Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2018.4.4 劇団四季「アラジン」:誕生日(イブ)はアグラバーで決まり!

 

2018年も誕生日(イブですが)はアグラバーに訪問させていただきました。通算12回目。

 

と100回くらい言う気がするけど、これだけ見てもまだまだ楽しめるって、やっぱりすごくないですか??今回も最高に楽しかったです!

 

平日ソワレでしたが、春休みだからか客席のちびっこ率が高めで、私の隣の席にはお母さんと男の子2人兄弟が座ってました。お母さん含め3人とも全力で楽しんでてほっこり。

 

1幕は兄弟のお兄ちゃんの方が私の隣に座っていて、とにかくよく笑ってました。2幕はお母さんが気を遣ったのか、お兄ちゃんと席を交換して私の隣に座ってましたが、お母さんもなかなかツボが浅い方で、阿久津ジーニーが出てくるたびに笑ってましたw

 


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今回は北村さんに特化した感想になっております。

【アラジン:北村優さん】

・びっくりするくらい素晴らしかった。役者さんって日々進化し続けるんだなぁと、当たり前のことですが改めてひしひしと感じました。また次回どんな進化を遂げるのか、見るのが楽しみになるアラジンになっていました。

 

・前回観たときには、すごくひっくり返りそうな高めのトーンでセリフを発していた印象でしたが、今回はすごく映画版のアラジンっぽい印象でした。可愛い:かっこいいの割合が、以前は7:3でしたが、今回は3:7で圧倒的にかっこよかったです。可愛らしく少年っぽいアラジンも良かったけど、今の素敵な青年アラジンも良い…!

 

・唯一個人的にむむっと思ったのは、♪自慢の息子♪の歌い方。たとえば♪見てーいーてー。かあさんー。じかーんを無駄にーしてきた。ぼくーだーけーどー。♪って、全部に句点が入ってしまう歌い方をされていて、ちょいと気になってしまいました。もう少し歌詞のまとまりごとに歌ってもらえると聴きやすくなりそう。

 

・逆に北村アラジンが、他のアラジンでは見られなかった新たなアラジン像を見せてくれたなーって思ったのは♪行こうよ どこまでも♪前のシーン。すごく自虐的で、もはや貧乏から抜け出せない自分自身に対してある種の諦めを感じてるなと。ジャスミンを部屋に招いた時、「ひどいところだろ?」の後に「ははっ」ってすごく乾いた笑いを入れてて、もう人生諦めモードなのね…と思いました。

 

・そのあとジャスミンに部屋からの眺めを見せても「そうよね…」ってあまり感動してもらえなくて「…いいと思わないの!?」って、彼女の価値観に衝撃を受けてる感じがすごくしました。ジャスミンに「ああいうところに住める人なんてほんの一握りで、それ以外の人たちは苦しんでる」って言われても、「仕方ないよ~」ってある意味ヘラヘラしてる感じで、全然希望を感じませんでした。

 

・そんな彼だからこそ、ジーニーに出会って王子様にしてもらった時点で舞い上がってしまっていろいろ血迷っちゃうのはしょうがないなと、すごく納得がいきました。特に1幕終わりの♪自慢の息子♪リプライズで、♪僕の未来が目の前に広がる~♪という歌詞で、王子の衣装を着た自分の体を見まわしてるのも良かった。諦めモードだった北村アラジンが、初めて希望に満ちた表情になっていました。

 

・ジャファーから「君は賢い、素早い、機転もきく」って褒められたらすごいドヤ顔するの、めっちゃ単純すぎるし、「なのに~」って言われてそのドヤ顔が気まずい感じの表情になるのも面白いし、「出世して母上の自慢の息子になりたくないのか?」って言われてハッとするし、北村アラジンの表情筋が忙しいシーンでした。笑

 

・個人的に一番良かったのは、♪自慢の息子♪リプライズ(その2)のシーン。なぜあのタイミングであの歌を歌うのか、今回の北村アラジンのお芝居で初めて腑に落ちて、引っかかっていたものが取れた気分になって1人で感動してました。あの「そうか!!」って気持ちは観劇していて初めて感じました。

 

ジーニーと喧嘩するシーンで、半分泣きながらランプ越しに「勝手にしろ!」って言うけれど、頼りにしてたジーニーがいなくなったらそれはそれですごく不安で、自分がついてしまった嘘の大きさに押しつぶされそうになる北村アラジン。

 

でも♪自慢の息子♪を歌いながら、彼の気持ちが「ジャスミンに思いを伝えて恋を実らせる」から「母さんに誇りに思ってもらえる自分になる」っていう、一番最初にこの歌を歌った時の信念を思い出したことがひしひしと伝わってきて、だからあの前でも後でもなく、あのシーンであの歌を歌うんだってことに気づけてすごく納得できました。

 

・北村アラジンは他のアラジンと比べるとちょっぴり泣き虫なため、ジーニーと喧嘩するシーンも半分泣きながらだし、ジーニーとお別れするシーンでも泣いてて「ジーニー!良かったね!…でも、さみしくなるよ」のセリフですごい笑い泣きしててぐっときました。ちなみに最後にジャスミンとキスするシーンは、その前に泣きすぎてたためか、キス前に鼻をずずずーってしてて、(ロ…ロマンティックのかけらもない…!!)ってなりました。可愛いからいいか。笑

 

 

【その他】

・♪フレンド・ライク・ミー♪でのジーニーから客席への呼びかけ、いつもだと「さんはいっ!ビビディバビディブー!」ですが、今回は「みんなもー!」って掛け声になってました。そのおかげか比較的客席から声が出てた気がして良いなーと思いました。こっちの呼びかけのほうが声出しやすいよねきっと。

 

・「今度埋め合わせするから!」ってアラジンに言われて去っていくマブダチ3人。舞台袖ギリギリのとこで、ジト目でうらめしそうにアラジンを見つめる白瀬バブカックを発見して思わず吹き出しました。笑

 

・女性アンサンブルに市川実日子さん似の素敵なお姉さまがいらっしゃいました。井上佳奈さん。覚えた(メモメモ)

 

・嶋野オマールってすごい苦労してそう。何となくの印象ですが。笑

 

・「アラジンを助けなかったら一生後悔するよ!」ってオマールのセリフ、今回の嶋野オマールですごくしっくりきました。それまでは他3人との接着剤みたいな役割で、あまり自分の意思を主張してなかったオマールが、初めて兄貴分であるカシームに対して強く言う、そのくらいアラジンのことを想ってるんだ…っていうのが120%伝わってくる演技でした。

 

・そろそろ\鳥の羽は食えねーだろー!/という萩原カシームのツッコミに対して、白瀬バブカックが羽むしゃぁって食べそう…。笑