット」でした。聴いてるとほっとする温かな声質が最高です。

 

・戸田マダム・ブーシュ…戸田愛子さんって「オペラ座の怪人」でマダム・ジリーやってた方ですよね!?ひょええええ全然印象が違う!!役者さんってやっぱりすごすぎます。

 

・いつぞや観た「ライオン・キング」では、イケメンすぎるナラ(命名:私)だった朴さんが、まさかのバベットちゃん!こちらもまるで違うキャラだったのでびっくり&セクシーかつキュートなキャラもめちゃくちゃ似合ってました!しかしあの歌唱力を活かさないのはもったいないのでは!?

 

2022.10.25 ミュージカル「エリザベート」マチネ公演:確かにそこにいるわ、あなた

2022年4度目の「エリザベート」は、やっとこさの山崎トート回でした!ちなみに香寿ゾフィーも今期初でした。

 

今回はセリフに「おっ!」と思わされることが多かったです(まぁこの作品におけるセリフってわりと少ないですが…)

 

本当に一言だけなのに、そこに込められる感情が手に取るようにわかるセリフがたくさんありました。特にちゃぴシシィのセリフに多くて、歌だけでなく芝居もパワーアップしてるな…と感じました。ちゃぴさんの役者としての成長ぶりがまぶしすぎる…!


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以下、キャスト別感想です。

 

【トート:山崎育三郎さん】

何もつかめなかった(真顔)私がわかりやすい芝居を求める客だからなのかもしれないですが…。

 

・キャストが発表されたときに、「シシィよりも自分のことを愛するトートになりそうだな」と思ってたんですが、実際はそんな感じはあまりせず、かといってシシィのことを愛している感じもあまりせず、本当に「ただそこにいるトート」でした。

 

「死」なのでそういうお芝居の方針もアリかと思いますし、これはこれで新しいような…?「何を考えてるかわからない怖さ」はありました。

 

前評判とか聞くかぎりでは、もっと自己陶酔に走るトートかと思っていたので意外でした。トートはシシィの心情を写す鏡の存在なので、自己陶酔に走る系トートであればシシィのエゴイストな面が強調されて、それはそれで面白くなりそうです。

 

・表情はあまり変えずに比較的仏頂面が多く、たまに感情が動いたであろうときだけ目をクワッと見開いてました。

 

・実は少ーーーしだけ育三郎さんの歌に苦手意識があるからか(いや本当にめちゃくちゃお上手なのですけど)、山崎トートはもう少し芝居要素を多めに含んだ歌に寄せてほしいなと思いました。すごく上手なんですけどコンサートっぽかったというか…。

 

・いやでも本当に歌がうますぎる…!登場シーンの♪天使の歌は~♪は思いがけずクラシカルな歌い方だったのでちょっとびっくりでしたが、シーンごとにクラシカルだったりロックだったりと歌い方を使い分けてるのは素晴らしかったです。

 

・完全に現世に舞い降りた謎多き美声ロックシンガーと化していた♪最後のダンス♪、途中のセクシー吐息はちょっと笑っちゃいましたが(あれはおそらく韓国版トートのオマージュ?)、歌で劇場全体を制圧する圧巻の歌唱でした。ラストの歌い上げの声の圧がやばすぎて、シシィでなくとも耳塞ぎたくなりました。鼓膜が破れそう(真顔)

 

・要所要所でセクシー吐息を出してた記憶があるのですが、あまりにインパクトが強すぎて私が勝手に妄想して増えてる可能性もあります(?)

 

・紫色のウェーブがかったロングヘア&前髪真ん中分けという、超上級者スタイルでも違和感なくてうらやましすぎます。あれは本当に美人さんじゃないとできない髪型ですよね。

 

ゾフィー香寿たつきさん】

・香寿ゾフィーは「宮廷でただ一人の男」と言われた図太さや勇ましさみたいなものはあまり感じなくて、「フランツの母」であることが最初から強く出てる印象でした。

 

<その他雑感>

・面白かったのは、山崎トートの圧が強すぎる♪最後のダンス♪終了後、フランツがシシィに呼びかけるシーン。この日の佐しゅがーフランツの呼びかけ方が、絶妙に気の抜けた感じで、それまでトートが作り出した高揚&緊迫した雰囲気を、いい意味で崩してました。それにしてもあんな気の抜けた呼びかけ方されたら、なんだか不安になるな…。笑

 

・甲斐ルドルフ、全体的に良くなってました…!山崎トートとの方が声の親和性があるように思います。♪闇が広がる(リプライズ)♪は「この組み合わせだと、1番サビはトートが下ハモなんだな」と思って聴いてたら、育三郎さんが上パートを歌ってることに途中から気づいてびっくりしました。声の質感が似てませんか…!?

 

・ちなみに甲斐さんは、もう少しお芝居が大きくなるといいなってずっと思ってたんですが、今回かなりわかりやすくなってて個人的にすごく好みです。

 

♪ママは僕の鏡だから♪では、悲壮感あふれるというよりは、悩み相談ですら明るくしようとする健気さがあり、終始テンション低いままのシシィとの対比がより一層悲劇的に見えました。♪ママは昔ハンガリー助けた♪と歌うパートでは「あ、そうだ…!」って名案を思いついたような明るい表情になったりと、歌の中での感情の動きがすごく明確になったなと。独立運動失敗後に捕まってハプスブルク姓を名乗る直前、覚悟を決めたような大きめのため息をついてたのも印象的でした。

 

・黒羽ルキーニも本当にめちゃくちゃ良き!!!!!楽しんでお芝居されてるのが伝わってくる!いいね!ってにこにこしちゃいます(謎)

 

・そいえばロミオが3人いる回パート2でした(育三郎さん、甲斐さん、黒羽さん)

2022.10.23 ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」マチネ公演:変わったのは作品か、己の感性か

2022年2回目の「ジャージーボーイズ」は、メンバーを変えてチームBlackで観劇しました。


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※ここからネガティブな感想が続きます。あくまでも個人の感想ですので…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的に結構ショックだったのですが、2018年に初めて再演を観たときに大好きな作品になって、4回とも大興奮して楽しんだはずが、今回は2回観劇してどちらにもそれがありませんでした。

 

前回は睡眠不足による睡魔に負けて寝ちゃったのかと思ってたんですが、今回は睡眠をばっちりとっていたにも関わらず睡魔に負けました。正直に言ってしまうと、退屈に感じてしまったんですよね………。

 

4年経って私の感性があの頃と変わってしまったのか、今回のチームがとりわけ私のツボに合わなかったのか、直近でもっと好きな作品(「エリザベート」や「キンキーブーツ」)を観たからなのか。とにかく悲しくなるくらい全然ハマりませんでした。

 

やっぱり劇場が大きすぎるのと、音響があまりにもよろしくなさすぎるのが大きな理由な気がするんですけども。上演劇場をクリエに戻してくれ(わがまま)

 

幕間の時点でかなり虚無状態に陥ってたので、キャスト別感想は簡単に。

 

フランキー・ヴァリ中川晃教さん】

・シングルキャスト時代も、昼夜公演の合間に泳ぎに行ってたとの話を聞いたことがあるので当時から余裕はあったんだと思いますが、今回はWキャスト体制になったので、さらに余力があるんだろうなという印象でした。

 

・やっぱり彼の独特な歌いまわしはあまり好みではないんですが(でも前回より全然聴きやすかったです)、お一人だけ圧倒的にうまいので、「彼こそがフランキーである」というのが一目(一聴?)瞭然ですし、この作品ぴったりな役者さんだなと改めて感じました。

 

【トミー・デヴィート:藤岡正明さん】

・セリフが全っっっっっっ然聞き取れなかったんですが、私が耳鼻科に行くべきですか?(真顔)(ちなみに健康診断の聴力検査は毎年A判定です)

 

・私の中のトミーは、「ダメ人間だけど愛すべきところもある人」の印象なので、ただ暴力的なだけにしか感じられなかった藤岡トミーはあまり好きになれませんでした。

 

・歌もあんな感じだったかなぁ?と。日生劇場との相性が良くないとか?帝劇コンでの笹本さんとのデュエットはとても素晴らしかった記憶があるので…。

 

【ボブ・ゴーディオ:東啓介さん】

・セリフ回しが明瞭でハキハキしてるので、彼のセリフは聞きやすかったですし、歌もうまかったんですが、東さんだからこそのボブ、というのはあまり感じ取ることができませんでした。有澤さんのほうが上手くキャラ付けできてたように思います(※個人感)

 

【ニック・マッシ:大山真志さん】

・大山さんも東さんと同じく、彼なりのニックがあまりつかめなかったです。チャーミングでかわいらしかったけども…。

 

次の再演がまた日生劇場、もしくは他の大きな劇場だったら、もう観ないかもしれない…。そのくらいピンとこなかった2022年の「ジャージーボーイズ」でした。